アウディA6アバント40 TDI Sトロニック(FF/7AT)
主役は遅れてやってくる 2019.12.11 試乗記 アウディのアッパーミドルセダン/ワゴンである「A6」シリーズ。そのディーゼルモデル「40 TDI」に本国ドイツで試乗。日本にも導入される予定の2リッターディーゼルターボ搭載車は、現行A6の本命と呼ぶにふさわしいモデルに仕上がっていた。日本待望のエントリーグレード
2019年3月に日本に導入された5代目「アウディA6/A6アバント」。今のところガソリンの3リッターV6ターボを搭載する「55 TFSIクワトロSライン」および「同ラグジュアリー」のみのラインナップのため、車両価格はいずれも約1000万円からと高価だが、2020年春ごろにはエントリーモデルとして2リッター4気筒ターボディーゼルが導入される見込みとなっている。
本国での価格差から推測するに、FFなら800万円強というのが妥当なところだが、「メルセデス・ベンツE220dアバンギャルド」(FR)の757万円から、「BMW 523d xDrive Mスピリット」(4WD)の765万円からにぶつけて、同程度に収めてくることも考えられる。そうなると、ショッピングリストの上位にA6/A6アバントを入れる向きも、一気に増えることだろう。
そもそも、アウディは“ジャーマンスリー”のなかで唯一、FFおよびFFベースの4WDを採用し、そのメリットを生かした走りを持ち味にしてきた。FR系のライバルが前後重量配分のバランスのよさに由来する軽快なハンドリングを強調するのに対して、アウディは圧倒的に高い操縦安定性、直進安定性が身上であり、高速走行やコーナリングを無用な緊張感なしにハイペースでこなせることが強みだった。