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GMCハマーEVエディション1(4WD)【海外試乗記】

1000PSのハイパービースト 2022.09.01 アウトビルトジャパン AUTO BILD 編集部 最高出力1000PSを誇る「ハマーEVエディション1」に初試乗。フル電動車に生まれ変わったハマーは、なんとスリリングであり、なんとエキサイティングなのだろう。まるでスーパースポーツカーのように疾走するのだから。

※この記事は「AUTO BILD JAPAN Web」より転載したものです。
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4.3tのボディーが3.5秒で100km/hに到達

新しいGMCハマーは、通常の基準でテストする必要さえないのだ。可変プラットフォーム「アルティウム」をベースに開発された新たなオフロードレジェンドが、あらゆる面で電動化され、強大な存在感を放つ。このモデルとハマーのモデルファミリーの拡大によって、本国ではGMのやや地味なブランドであるGMCに新しい息吹を吹き込むことを目的としているのだ。

最初のモデルはハマーのピックアップ版で、「フォードF-150」や「シボレー・シルバラード」、「ダッジ・ラム」のファンだけでなく、新たなヒット商品になるかもしれない。全長5.5mの車両重量は4.3tにも及ぶが、1000PSの最高出力と1620N・mの最大トルクにより、駆動システムは容易に対応することができるようになっている。ハマーEVは、静止状態からわずか3.5秒で100km/hに到達し、最高速度は160km/h。3基の電動モーターが生み出す推進力はまさに圧巻だ。

もちろんハマーは、オフロードでもその資質を披露する。電動メガピックアップは、深いわだちや砂、がれきなどを平然と乗り越えていくのが非常に印象的だ。そのサイズと重さにもかかわらず、コロッサスは驚くほど機敏だ。インテリジェントな全輪操舵により、回転半径は13.5mから11.3mへと大きく短縮されている。さらに、フロントアクスルを電子制御でロックすることができ、トップモデルのリアアクスルに搭載された2基の電動モーターを個別に制御して、路面に合わせた最適なトラクションを得ることも可能となっている。

100%電気自動車として開発された、新世代の「GMCハマー」こと「ハマーEV」。全長5.5mの堂々とした体格を誇る。
100%電気自動車として開発された、新世代の「GMCハマー」こと「ハマーEV」。全長5.5mの堂々とした体格を誇る。拡大
「ハマーEVエディション1」のボディー形状は、後部に荷台のあるピックアップタイプ。この点でも、本国で多くのファンの心をつかむに違いない。
「ハマーEVエディション1」のボディー形状は、後部に荷台のあるピックアップタイプ。この点でも、本国で多くのファンの心をつかむに違いない。拡大
3基のモーターが生み出す推進力は圧巻のひとこと。「ハマーEV」は、4.3tという車重にもかかわらず、静止状態から100km/hまで3.5秒で加速できるのだ。
3基のモーターが生み出す推進力は圧巻のひとこと。「ハマーEV」は、4.3tという車重にもかかわらず、静止状態から100km/hまで3.5秒で加速できるのだ。拡大

どんな地形でも問題なし

さまざまな走行モードは、スクリーンまたはワイドセンタートンネルのスイッチで操作する。ステアリングホイール左のシフトパドルでワンペダルモードに切り替えると、ブレーキペダルを使わずに坂道や下り坂を特にスムーズに走行することができるようになっている。40cmの地上高と81cmまでの水深を走行可能な性能が、どんなに困難な地形でも恐怖を感じさせない。

ハマーEVの動力源は、車体下部に搭載された910kgのバッテリーパックで、その容量はなんと208kWhと新基準だ。メーカーによれば、これによって電動メガピックアップは520km以上の航続距離を実現しているという。また万が一バッテリーが切れても、最大350kWでの充電が可能だ。そして、160kmを走るぶんの電力をわずか10分で充電できるようにもなっている。

大きなディスプレイが備わる「ハマーEV」のインテリア。外観と同様、直線的なデザインが採用されている。
大きなディスプレイが備わる「ハマーEV」のインテリア。外観と同様、直線的なデザインが採用されている。拡大
電気自動車ながら、「ハマーEV」は渡河も得意。例えば、水深81cmの水たまりにも進入できる。
電気自動車ながら、「ハマーEV」は渡河も得意。例えば、水深81cmの水たまりにも進入できる。拡大

インテリアには改善の余地あり

一方、インテリアには不満な点が多く、高価格帯のクルマであることを考えると、かなり平凡な印象だ。少なくともフロントとリアのスペースは十分にあり、シートは広いのだが、もっと横方向のサポートがあってもいいのではないだろうか。ダッシュボードのプラスチック素材は好みの問題かもしれないが、価格に見合った見栄えとはいえない。

約11万米ドル(約1520万円)のハマーEVエディション1は即完売してしまったので、今は次の生産分を待つしかない。エディション1ではない普通の「ハマーEV3X」は、約10万6000米ドル(約1460万円)で、これはトップモデルのひとつ下のモデルである。また、前後軸に1基ずつ電動モーターを搭載した2種類の基本仕様は、おそらく早ければ2023年末にも発売され、価格は下がって、8万6000米ドル(約1186万円)からとなる予定だ。なお残念ながら、ハマーEVの欧州での発売はまだまだ先の話となる。

(Text=Stefan Grundhoff/Photos=GMC)

記事提供:AUTO BILD JAPAN Web(アウトビルトジャパン)

インテリアのデザインはモダンではあるものの、プラスチックの品質などは、車両の高価格に見合わない。
インテリアのデザインはモダンではあるものの、プラスチックの品質などは、車両の高価格に見合わない。拡大
GMCによれば、一充電あたりの航続距離は520km以上となっている。
GMCによれば、一充電あたりの航続距離は520km以上となっている。拡大
今のところ、「ハマーEV」の価格は約10万6000米ドル(約1460万円)から。すでに完売の「エディション1」は約11万米ドル(約1520万円)だった。
今のところ、「ハマーEV」の価格は約10万6000米ドル(約1460万円)から。すでに完売の「エディション1」は約11万米ドル(約1520万円)だった。拡大
AUTO BILD 編集部

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