トヨタ・スープラRZ(後編)
2019.10.10 谷口信輝の新車試乗 17年ぶりに復活した「トヨタ・スープラ」は、レーシングドライバー谷口信輝にとって“買い”なのか? その走りについて、いいところと気になるところを語ってもらった。コーナーではクセがある
箱根のワインディングロードで「トヨタ・スープラRZ」の試乗を終えた谷口信輝にその印象を聞きたいと思っているのだが、先ほどからボンネットの中をしきりにのぞき込んでいてなかなか話が聞けない。そんなこちらの思いをヨソに、谷口はスープラのつくり込みのすごさを私たちに訴えかけていたのである。
「本当に、これはかっこいいですよね」
先ほどから谷口が見とれているのはストラットタワーの取り付け部である。
「ここにフィンみたいに見える補強が入っているでしょ? これ、実は目に見える上側だけじゃなくて、下側にも入っているそうですよ。あとはギアボックスまわりとかリアの足まわりとかにも、これでもかっていうくらい補強とかあて板とかが入っている。まるで、ロールバーが入っていないだけの競技車みたいです。ボディー剛性、『86』の何倍って言ってましたっけ?」
86との比較では2倍ないし2.5倍で、カーボンモノコックの「LFA」さえ上回っているというのだから、恐るべきボディー剛性だ。その効果は、走りにも表れているのだろうか?
「走りはもちろんスポーティーでいいんですが、ちょっとだけクセがありますね」
その話をぜひ詳しく聞かせてほしいと頼むと、谷口は次のように語り始めたのである。
「ターンインでのノーズの入り方はいいんですが、最初の操舵――僕はこれを“1の舵”と呼んでいますが――を入れたときに、ちょっと速いスピードでローリングやピッチングが起きちゃうんです。別にアンダーステアが出たりオーバーステアが出たりするわけじゃないので、そのまま待っていればそれでいいんですが、人によってはその動きにあわせて一瞬ステアリングを戻したくなっちゃうかもしれませんね」
つまり、コーナリング初期の動きに対してもう少しダンピングを効かせてほしいということなのか?
「そうですね、バンプ側もリバウンド側もうちょっと減衰力を上げて、伸びたり縮んだりが、もう少しじわっといくといいと思います。コーナリングの限界自体はすごく高いんですけどね」
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