BMW X5 xDrive35d Mスポーツ(4WD/8AT)
先駆者は間違えない 2019.07.04 試乗記 BMWのSAV(スポーツアクティビティービークル)「X5」の新型がいよいよ日本に上陸。世の中にプレミアムSUVというジャンルを生み出した、いわばパイオニアというべきモデルの最新バージョンは、今もなおカテゴリーリーダーといえる実力を備えているのだろうか。八村 塁選手と真っ向勝負
東京駅至近のBMWジャパン本社の地下駐車場でBMW X5と対面して、ただならぬ迫力を感じる。まず、物理的にデカい。従来型から40mm長くなったホイールベースは2975mmで、全長もプラス25mmの4935mm。そして何より迫力を強調するのが65mmアップで2005mmにまで拡大した全幅で、キドニーグリルを大型化したことと相まって、強い存在感を放っている。
2005mmといえば、NBA行きが決まった八村 塁選手の身長203cmに迫る。いやいや、2005mmはドアミラーを含まない数値だから、ドアミラー込みだと八村選手が横たわった状態といい勝負だということになる。試乗車が、フロントマスクの下半分の造形がよりアグレッシブになる「Mスポーツ」仕様だったことも、ギラリとした雰囲気を醸す一因だ。
ただし、リアドアの途中でキュッと上がってヒップがアップしているように見えるキャラクターラインのおかげで、ボヨンと太っているようには見えない。筋肉質の固太りだ。あと、オプションの21インチという大径ホイールも外観を引き締めることにひと役買っている。知り合いのスタイリストが「大柄で太めの人は大きな靴を履くとバランスが整ってカッコよく見える」と言っていたのを思い出す。
外観は押し出しの強さが印象に残るけれど、乗り込むとそこはクールで知的なBMWの世界。眼前には12.3インチのフル液晶メーターパネル、車両セッティングや空調、ナビの操作は10.25インチのコントロールディスプレイで行う。従前からのiDriveのコントローラーも含めたインターフェイスは、「BMWオペレーティングシステム7.0」と呼ばれる新しいもので、いきなり走りだしても直感で操作できる、なかなかの優れモノだ。
そしてオプションの「BMWインディビジュアルパッケージ」を装着していたことから、シフトセレクターはキラキラのクリスタル。これは昔はやった水中花シフトノブの現代版にほかならず、日本のヤンキー文化は先鋭的だったんだなぁとしみじみしながらエンジンを始動する。
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