BMW M760Li xDrive(前編)

2019.12.26 谷口信輝の新車試乗 これも“M”の仲間なのか!? 「BMW M760Li xDrive」に試乗したレーシングドライバー谷口信輝は、パワフルなフラッグシップサルーンの予想外の走りに驚きの声をあげた。

この乗り心地はまるで……

BMWのフラッグシップモデルであるM760Li xDriveはさまざまな意味で規格外のサルーンだ。エンジンは排気量6.6リッターのV12ツインターボを搭載。ちなみに、BMWの現行ラインナップでV12エンジンを積んでいるのはM760Li xDriveだけ。このエンジン、間もなくデビューする次世代の「ロールス・ロイス・ゴースト」にも搭載されるとのうわさが流れ始めているが、つまりV12エンジンはいまやそれくらい特別な存在なのである。

これはちょっとした小ネタだが、BMWやメルセデス・ベンツがかつてエンジン排気量を示すために用いていた数字は、いわゆるダウンサイジングコンセプトの台頭によって「従来の〇〇cc相当」という意味に変わり、いまでは実際の排気量よりも大きい数字を用いることが慣例化されている。しかしM760Liだけは例外で、エンジン排気量の6.6リッターよりも小さな数字がモデル名としてあてがわれている。これも、「ここまでくると、もはや排気量なんてどうでもいい」という余裕から生まれた判断なのだろう。

さて、そんなM760Liを谷口信輝に試乗してもらった。ただし、BMWというプレミアムブランドを代表するフラッグシップサルーンである。そこで谷口には試乗を手短に終えてもらい、その後は私が運転手となって谷口には後席でゆったりとくつろいでもらうことにした。
「うわぁ、もう、トロットロの乗り心地ですね。まるで豪華なクルーザーに乗っているような印象です」

どのように乗り心地が快適なのか、もう少し詳しく説明してほしいと頼むと、谷口からこんな答えが返ってきた。
「発進時の縦Gとか、コーナリング時の横Gとかを極力消そうとしていますね。つまり、後部座席に腰掛けている同乗者の体をできるだけ揺すらないようにしている。だからハンドルを切ってもすぐには反応しない。ゆったりとロールして、本当にまったりとしています」

 
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