フォルクスワーゲン・パサートeTSIエレガンス(前編)

2025.03.13 あの多田哲哉の自動車放談 多田 哲哉 フォルクスワーゲンのロングセラーモデル「パサート」が、上質感や快適性を追求したという9代目へと進化。その仕上がりを、トヨタで車両開発に長年たずさわってきた多田哲哉さんは、どのように評価する?
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多くの人が満足できる

試乗を終えたばかりの多田さんの新型パサート評は、とても高いものだった。

「走りについては、ほとんど文句のつけようがありません。エンジンは1.5リッター(のターボ)ですから、ものすごく高性能でスポーティーというわけではないですが、実用上はまったく問題ありません。ステアリングを切ったときの正確性、クルマの動きなど、いわゆるシャシーの性能は最高に近いです」

新型パサートは従来改良型の「MQB evo」プラットフォームを土台とする。サスペンション形式も先代と変わりないが、新型「ティグアン」同様に、最新鋭のアダプティブ可変ダンパーの「DCCプロ」が用意されており、今回の試乗車にもオプション装着されていた。DCCプロは、縮み側の減衰だけを連続可変制御していた「DCC」に対して、伸び側も連続可変制御するのが大きな特徴だという。

「新しいダンパーもいろいろ設定を変えてみましたが、設定ごとの違いがきっちりわかりますし、どういう設定にしても、微小な操舵でもクルマは正確に応えてくれます。走行中の目線の動きも少なくて、長距離を乗っても疲れないクルマだと思います」と語る多田さんは、「で、このダンパーをつくっているサプライヤーはどこでしょう?」と続けた。

そんなクルマのプロらしい多田さんの質問に、現地では答えられなかった編集部だが、後日調べると、DCCプロはKYBが供給している。ちなみに従来のDCCはテネコ傘下のモンロー製だそうだ。

「インフォテインメントについても、フォルクスワーゲンはデジタル化への着手が早かったこともあって、このパサートでは使い勝手と先進性のバランスがうまくとれているように思います。これなら昔ながらのユーザーと、逆に新しもの好きの人たちの両方に満足してもらえそうな着地点になっていると思います」

 
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