取り合い必至! ミツオカの「M55コンセプト」をどうしても市販化してほしいワケ
2023.12.04 デイリーコラムもうこうなったら出すしかない
あのミツオカがまたやってくれた!
定番の「ビュート」に加え、昨今は「マツダ・ロードスター」をベースに古き良き時代のアメリカンスポーツカー風に仕立てた「ロックスター」や「トヨタRAV4」をベースにアメリカンSUVのような雰囲気を持つ「バディ」などで知られる光岡自動車。市販車をベースにスタイルをモディファイして販売する同社が次に放つであろうモデルが、コンセプトカーとして2023年11月16日に発表された「M55コンセプト」だ。ちなみに呼び名は「エムゴーゴー」(個人的には「GO! GO!」って感じでいい気もするが)ではなく、「エムダブルファイブ」とのことである。
気になるスタイリングは、1970年代のクーペモデルのオマージュ。たたずまいはアメリカンマッスルカー風味だけど、どことなく初代「トヨタ・セリカ」や“ケンメリ”の愛称で親しまれた4代目「日産スカイライン」の雰囲気も漂うのはたぶん気のせいではないだろう。それらのデザインが当時のアメリカ車の影響を大きく受けているからだ。
日本でも当時のクルマ好きの多くは、欧州車ではなくアメリカ車が憧れだった。顔つきが、いま売られている「ダッジ・チャレンジャー」に似ている気がしなくもないのも、おそらく単なる偶然……なんてことはなく、現行チャレンジャー自体が(初代チャレンジャーなど)往年のマッスルカーの雰囲気で仕立てたレトロスタイルのモデルだからである。
そんなM55だが、公開されたのはあくまでコンセプトモデルであり、同社は「現時点では商品化の予定はございません」と言う。とはいえこれは絶対に出すべきではないだろうか。なぜなら、純粋にカッコいいからだ。クルマにとって「カッコいい」は、女性の「カワイイ」と同じくらい正義である。そのひとことがあれば、理屈など必要ないのだ。
正義という大義名分があるのだから、ここまで見せておいてジラしたあげく「やっぱやめました。というか最初から『市販する』なんてひとことも言っていないんですけど」なんていうオチはできれば避けてほしい。
拡大 |
拡大 |
拡大 |
拡大 |
拡大 |
市販の可否はシビック次第
ちなみにベース車両は、ミツオカからは公表されていないが、誰がどう見たって「ホンダ・シビック」にほかならない。ミツオカがホンダ車を使うとはなんとも珍しい……と思ったら、かつては「ホンダ・アコード」をベースにした「ミツオカ・ヌエラ」という前例があった。
さて、話をM55に戻すと、デザインはこのまま市販して問題ない完成度。2023年10月末から11月初旬にかけて開催されたジャパンモビリティショー2023でステージの上にあったいくつかのコンセプトカーと違い「これはちょっと市販できなさそうだね」という印象はみじんもない。というか、冷静に考えると、ここまでつくり込んでおいて市販しないというのは不自然ですらある。
ではどうしてすぐに市販しないかといえば「いまシビックは生産が遅れ気味だから、M55の市販化はその生産回復次第……」だからに違いない。ここは、吉報としての続報を待ちたいところだ。
そして思うのは、せっかくシビックをベースにするなら「シビック タイプR」をベースにしたミツオカ最速の「M55タイプR」を出して、この創業55周年記念車の新たな魅力とするのはどうだろうってこと。M55はケンメリスカイラインにも似ているから、ここはひとつ「ケンメリGT-R」のテイストってことでいかがだろうか? リベット留めのオーバーフェンダーとか付けたりして。……そんな誰でも思いつきそうなアイデアが締めでスミマセン。
あと、「シビックがベース」と言っておきながら、スカイラインGT-Rを持ち出すなんてちょっとズレてるね。……という突っ込みも、確かにそのとおりだと思います。重ね重ねスミマセン。精進します。
(文=工藤貴宏/写真=日産自動車、webCG/編集=関 顕也)
拡大 |
拡大 |
拡大 |
拡大 |
拡大 |

工藤 貴宏
物心ついた頃からクルマ好きとなり、小学生の頃には自動車雑誌を読み始め、大学在学中に自動車雑誌編集部でアルバイトを開始。その後、バイト先の編集部に就職したのち編集プロダクションを経て、気が付けばフリーランスの自動車ライターに。別の言い方をすればプロのクルマ好きってとこでしょうか。現在の所有車両は「スズキ・ソリオ」「マツダCX-60」、そして「ホンダS660」。実用車からスポーツカーまで幅広く大好きです。
