BMW M760Li xDrive(後編)

2020.01.02 谷口信輝の新車試乗 鈴木 真人 「一度乗ったら降りたくなくなる」と、レーシングドライバー谷口信輝も称賛。BMWのフラッグシップサルーン「M760Li xDrive」の乗り味は、ほかのリムジンとどう違う?
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走りに対する思想が見える

後席でのバツグンの快適性に驚きつつも、ハンドリングの話をし始めれば、今回のテーマであるBMW M760Li xDriveと「トヨタ・センチュリー」の違いを指摘し始めた谷口信輝。後編は、まずは両車のハンドリングの違いから語ってもらおう。
「正直、M760Liもコーナリングを積極的に楽しみたいとはあまり思いません。全然ダメなわけじゃないけれど、飛ばしたいという気持ちも湧いてこない。それはロールが大きかったりハンドルをたくさん回さなければいけないことも理由ではありますが、やっぱりステアリングなどを通じて感じられる情報量が少ないんですよね。まあ、よくできたスポーティーモデルの7割減といってもいいかもしれません」

「でも、逆にいえば3割は残っているんです。だから、それを使って自分なりにクルマの動きをコントロールしようと思えばできないこともない。でも、センチュリーにはそれがないんです。タイヤはサイドウオールが柔らかいから、コーナーで頑張ろうとしてもタイヤがたわむだけで、スポーティーな走りは期待できません。ところがM760Liはそこが違って、自分でクルマの動きをコントロールできる余地が残されている。この辺がトヨタとBMWの思想の違いなのかもしれませんね」

それでも、M760Liに乗るなら運転席ではなく後席に限ると谷口は断言する。
「もうね、メチャクチャ楽です。許されるなら、運転はドライバーに任せて、僕は後ろの席に座ったまま仕事に行きたいです。それに、あんまり乗り心地がいいから、なんだか眠くなってきました。もう、いますぐにでも寝られますよ」 

そう言うと、谷口は本当に「ウワァ~」と大あくびをしたのである。しかも、箱根のワインディングロードを走りながら!

 
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