ポルシェ911ターボSカブリオレ(4WD/8AT)
ドリームカー降臨 2021.01.05 試乗記 最高出力650PSを誇る、新型「ポルシェ911ターボSカブリオレ」に試乗。その加速やコーナリングからは、つくり手がこのハイパフォーマンスカーに込めた、すさまじいほどの気合が伝わってきた。変わらぬようでずいぶん違う
ワールドプレミアが予定されていた2020年3月のジュネーブモーターショーが直前にキャンセルとなり、最新の“992型”「ポルシェ911ターボS」との初対面はここ日本でということになった。ポルシェジャパンが用意したテストカーは、何とその「カブリオレ」である。
新しい911ターボSの心臓は、水平対向6気筒3.8リッターツインターボユニット。可変タービンジオメトリーを用いたターボチャージャーの大型化はパワーアップの常とう手段だが、実は今回は冷却系が大きな見直しを受けている。インタークーラーへ送られる空気は従来、リアフェンダーのエアインテークから取り込まれ、リアリッドのグリルから排出されていた。それを新システムでは、空気をリアリッド側から取り込み、リアバンパー左右そして中央のアウトレットから排出するレイアウトとすることで、大幅な効率アップを実現したのだ。
要するに、より密度の高い空気を大量にエンジンに送り込むことが可能になったことで、最高出力は従来の実に70PS増となる650PSに達した。水平対向6気筒3.8リッターツインターボという型式は不変でも、中身は隅々に至るまで進化しているのである。
トランスミッションはPDKで、ギア段数は7段から8段に増えている。フルタイム4WDシステムのPTM(ポルシェ・トラクション・マネジメントシステム)は、フロントに最大で500N・mものトルクを伝達できるようになった。最大トルクは800N・mだから、つまりトルクの半分以上を前輪に回せるというわけだ。
シャシーには従来通り、可変ダンピングシステムであるPASM(ポルシェ・アクティブ・サスペンション・マネジメントシステム)のほか、電子制御アンチロールバーのPDCC(ポルシェ・ダイナミック・シャシー・コントロールシステム)、さらにリアアクスルステアリングが組み合わされる。走行状態や選択したモードに応じて前後スポイラーのせり出し量、角度を変更するポルシェアクティブエアロダイナミクスも、先代に続いての搭載である。
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