BMW i8ロードスター(4WD/6AT)
気に入った! 2018.11.17 試乗記 2017年11月のロサンゼルスモーターショーで発表された「i8ロードスター」は、プラグインハイブリッドスポーツ「i8」の派生モデルにして、BMWが「ピュアオープンeモビリティー」と呼ぶフラッグシップモデル。i8はオープン化によって、どんな走りをみせてくれるのか。相変わらずの未来感
こういう仕事をしていると「どんなクルマも自由に乗れてうらやましい」などと言われることもあるが、そういうものでもない。確かに一般の方々よりチャンスはあるかもしれないが、タイミングだとか巡り合わせというものもあるし、そもそも“仕事”として成立することが大前提の“チャンス”なのだ。そしてようやく、BMW i8に触れる幸運が巡ってきた。
2014年の秋あたりに日本の道を走りはじめたその姿を初めて眺めて以来、いや、より正確に言うなら2011年の東京モーターショーで市販の現実味を帯びてきたコンセプトモデルをしげしげ観察して以来、ずっと走らせてみたいと思いながらも指をくわえて見ているしかなかったのだ。その間にi8には改良が加えられ、電動オープントップを備えたi8ロードスターが加わった。試乗することができたのは、その最新版であるi8ロードスターである。期待感だって膨れ上がるわけだ。
長い間ずっと指をくわえて見ていたこともあって、そのスタイリングからは、デビュー当時に受けたほどの強烈なインパクトは、もはや感じられない。が、相変わらず未来感のある雰囲気は漂わせているし、エアロダイナミクスを巧みに利用していることがありありと分かるディテールにも感じ入るところ多々、である。
何より素直にカッコイイと思える姿をしている、クーペ作りのうまいBMWならではのルーフからリアウィンドウにかけての奇麗な流れを見せるファストバックスタイルは、オープントップを得たことでいかにもミドシップらしいリアピラーを兼ねる一対のフェアリングで構成されるカタチに変わったが、車内のスイッチを15秒間押し続ければフルオープンとなるソフトトップは、シート後部にすんなり奇麗に収まって、美観を全く損なわない。
そのトップの収納場所と引き替えにクーペが持つ+2のリアシートを失っているが、トップの収納場所の下側には100リッターほどのラゲッジスペースが確保されているから、実際の使い勝手にはそれほど大きな変化はないともいえる。オープンエアモータリングの心地よさと+2のあまり使うことのないリアシート。どちらを選ぶかと問われたら、僕なら問答無用でオープンエアだ。