相場下落でようやく適正価格に!? 今が狙い目の中古車
2023.05.24 デイリーコラム高いものは今でも高い
ウクライナではいまだロシアによる侵略戦争が続いており、疫病が引き起こしたさまざまな混乱が完全に収束したとも言い難い昨今。だがそれはそれとして、半導体の不足や物流の停滞が収まり始めているせいか、一時は鬼のように長かった新車の納期は――もちろん車種にもよるが、このところずいぶんと短縮されてきた。
そしてそれに伴って、一時は「狂乱相場」と評したくなる状況だった中古車価格も、直近ではいくぶん落ち着いてきている。
まぁもちろん中古車価格の落ち着きも、新車と同じく「車種による」という部分が大ではある。例えば964型「ポルシェ911カレラ」のごく普通のティプロトロニック車は、15万kmぐらい走っているド中古でも相変わらず1000万円近くであり、現行型「メルセデス・ベンツGクラス」の人気グレード「G400d」の低走行中古車も、「新車より500万円ぐらい高い」という状況は続いている。
しかしそれでも、ちょっと前まではさすがに買う気になれないほどの相場だった人気中古車の多くは、そこそこ安くなってきているのだ。
拡大 |
「あえて中古車」の意義がある価格に
一般的なところでは、中の上ぐらいのファミリー層から高い支持を得ている現行型「トヨタ・ハリアー」だろうか。
2022年8月ごろの中古車平均価格は約450万円で、販売の中心となる2リッターガソリン車・2WDの中間グレード「G」は390万円~というイメージだった。
しかし2023年5月中旬現在、現行型ハリアー全体の平均価格は約390万円まで下落しており、前述した2リッターガソリン車のG(2WD)は登録済み未使用車(昔で言う新古車)を320万円ほどから見つけることができる。同車の新車価格が352万円9000円であることから考えれば、これは「まずまずお買い得」「ハリアーの中古車相場はおおむね正常化された」と言ってもいいだろう。中の上ぐらいのファミリー層各位には、ぜひともご注目いただきたいところである。
もう少し上の(?)カテゴリーに入るクルマでいうと、現行型「メルセデス・ベンツCクラス」のディーゼルターボエンジン搭載グレード「C220dアバンギャルド(ISG搭載モデル)」の新車価格は696万~709万円。で、その中古車は少し前までは600万円以上となるケースがザラだったのだが、2023年5月中旬現在では、走行数千kmレベルの認定中古車でも車両530万円前後から探すことが可能。もちろんまだまだ高額であることに変わりはないが、このぐらいのプライスになれば「あえて中古車を選ぶ意義」は十分に感じられるだろう。
「数年待ち」か「数十万円」か
半導体不足のせいではなく「需要(人気)と供給量のバランス」が圧倒的なまでに取れていないFL5こと現行型「ホンダ・シビック タイプR」は、2022年9月の発売直後に、いわゆる転売ヤーの手により約1500万円で販売されるというふざけた事態も発生した。本来の新車価格は499万7300円だというのに。
そして発売から4カ月ほどが経過した2023年1月時点でも、現行型シビック タイプRの中古車は約1000万円ぐらいで販売されていたわけだが――直近では「車両価格570万~600万円」というのが、おおむねの相場になっている。前述したとおり現行型シビック タイプRの新車価格は499万7300円なので、これでも高いっちゃ高い。だが「数年待ち」ともいわれている正規新車の納期を考えれば、許せる範囲であるようにも思える。
このあたりのプライス感をどうとらえるかは人それぞれだろうが、いずれにせよ一部のモデルを除いて中古車相場は今、落ち着きつつある。そして今後はおそらくさらに沈静化していくだろう。
……下取り相場やオークションの競り値がバカ高かった時期に仕入れた中古車を、今後は安めに売らなければならなくなる中古車販売店さんにはお気の毒である。だがいちユーザーとしては、中古車相場の沈静化には「歓迎!」以外の言葉が見つからないのだ。
(文=玉川ニコ/写真=メルセデス・ベンツ日本、トヨタ自動車、本田技研工業)
拡大 |

玉川 ニコ
自動車ライター。外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、自動車出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。愛車は「スバル・レヴォーグSTI Sport R EX Black Interior Selection」。
