次期フラッグシップはハイブリッドに! ランボルギーニの戦略についてキーマンが語る
2021.02.26 デイリーコラム拡大路線は望まない!?
「日本のお客さまは、極めて洗練度が高いのです。ランボルギーニの歴史に対する理解が深いですし、モノのクオリティー、細部にこだわられます。イタリア人にも似ているのですが、これらは実にパワフルな特徴だと思います」
わが国の猛牛ファンをそう評したのは、2021年2月にランボルギーニ・ジャパンのヘッド・オブ・ジャパンに着任した、ダビデ・スフレコラさん。日本の市場やユーザーに他国との違いはあるかという質問に対する答えだ。
2019年、日本はランボルギーニ最大の市場となるアメリカ、そして中国(香港とマカオ含む)、イギリスに次ぐ販売台数を記録した。2020年も4位で、アメリカ、ドイツ、中国(同)、日本という順位。しかしランボルギーニは2020年10月、数で勝る中国市場を差しおいて、東京にブランド体感スペース「THE LOUNGE TOKYO」をオープンした。なぜなのか?
「前述の通り、日本の皆さまはクルマのつくり込みや伝統を重んじます。そして、自分だけの一台にこだわられる方も多い。われわれとしては、そういうお客さまにマッチしたサービスを提供したいのです」
この施設には、イタリア本社以外では世界初の試みとなる、ランボルギーニのカスタムオーダーができる「アドペルソナム専用スタジオ」も設置されている。厚遇、といえるだろう。
そんな日本市場で新たなボスが、今後どれほどの成長を期待しているかと思えば、意外なことに「拡大路線は望まない」という。
「成長というのは積極的に追い求めるべきものではなく、あくまでお客さまに満足いただいた結果としてついてくるものなんです。(とりわけ、コロナ禍中にあるいまは)販売台数アップを目標とせず、質の高いサービスを提供して顧客満足度を上げることに注力すべきだと思っています」
もっともランボルギーニ自体のセールスは好調と捉えられている。世界でも日本でも、ランボルギーニ全体に占めるスーパーSUV「ウルス」のシェアが50%超となっているが、スーパーSUVとスーパースポーツの50:50という配分は同社としては狙い通り。それが実現できたいまは、「一息ついて、足固めをするとき」なのだそうだ。
環境規制のこともある。今後、ランボルギーニを取り巻く状況は厳しくなっていくように思えるが、その足固めからさらに前進し、生き残っていくことはできるだろうか?
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「アヴェンタドール」の後継モデルは……
「たしかに、世界的に(スーパーカーメーカーの置かれた状況は)厳しくなっていますね。でも、われわれランボルギーニにとっては、問題ではないと考えています」とスフレコラさん。
将来的には、まずハイブリッド化、次にEV化という流れで、この時代の変化に対応していくという。ただ、いま現在、ランボルギーニの準備は十分とはいえない。「電動化と走りのパフォーマンスはトレードオフなんです。例えば、電気で走るランボルギーニのオーナーの方が、愛車でトラック(サーキット)に行ったとする。1周、2周、3周とアタックしてハイ電池切れ、では話にならないわけです」とスフレコラさんも苦笑する。
それでも、スーパースポーツカーは生き残ると、彼は断言する。なぜなら、人々は「自分を表現する手段」としてクルマやそのブランドを選ぶから。そういうニーズがある以上、こうしたハイパフォーマンスカーは存在し続けるというのだ。ランボルギーニに関して言えば、これから10年間はハイブリッド化を進め、それ以降はEV化という変化を経ながら。
2020年11月には、かつてランボルギーニで敏腕を振るったステファン・ヴィンケルマン氏が社長兼CEOに、復帰というかたちで就任した。その人事的な移行はスムーズに行われ、社としての方針にも変化はないそうだが、ヴィンケルマン氏は即断・即決、実行力があることで知られる人物。スフレコラさんも、前述の対応策を速いスピードで実行していくはずだと語る。
そんななか、10年にわたって愛されてきたV12モデル「アヴェンタドール」の生産終了がアナウンスされた。次期フラッグシップは、どんなクルマになるのだろうか?
「まさにいま、エンジニアが後継モデルを一生懸命開発している最中です。ランボルギーニのフラッグシップはこれまで、デザインでもパフォーマンスでもテクノロジーでも、常にこの世界のアイコンであり続けました。今度の新型もそのような、ブレークスルーができるモデルになるはずです」
あなたは実物をご覧になった?
「コンセプトだけです(笑)」
電動化モデルか? という質問には、「ハイブリッド車になる」とキッパリ。シリンダーの数については言葉を濁したが「これまでの伝統を継承するのは間違いない」とだけ笑顔で答えてくれた。
新しいV12のハイブリッド・ランボルギーニはいつ、どんな姿で登場するのか。そして、これからの時代をどう駆け抜けていくのか。期待は高まるばかりだ。
(文と編集=関 顕也/写真=ランボルギーニ・ジャパン、webCG)
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関 顕也
webCG編集。1973年生まれ。2005年の東京モーターショー開催のときにwebCG編集部入り。車歴は「ホンダ・ビート」「ランチア・デルタHFインテグラーレ」「トライアンフ・ボンネビル」などで、子どもができてからは理想のファミリーカーを求めて迷走中。
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