BMW X4 Mコンペティション(4WD/8AT)
乗るべきはジェントルマン 2019.12.07 試乗記 最高出力510PSの3リッター直6ツインターボエンジンを搭載した「BMW X4 Mコンペティション」に試乗。「X4」に初めてラインナップされた、正真正銘の“M”モデルの出来栄えやいかに!?サーキットでの走行も想定
webCG地下駐車場の扉が開くと、迫力のあるフロントマスクが目に飛び込んできた。思っていたよりもデカい。それがX4 Mコンペティションの第一印象だ。乗用車ベースのスポーティーなミドルサイズSUV(BMWの呼称ではSAC=スポーツアクティビティークーペ)という位置づけから想像していたサイズをはるかに上回る、堂々たる巨体である。
全長×全幅×全高=4760×1925×1620mmというサイズは、現在では驚くような数字ではないのだろう。ライバルの「ポルシェ・マカン」も同じようなディメンションだ。ただ、現物を目のあたりにすると、X4はマカンよりも大きく感じる。顔つきの立派さが影響しているのかもしれない。そのことが、後で試乗中に困った現象を引き起こすことになる。
2018年に2代目となったX4に、新たに加えられたのが2種類のMモデルだ。3リッター直6ツインターボエンジンを搭載し、8段ATを与えられる。ノーマル「X4 M」の最高出力が480PSなのに対し、X4 Mコンペティションはさらに30PSをプラスした510PS。価格差は102万円なので、(パワーだけを)単純計算すれば1PSあたり3万4000円を支払う形だ。実際には、パワーアップすることよりも最高級グレードに乗っているという満足感が得られることのほうが大きいだろう。
モータースポーツに由来する「M」の名はダテではない。取扱説明書には「車両はモータースポーツのレース用として設計されていません」と記されているものの、サーキットで走る場合は専門ショップで点検を受けるようにというただし書きもある。本気で走りを楽しむ人が購入することを想定しているのは確かだ。