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第510回:ドイツ発のタイヤメーカー
コンチネンタルの将来戦略を読み解く

2018.06.24 エディターから一言
コンチネンタルの将来戦略を語る、タイヤ部門プレジデントのニコライ・ゼッツァー氏。
コンチネンタルの将来戦略を語る、タイヤ部門プレジデントのニコライ・ゼッツァー氏。拡大

創業は1871年と、タイヤメーカーの中でも特に長い歴史を持ち、またタイヤ以外の自動車部品サプライヤーとしても大きな存在感を示すドイツのコンチネンタル。これからの世界戦略について、タイヤ部門の責任者に聞いた。

日本での知名度はいまひとつだが、欧州ではメジャーなタイヤメーカーとして知られており、数多くのモデルに新車装着されている。写真は現行型「フォルクスワーゲン・ポロ」の日本導入発表会にて、展示車両に装着されていた「コンチネンタル・ウルトラコンタクトUC6」。
日本での知名度はいまひとつだが、欧州ではメジャーなタイヤメーカーとして知られており、数多くのモデルに新車装着されている。写真は現行型「フォルクスワーゲン・ポロ」の日本導入発表会にて、展示車両に装着されていた「コンチネンタル・ウルトラコンタクトUC6」。拡大
コンチネンタルのタイヤはドイツ以外のメーカーでも広く採用されており、日本では「NSX」「シビック タイプR」といったホンダのスポーツモデルや、「スイフト」や「エスクード」などのスズキのグローバルモデルに装着されている。
コンチネンタルのタイヤはドイツ以外のメーカーでも広く採用されており、日本では「NSX」「シビック タイプR」といったホンダのスポーツモデルや、「スイフト」や「エスクード」などのスズキのグローバルモデルに装着されている。拡大
タイヤ以外の自動車部品サプライヤーとしても高い存在感を示すコンチネンタル。運転支援システム用のセンサーをはじめ、日本車の中にも同社製品を搭載しているクルマは少なくない。
タイヤ以外の自動車部品サプライヤーとしても高い存在感を示すコンチネンタル。運転支援システム用のセンサーをはじめ、日本車の中にも同社製品を搭載しているクルマは少なくない。拡大

他のメーカーにはないアドバンテージ

日本車ユーザーにとってはまだなじみが薄いかもしれないが、ヨーロッパ車ユーザーにとっては、とても身近な存在がコンチネンタルだ。実際、「あっ、ウチのクルマにも付いている!」という人は多いはず。というのも、ヨーロッパメーカーの新車のうち、3割強にコンチネンタルのタイヤが装着されているからだ。

最近では、「ホンダ・シビック タイプR」や「ホンダNSX」「スズキ・スイフトスポーツ」といった話題の日本車にも新車装着され、じわじわと知名度が高まっているコンチネンタルなのだが、タイヤブランドとしての顔はその一面にすぎない。同社の売り上げに占めるタイヤの割合は26%。これに対し、自動車部品の比率は約6割で、実はロバート・ボッシュに次ぐ、世界第2位の自動車部品サプライヤーなのである。

だから、コンチネンタルのタイヤが付いていなくても、知らないところにコンチネンタルの品が付いていることが多い。ブレーキやABS、スタビリティーコントロールといった部品はその一例。最近では、自動ブレーキやレーンキープアシストといったドライバーアシスタンスシステムに欠かせないステレオカメラなども供給している。

自動車部品だけ、あるいはタイヤだけを供給するメーカーがほとんどなのに対し、コンチネンタルはその両方を高いシェアで提供するのも強みのひとつ。いまやほとんどのクルマにABSやスタビリティーコントロールが装着されていることから、その機能を十二分に生かすことのできるタイヤを開発するなんていうこともできるわけだ。

世界第4位のタイヤブランド

当然のことながら、この先もタイヤがコンチネンタルの重要な製品でありつづけることに変わりはなく、中期計画「ビジョン2025」では、世界3大タイヤメーカーに食い込むことが目標に掲げられている。現在、グローバル市場におけるタイヤのシェアは、1位がブリヂストン、2位がミシュラン、3位がグッドイヤーで、コンチネンタルは第4位。果たして逆転の秘策はあるのだろうか?

