自宅のレコーダーがクルマの中に?
1999年の初代発売以来、21世代目となるサイバーナビが2019年冬発売の910シリーズ。長いあいだサイバーナビの変遷を追ってきた目からすると、先代から大きく飛んだ型番だけで大変革を遂げたことがわかる。
新型910シリーズの特徴を簡単に述べると、従来培ってきたナビ機能のさらにその上に高速データ通信機能を積み重ね、これまでにない映像エンターテインメントの世界を実現させたことである。これまでもサイバーナビはデータ通信には積極的で、精度の高い渋滞情報を主とするスマートループ機能を実用化し、近年ではカメラの撮像データをユーザー間で相互利用、それぞれの安全安心運転に役立てるシステムまで作り上げた。今回は通信速度や容量を大幅にアップし、これまで車載器では実現不可能とされたYouTube動画のストリーミング再生を可能とした。これを実現したひとつの鍵がNTTドコモとの協業。同社の車内向けインターネット接続サービス「docomo in Car Connect」に対応させたことで、サイバーナビが車内の Wi-Fiスポットとなり、できることの範囲が格段に広まった。
もうひとつの立役者が福岡のソフトウエア開発メーカー、デジオンと共同開発した「DiXiM Play for carrozzeria」である。スマートフォンにインストールした「DiXiM Play for carrozzeria」という専用アプリを使って自宅の家庭用ブルーレイレコーダーとサイバーナビをインターネット接続。これにより、レコーダーに録画したコンテンツや放送中の番組をサイバーナビでリモート再生できるようにしたのである。すなわちクルマに居ながらにして自宅のブルーレイレコーダーが持つ映像コンテンツを存分に楽しめるということだ。利用するにはレコーダーとサイバーナビを「DiXiM Play for carrozzeria」でペアリングする必要があるが、設定は至って簡単。対応可能なレコーダーはおおよそ2015年前後以降のパナソニック、シャープ、東芝、アイ・オー・データ、バッファローの製品で、現時点でソニーは対象外である(※1)。
※1 対応可能なレコーダーの詳細は
https://www.digion.com/sites/carrozzeria/device/を参照。
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存在感を高める通信デバイス
高速データ通信にはネットワークスティックという通信デバイスが必要になる。型番の末尾に-DCが付く同梱(どうこん)モデルであれば買ったその日から即高速データ通信が利用できる。非同梱モデルでも後から単体を買い足すことはできる(ネットワークスティックはサイバーナビ910シリーズのみに対応)。ただ、サイバーナビの場合、ナビ機能の中核ともいえるスマートループ渋滞情報、スーパールート探索、フリーワード検索、駐車場満空情報、天気情報などはすべて通信を介したサーバー情報に依存しているので、これらを利用するにはネットワークスティックは半ば必須。さらに実際問題としてネットワークスティックの単品購入はかなり割高になるので(原稿執筆時点の市場価格調査による)、新型サイバーナビを買うなら最初から同梱モデルを選んだほうが賢いかもしれない。
docomo in Car Connectの利用料金は、1日プラン(550円)、30日プラン(1650円)、365日プラン(1万3200円)の3つがあり、ユーザーはこの中から利用状況に応じて選ぶことになる。若干のコストはかかるものの、得られるものは多い。なおネットワークスティック同梱モデル購入者に限っては最初の1年間、無料利用権が付いてくるので、上記料金は2年目以降の適用となる。
映像を美しい画面で楽しむために機器のほうの性能アップも実施された。新型サイバーナビではパネルの画質が大きく向上した。ディスプレイに高精細HDパネルを採用し、HD解像度に対応。さらに今回は9V型が新たに登場した。楽ナビには用意されているのにサイバーナビにはなぜ9V型がないのかというユーザーの不満もこれで解消。トヨタ車等に採用されつつある9V型用ダッシュパネルならそのまま装着できる。
併せて音の向上も図られた。再生音の音質のよさはサイバーナビの自慢のひとつだが、新型ではプリアウトの性能が向上したほか、一層の音質向上を求めるユーザー向けに車種別にチューニングした再生音設定データをオプションで用意している。
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ついに自動地図更新が実現
映像と再生音の話ばかりしていると新型サイバーナビはエンターテインメントに特化した機器のように感じられるかもしれないが、基本部分もしっかりとブラッシュアップされている。まず見た目から従来モデルとは異なる。ハードキーまでパネル内に収めた完全フルフラットなパネルデザインをはじめ、各機能を表示するインターフェイスも洗練されたデザインに一新。性能面では操作性の大幅な改善が見られる。発表会場での短時間体験でしかないが、これまでサイバーナビの弱点だったスクロールや拡縮などの地図操作が格段に改善され、ようやく意図したとおりに地図を動かせるようになった。
高速データ通信は地図更新でも威力を発揮した。待望の自動地図更新がいよいよ実現したのだ。これまでのサイバーナビは新規開通道路などへの対応として最大年6回の更新データを提供しているが、それをナビにインストールするにはかなりの手間と時間が必要だった。だが、新型ではdocomo in Car Connectによりサイバーナビ自体でデータ取得を行うため、クルマから離れることなく自動的に地図更新が可能となったのである。単体モデルを選んだ場合はスマートフォンのWi-Fiテザリングを使って自動地図更新も可能だが、別途通信料がかかるので注意。手間を惜しまなければ従来どおり自宅等のPCを使ってダウンロードによる更新作業も可能だ。もっとも通信による更新は差分更新に限られるが。PCが手元になかったり更新作業が面倒な場合は、商品に付属のバージョンアップデータをSDカードに書き込んで送ってくれる「SD送付サービス」(5500円)を利用するのも手だ。
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webCG 編集部
1962年創刊の自動車専門誌『CAR GRAPHIC』のインターネットサイトとして、1998年6月にオープンした『webCG』。ニューモデル情報はもちろん、プロフェッショナルによる試乗記やクルマにまつわる読み物など、クルマ好きに向けて日々情報を発信中です。
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