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シトロエンC3エアクロスSUVシャインパッケージ(FF/6AT)/フィアット500Cツインエア ドルチェヴィータ(FF/5AT)/メルセデス・ベンツC220dアバンギャルド(FR/9AT)

これでいいのだ! 2022.03.03 JAIA輸入車試乗会2022 関 顕也 新車で買える輸入車がずらりと並ぶ、JAIA(日本自動車輸入組合)の試乗会。日ごろ幼児の世話に追われるwebCG編集部の関が、多彩なラインナップのなかから選んだ、家族も喜んでくれそうな3台とは?

こう見えて超マジメ
シトロエンC3エアクロスSUVシャインパッケージ……328万6000円

オトーサンになると、クルマ選びはガラリと変わる。縁遠かったミニバンはうんと身近になり、最新の「ステップワゴン」や「タント」が光り輝いて見える。でも、それは「あがりのチョイス」というもの。何か、ほかに面白い選択肢はないだろうか。個性派ぞろいの輸入車なら、理想の一台があるんじゃないか?

「そういえば……」と頭に浮かんだのが、「シトロエンC3エアクロスSUV」だ。なにせ、この顔である。2019年に出たときは理解不能だったけれど、変わった形のホイールといい、ボディーの塗り分けといい、じわじわ気になる存在になってきた。マイナーチェンジ後のモデルも悪くない。内装もポップだし、これなら家族も「うちのクルマ」と愛してくれるに違いない。

でも乗り込んでみれば、見た目だけのクルマじゃない、とわかる。めちゃくちゃマジメで、実用的だ。例えば? 専用のコンフォートシートは座面が高くて、ダッシュボードも平らだから、すこぶる前方視界がいい。後席だって、大きなサンルーフと相まって見晴らしバツグン。開放感だけじゃない。サイドウィンドウはシェード付き。後席座面はスライド可能。助手席を下げて右後席を前に出せば、ミニバンでおなじみ「子どものケアポジション」もつくれる。その後席に合わせて、荷室の広さも変えられる。豊富な小物入れ。後席の人も使えるセンターコンソール……とまぁ、キリがない。これが、フランスの合理主義というものなのか。

実際、C3エアクロスSUVのセールスは好調で(シトロエンのSUVラインナップではトップ)、2021年はインポーターの予想を上回る1000台を販売したという。子持ちもそこそこ多く、後席を活用する“使い倒し派”が目立つそうだ。とはいえドライバーに「運転させられてる」感はなく、ステアリングを握っていて、実に楽しい。

ただ、マイナーチェンジで最高出力が110PSから130PSへとパワーアップした1.2リッター直3ターボが、スペックとは裏腹にもっさりしたように感じられるのは、気のせいなのか。この点については、排ガス対策の影響があるのかもしれない。いや、アクセルレスポンスはマイルドなほうが、同乗する家族はありがたいかも……。フロントフェイスの好き嫌いから、あえてマイチェン前を選ぶという手もある。どっちにしようか? クルマ選びをあきらめかけていたオトーサンにとっては、うれしい悩み、ではある。

【スペック】
全長×全幅×全高=4160×1765×1630mm/ホイールベース=2605mm/車重=1320kg/駆動方式=FF/エンジン=1.2リッター直3 DOHC 12バルブ ターボ(最高出力:130PS/5500rpm、最大トルク:230N・m/1750rpm)/トランスミッション=6AT//燃費=16.7km/リッター(WLTCモード)/価格=328万6000円

 
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シトロエン C3エアクロスSUV の中古車

笑顔しか浮かばない
フィアット500Cツインエア ドルチェヴィータ……290万円

はやりのSUVタイプのほかに、趣味性の高いクルマは選べないか? 夫婦に子ひとりなら、意外に選択肢はありそうだ。筆者の場合、3人のほかにチャイルドシートとベビーカー+αを積むのが条件で、それさえクリアすればスポーツカーだって問題はない、ということになる。

そう、例えば、コンパクトな「フィアット500/500C」だって……。インポーターに聞いてみたところ、実際のオーナーには、シングルやカップルのほかに3人家族も多いという。主に売れているのは500のほうで、500Cは15%程度と少数派。でも、どうせ非日常を求めるならオープントップを選びたい。

確かに車内は、絶対的な広さとしてはミニマムだ。とはいえ、快・不快は別のハナシ。今回チョイスした500Cの場合、ルーフを閉じても閉所感は全くないし、後席におさまってみれば、ひざ前には15cmもスペースがある(身長163cmの筆者の場合)。さらに、ひじを置く空間が確保されていたり、後席用のカップホルダーがあったり。ユーティリティーはちゃんと考えられている。

