第620回:猛牛は病魔でくじけない! ランボルギーニの今とこれからを経営トップに聞く
2020.05.30 エディターから一言![]() |
新型コロナウイルスの影響により、大きな痛手を負ったイタリア。社会の経済活動が戻りつつあるいま、多くの自動車ファンが憧れるスーパーカーメーカーはどのような状況なのだろうか? ランボルギーニのトップを務めるステファノ・ドメニカリ氏に、モータージャーナリスト西川 淳が聞いた。
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6月からは稼働率100%
――今回の新型コロナウイルス禍は世界中に大きな被害をもたらしました。イタリアも死者が多く、いまだにウイルスと戦っている方がたくさんいると聞いています。
ステファノ・ドメニカリ(以下、ドメニカリ):状況はようやく改善の兆しが見えています。イタリア政府はうまく対処したと思いますよ。1カ月もの間、外出を規制されるなどということはイタリアの文化では考えられないこと。それでもほとんどの人が素晴らしい姿勢で臨んだことを誇りに思っています。
工場も再開しましたから、ランボルギーニ社自体も良い方向に向きつつあると思っています。マスクを着用するなど安全策を取りつつ、社員は仕事に戻ることができて喜んでくれているし、社会的にも意義のあることだと思っています。間もなく国境や州境(region)も開放されるはずなので、早く日本にも行きたいですね。
――本社における製造現場の、最新の状況を教えてください。
ドメニカリ:社会的責任を果たすためランボルギーニ社は真っ先に休業を決めた企業のひとつでした。苦渋の決断ではありましたが、社員の安全を第一に考えてのこと。とはいえ休業期間中もただ眠っていたわけではありません。みんなが安心して働けるよう、安全を確保する条件やルール等の整備を行いながら再開を目指してきました。
また、医療の最前線で働く人たちは物資が何もないような状態でしたので、この地域にある企業に協力してもらいつつ、マスクやフェイスガード、人工呼吸器等を早急に製造しました。これもコミュニティーに貢献するための素晴らしいアクションだったと思います。
そして去る4月27日に工場が再開しました。生産ラインのキャパシティーのうち75%しか稼働していませんが、6月からは100%稼働する予定です。雇用を守り、ルールを順守し、サプライチェーンもこれだけの短期間で再開の準備ができました。オフィス勤務の社員に関してはいまだ出社と在宅勤務が半々の状態ですが、工場ではほとんどのスタッフが仕事を再開し、お客さまにクルマをお届けするために励んでいます。
5週間も、休業状態だったわけですが、やはりこういうときだからこそ、お客さまとより密接につながって、情報を届け続けることが大切だと考えています。短期的に、業績の多少の低下は避けられませんが、パンデミック直前のランボルギーニ社はとても勢いがありましたし業績も好調に推移していましたので、できるだけ早く元の状態に戻れるよう頑張っていきたいと思います。
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