-
新型「日産エルグランド」はこうして生まれた! 開発のキーマンがその背景を語る 2025.11.7 日産が「ジャパンモビリティショー2025」に新型「エルグランド」を出展! およそ16年ぶりにフルモデルチェンジする大型ミニバンは、どのようなクルマに仕上がっており、またそこにはどんな狙いや思いが込められているのか? 商品企画の担当者に聞いた。
-
次世代のスバルをここから 車両開発の最前線「イノベーションハブ」とは? 2025.11.6 スバルが2024年1月に開設した群馬・太田の「イノベーションハブ」。新技術や次世代スバル車の開発拠点となる同施設の内部と、そこで生み出されたジャパンモビリティショー2025で話題のコンセプトモデルを紹介する。
-
未来がすべてにあらず! ジャパンモビリティショー2025で楽しめるディープな“昔”の世界 2025.11.5 未来のクルマ、未来の技術が集結する「ジャパンモビリティショー2025」。ただし、「そういうのはもういいよ……」というオトーサンのために(?)昔の世界を再現し、当時のクルマを並べた「タイムスリップガレージ」も用意されている。内部の様子を紹介する。
-
現行型でも中古車価格は半額以下! いま本気で狙いたい特選ユーズドカーはこれだ! 2025.11.3 「クルマが高い。ましてや輸入車なんて……」と諦めるのはまだ早い。中古車に目を向ければ、“現行型”でも半値以下のモデルは存在する。今回は、なかでも狙い目といえる、お買い得な車種をピックアップしてみよう。
-
米国に130億ドルの巨額投資! 苦境に立つステランティスはこれで再起するのか? 2025.10.31 ジープやクライスラーなどのブランドを擁するステランティスが、米国に130億ドルの投資をすると発表。彼らはなぜ、世界有数の巨大市場でこれほどのテコ入れを迫られることになったのか? 北米市場の現状から、巨大自動車グループの再起の可能性を探る。
-
NEW
アウディSQ5スポーツバック(4WD/7AT)【試乗記】
2025.11.8試乗記新型「アウディSQ5スポーツバック」に試乗。最高出力367PSのアウディの「S」と聞くと思わず身構えてしまうものだが、この新たなSUVクーペにその心配は無用だ。時に速く、時に優しく。ドライバーの意思に忠実に反応するその様子は、まるで長年連れ添ってきた相棒かのように感じられた。 -
MINIジョンクーパーワークスE(FWD)【試乗記】
2025.11.7試乗記現行MINIの電気自動車モデルのなかでも、最強の動力性能を誇る「MINIジョンクーパーワークス(JCW)E」に試乗。ジャジャ馬なパワートレインとガッチガチの乗り味を併せ持つ電動のJCWは、往年のクラシックMiniを思い起こさせる一台となっていた。 -
新型「日産エルグランド」はこうして生まれた! 開発のキーマンがその背景を語る
2025.11.7デイリーコラム日産が「ジャパンモビリティショー2025」に新型「エルグランド」を出展! およそ16年ぶりにフルモデルチェンジする大型ミニバンは、どのようなクルマに仕上がっており、またそこにはどんな狙いや思いが込められているのか? 商品企画の担当者に聞いた。 -
ジャパンモビリティショー2025(ホンダ)
2025.11.6画像・写真「ジャパンモビリティショー2025」に、電気自動車のプロトタイプモデル「Honda 0 α(ホンダ0アルファ)」や「Super-ONE Prototype(スーパーONE プロトタイプ)」など、多くのモデルを出展したホンダ。ブースの様子を写真で詳しく紹介する。 -
ジャパンモビリティショー2025(マツダ・ビジョンXコンパクト)
2025.11.6画像・写真マツダが「ジャパンモビリティショー2025」で世界初披露したコンセプトモデル「MAZDA VISION X-COMPACT(ビジョン クロスコンパクト)」。次期「マツダ2」のプレビューともうわさされる注目の車両を、写真で詳しく紹介する。 -
ジャパンモビリティショー2025(マツダ)
2025.11.6画像・写真「ジャパンモビリティショー2025」で、コンセプトモデル「MAZDA VISION X-COUPE(ビジョン クロスクーペ)」と「MAZDA VISION X-COMPACT(ビジョン クロスコンパクト)」、新型「CX-5」を初披露したマツダ。車両とブースの様子を写真で紹介する。








































