スズキ・ハスラー 開発者インタビュー
“アウトドア”を街なかで 2020.02.07 試乗記 スズキ株式会社四輪商品第一部
チーフエンジニア
竹中秀昭(たけなか ひであき)さん
スズキ株式会社
四輪商品・原価企画本部
四輪デザイン部
エクステリア課
高羽則明(たかば のりあき)さん
2014年に登場して、またたく間に人気モデルとなった軽クロスオーバー「ハスラー」が2代目に。ライバルも登場する中で、先駆者のアドバンテージをどう生かすのかが問われる。チーフエンジニアの竹中秀昭氏とデザイナーの高羽則明氏に話を聞いた。
デザインは一度大幅にやり直した
――初代があれだけ人気になると、モデルチェンジは難しいプロジェクトになりますね。何を継承し、どこを変えようとしたのですか?
高羽則明氏(以下、高羽):初代でお客さまに一番人気だったのは、エクステリアデザインとカラーです。それをどう変えるのかは、確かに困難な挑戦になりました。実は、デザインを一度大幅にやり直しているんですよ。1分の1のモックアップをつくった後で、全面的に変えました。
――普通、そこまで進むと大きな変更は難しいですよね?
竹中:試作が始まるところでしたからね。設計要件も室内のレイアウトも変わってしまいます。でも、やらなければいけなかったし、やってよかったと思います。
――何が問題だったのでしょう?
高羽:ハスラーらしさはあったんですが、進化感が足りなかった。どこが変わったのかを説明するのが難しかったんです。それで、もう一回ハスラーらしさとは何か、どこを進化させるべきかを考え直すことに。デザイナーと商品開発担当者が東京の最新スポットに行き、時代の空気を感じてきました。すると、2014年当時と今とではアウトドアのあり方が変わっていることがわかったんです。
――アウトドアを楽しむのは普通のことになりましたね。
高羽:街なかでもカナダグースのジャケットを着ていたりして、本格的でオーバースペックなものが増えてきた。市場が拡大して、アウトドアと街の境界がなくなってきているんです。ワークマンを日常で着こなすのがカッコいいという価値観が広がっています。クルマも同じで、ハスラーに求められるものも、当然変わってきたはずです。
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