気になる荷室は、開口部が約78×35cm(実測)。後席の片方を倒せば、奥行き120cm、幅50cmのものが積めるようになる。ものにもよりけりだろうけれど、これならベビーカーもいけそうだ。ルーフを開けて積み込む、という手もあるし。

そしてひとたびおさめてしまえば、家族との距離も適度に近くて、ワクワク感のあるドライブが楽しめる。試乗車のエンジンは、875cc 2気筒ターボの「ツインエア」。ブロロロロン! という勇ましい音も、クルマらしくていいと思う。会話の声は、ちょっと大きくなるけれど。

肝心のキャンバストップは? 前席の頭上だけ開けた状態なら100km/hまで、後席まで露出させるフルオープン時でも90km/hまでドライバーに風があたらない。後席はどうかわからないが、巻き込みよりは風切り音や日差しがキツいから、みんなで乗るなら「閉じるが基本」。いずれにせよ、こんなクルマに乗っていると、家族の笑顔しか想像できない。やっぱりイタリア人は家族思いで、小さなクルマをつくらせたら天才だ、と思う。

【スペック】
全長×全幅×全高=3570×1625×1515mm/ホイールベース=2300mm/車重=1050kg/駆動方式=FF/エンジン=0.9リッター直2 SOHC 8バルブターボ(最高出力:85PS/5500rpm、最大トルク:145N・m/1900rpm)/トランスミッション=5AT/燃費=19.2km/リッター(WLTCモード)/価格=290万円

 
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買える幸せ
メルセデス・ベンツC220dアバンギャルド……679万円

きっと妻子も喜んでくれるであろうシトロエンにフィアットだけど、奥さんに輸入車を選ばせたら、どうなるだろう? おおかた「ベンツ……とか?」なんて言うに違いない。それ(メルセデス)くらいしかガイシャの名前を知らないだろうから。

だったらサイズ的にも、新しい「Cクラス」がいいんじゃないか? ガソリン代高騰の折、ディーゼル車はどうだろう。いろいろ積むからワゴンにしよう、とオトーサンは考える。でも意外に女性は、ワゴンよりセダンが好きらしい。そんなリポートを何かの雑誌で目にしたことがある。

荷室に関しちゃ、セダンだって心配は無用だ。トランクリッドを開けてみれば、その開口部と床面の広さ(100×100cm+α)に驚かされる。容量は455リッター。もちろん、後席を倒してキャビンまで貫通させることもできる。車内もまた広くて、小柄な筆者(身長163cm)のドライビングポジションでは、後席のひざ前は20cm以上も空いている。やや小ぶりなパノラマルーフは、家の天窓・明かりとりといった風情で、どの席にいてもなんだか落ち着く。一方、ヤツメウナギを思わせるエアコン吹き出し口や、ずり落ちかけてるiPadみたいなセンターモニターは、どうも見ていて落ち着かないのですが……まぁ、デザインの好みは人それぞれということで。

走りのほうは、上質そのもの。道路の継ぎ目をコトトン、コトトンとクリアしつつ、豊かなトルクにまかせて流していると「あぁ、いいクルマだなぁ」としみじみ思う。官能性だの興奮だのとは無縁だけれど、快適な移動を約束するプレミアムカーとしての期待は裏切らない。家族もいつの間にか眠りに落ちていることだろう。

そんな新型Cクラスには、「Sクラス」に匹敵する運転支援システムが搭載されている。例えば、右左折時の対向車や飛び出し、巻き込みまで検知してくれる「アクティブブレーキアシスト」があるから妻にも安心して運転を任せられるし、アラフィフの自分は、いつ「アクティブエマージェンシーストップアシスト」のお世話になるやもしれない。682万円という価格は、前述したシトロエンやフィアットの倍以上。でも、この安心感は何物にも代えがたい。買える幸せは買うが吉。買うかどうかは? 家族会議で決めましょう。

【スペック】
全長×全幅×全高=4755×1820×1435mm/ホイールベース=2865mm/車重=1780kg/駆動方式=FR/エンジン=2リッター直4 DOHC 16バルブ ディーゼル ターボ(最高出力:200PS/3600rpm、最大トルク:440N・m/1800-2800rpm)/モーター=交流同期電動機(最高出力:20PS、最大トルク:208N・m)/トランスミッション=9AT/燃費=18.5km/リッター(WLTCモード)/価格=682万円

(文=関 顕也/写真=田村 弥、峰 昌宏/編集=関 顕也)

 
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関 顕也

関 顕也

webCG編集。1973年生まれ。2005年の東京モーターショー開催のときにwebCG編集部入り。車歴は「ホンダ・ビート」「ランチア・デルタHFインテグラーレ」「トライアンフ・ボンネビル」などで、子どもができてからは理想のファミリーカーを求めて迷走中。

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