-
ホンダがコンセプトモデル「アキュラ・ネクセラ ビジョン」を発表 次世代デザインを読み解くNEW 2026.9.3 本田技研工業の米国現地法人アメリカン・ホンダモーターが、アキュラブランドの次世代デザインを示すというコンセプトモデル「ネクセラ ビジョン」を初公開した。バタフライドアを採用するこのスポーツカーは、次世代アキュラの何を表現しているのか。
-
復活の決め手はこっくりさん!? 新生「三菱パジェロ」誕生の経緯とその狙い 2026.9.2 5年間の沈黙を経て、ついに登場した新型「三菱パジェロ」。スリーダイヤモンドが誇る荒野のフラッグシップは、いかにして復活を遂げたのか? 開発の経緯や内外装デザインの詳細、パワートレインに見るクルマの“狙い”をリポートする。
-
興味があるのはたったの3割!? 自動車業界を揺るがすSDVやAIって本当に必要なの? 2026.8.31 自動車も、スマホのように機能がアップデートできるようになる! ……ということで注目されるソフトウエアディファインドビークル(SDV)だが、日本のユーザーの多くが「いらない」と思っていることが判明! 急速に進むデジタル技術の、必要性について考えた。
-
酷評もされたBEVのフェラーリが4000万ドル!? 「ルーチェ」の初物に誰が、なぜ大金を出したのか? 2026.8.28 フェラーリ初の電気自動車として話題になった「ルーチェ」。その特別仕様の生産0号車が、米国内のカーオークションにおいて4000万ドル(約64億円)という衝撃価格で落札された。その背景について、事情に詳しい西川 淳がリポートする。
-
これが次世代アウディの源流 ハイブリッドスーパーカー「ヌヴォラーリ」に乗って気づき感じたことは? 2026.8.27 2026年6月に発表されたアウディのハイブリッドスーパーカー「ヌヴォラーリ」は、同ブランドの新しいデザインフィロソフィーを体現したモデル。個性的な内外装やこだわりのつくり込み、そしてステアリングを握った印象を米モントレーから報告する。
-
NEW
新型「三菱パジェロ」の外装・内装を写真でチェックする
2026.9.2画像・写真5年間のブランクを経て、三菱のフラッグシップSUV「パジェロ」がついに復活! 「グランドカリスマ -泰然自若-」をコンセプトにデザインされた本格クロスカントリーモデルは、どのような姿をしているのか? 内外装の詳細を、写真で紹介する。 -
NEW
復活の決め手はこっくりさん!? 新生「三菱パジェロ」誕生の経緯とその狙い
2026.9.2デイリーコラム5年間の沈黙を経て、ついに登場した新型「三菱パジェロ」。スリーダイヤモンドが誇る荒野のフラッグシップは、いかにして復活を遂げたのか? 開発の経緯や内外装デザインの詳細、パワートレインに見るクルマの“狙い”をリポートする。 -
NEW
第127回:新型BMW X5(後編) ―迷走するBMW 結局アナタは“ノイエクラッセ”でなにがしたかったの?―
2026.9.2カーデザイン曼荼羅その姿が明らかとなるや、賛否両論を巻き起こしている新型「BMW X5」。このクルマは既存のBMW製SUVとはなにがちがうのか? そもそもBMWは“ノイエクラッセ・デザイン”になにを託していたのか? カーデザインの識者と、迷走するBMWの明日を探った。 -
NEW
BMW X1 sDrive20iオリジナル(FF/7AT)【試乗記】
2026.9.2試乗記BMWのコンパクトSUV「X1」に新グレードの「オリジナル」が登場。走りの楽しさをはじめとしたBMWらしさをキープしつつ、装備の厳選によって価格抑制を図った新たなエントリーグレードだ。都市部におけるドライバビリティーとユーザービリティーをリポートする。 -
スポーツカーに未来はあるか?
2026.9.1あの多田哲哉のクルマQ&A年々、開発環境が厳しくなるといわれるスポーツカーは、この先も存在しうるのか? トヨタのエンジニアとしてさまざまなスポーツカーを開発してきた多田哲哉さんに“未来のスポーツカー像”を聞いた。 -
トヨタGRヤリスRZ“ハイパフォーマンス”+エアロパフォーマンスパッケージ【試乗記】
2026.9.1試乗記2020年のデビュー以来、間断なく進化を続けてきたコンパクトスポーツの「トヨタGRヤリス」。一般ユーザーの間ではもちろん、コンペティションの世界でもチューニングのかいわいでも光を放つ一台は、2026年モデルでどう進化したのか? その走りを報告する。

