「アジア太平洋での成長がカギ」と話すのは、コンチネンタルのタイヤ部門でプレジデントを務めるニコライ・ゼッツァー氏だ。前述のとおり、コンチネンタルのタイヤはヨーロッパ地区ではシェアが高く、同社のタイヤ部門の75%がヨーロッパでの販売となっている。これに対し、アジア太平洋地域の売り上げは、2010年時点ではわずか5%。成長が期待されているこの地域やアメリカなどで売り上げを伸ばせば、全世界でのシェア拡大につながり、ベスト3入りも夢ではないということなのだ。

このためコンチネンタルは、アジア太平洋地域向けのタイヤを開発。中・大型ハイパフォーマンスカー用コンフォートタイヤの「コンチマックスコンタクトMC5」や、静粛性や快適性を高めたコンパクトカー用コンフォートタイヤの「コンチコンフォートコンタクトCC5」などを、日本市場を含めた各国で販売してきた。そんな努力のかいあって、全体に占めるアジア太平洋地域の割合は、2014年には8%、2016年には10%まで拡大している。

成長のカギとして、これまで攻略できていなかったアジア、北米市場への本格進出を挙げるゼッツァー氏。本文で紹介している内容に加え、アメリカのレース用タイヤメーカー、フージャーを傘下に収めるなど、モータースポーツ活動についても力を注いでいるという。
成長のカギとして、これまで攻略できていなかったアジア、北米市場への本格進出を挙げるゼッツァー氏。本文で紹介している内容に加え、アメリカのレース用タイヤメーカー、フージャーを傘下に収めるなど、モータースポーツ活動についても力を注いでいるという。拡大
「コンチマックスコンタクトMC5」
「コンチマックスコンタクトMC5」拡大

アジアにおける生産・開発を強化

アジア太平洋地域向けのタイヤ開発は、グローバルな商品開発にも役立っている。現在、コンチネンタルのラインナップは「スポーツコンタクト6」や「プレミアムコンタクト6」「コンチバイキングコンタクト6」など、第6世代商品が主流になりつつある。「コンチコンフォートコンタクトCC6」もそのひとつで、もともとはアジア太平洋地域向けのタイヤとして生まれたCC5の経験を生かして、新世代のCC6はグローバルなコンパクトカー用コンフォートタイヤに生まれ変わっている。

こうした動きを加速させるために、コンチネンタルはアジア太平洋地域にテストセンターを開設する予定。また2019年にはタイに建設中の新工場を稼働させ、アジア太平洋地域に乗用車や小型トラック向けのタイヤを供給するという。

日本においても、自動車メーカーやアフターマーケットでの存在感を高めたい考えで、すでに2014年にはコンチネンタルタイヤ・ジャパン株式会社を設立。販売チャンネルの拡大や物流の改善に加えて、日本のマーケットの要求を拾い上げるなどの努力を続けている。

こうした市場での成長に加え、技術面では長期的に「タイヤと自動車部品の両面から交通事故ゼロを目指す」という目標を掲げている。「ペダルからタイヤまでをカバーするわれわれだからこそ、最も安全で最高のドライビングエクスペリエンスが提供できる」と胸を張る彼らが、世界や日本の自動車ユーザーにどのような未来をもたらすか、ぜひ注目したい。

(文=生方 聡/写真=コンチネンタル、webCG/編集=堀田剛資)
 

コンチネンタルのタイヤ製品は、現在第6世代へと移行が進んでいる。2018年2月に日本に導入された新製品「マックスコンタクトMC6」も、第6世代の商品群に含まれる。
コンチネンタルのタイヤ製品は、現在第6世代へと移行が進んでいる。2018年2月に日本に導入された新製品「マックスコンタクトMC6」も、第6世代の商品群に含まれる。拡大
世界戦略の一環として、アジア市場への本格進出、開発・生産体制の強化を推し進めるコンチネンタル。写真は2018年3月にタイ・ラヨーン県で行われた、新工場起工式の様子。この工場は2019年に稼働する予定だ。
世界戦略の一環として、アジア市場への本格進出、開発・生産体制の強化を推し進めるコンチネンタル。写真は2018年3月にタイ・ラヨーン県で行われた、新工場起工式の様子。この工場は2019年に稼働する予定だ。拡大
 
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