ボルボC40リチャージ ツイン(前編)

2022.08.04 あの多田哲哉の自動車放談 多田 哲哉 元トヨタのチーフエンジニア多田哲哉さんが今回試乗したのは、100%電気自動車(BEV)として開発されたボルボのクロスオーバーSUV「C40リチャージ ツイン」。プロが注目する、この北欧メーカーならではのクルマづくりとは?
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衝撃的だった最初の出会い

C40リチャージ ツインは、ボルボが日本に初めて導入する市販BEVであり、同社初のBEV専用モデルでもある。

また、ボルボといえば、昔から“安全”を前面に押し出したクルマづくりをしてきた。2008年には「2020年までに、新しいボルボ車での交通事故による死亡者や重傷者をゼロにする」という壮大な目標をかかげて、先進安全技術を率先して導入した。C40リチャージ ツインを前に、多田さんはまず、ボルボの安全にまつわる思い出を語り始めた。

「今から約30年前に、仕事で初めて行ったヨーロッパは、スウェーデンでした。カチンカチンの雪道を走るテストで、最初に運転させられたのがレンタカーのボルボでした。当時の私は制御コンピューターのソフトウエアを書くのが仕事で、自分以外はほとんど全員が走りのプロの人たちです。で、隊長が全部のクルマに乗って『このなかで一番へたくそでも安心なのはボルボだ。お前はボルボに乗れ』と言われたんです。その時のテスト車はほぼすべてFFか4WDで、ボルボだけがFRでした」

「そんなことを言われて一瞬『なんで!?』と思ったのですが、走りだしてすぐに、隊長の言っている意味が分かりました。とにかく動きがゆったりしていて、FRだからリアはしょっちゅう滑るんだけど、滑り出しも分かりやすい。ドライの舗装路で乗ると『こんなにかったるいクルマもない』と思っていたんですが、雪道で素晴らしく安全で乗りやすいんだと驚きました。クルマというのは、やはり育った道で決まるものだと知りました」

それから時は流れて、多田さんはスポーツカーである「86」のチーフエンジニアとなる。

 
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