現行型でも中古車価格は半額以下! いま本気で狙いたい特選ユーズドカーはこれだ!
2025.11.03 デイリーコラムあのBMWでも選べる!
「新車価格の半額以下で狙える中古車」というのは世の中に星の数ほど存在しているが、そのほとんどは先代または先々代などの、いわゆる古い世代である。だがごく一部には「現行モデルなのに、その中古車価格は新車価格の半額以下」という車種もある。代表的な例は現行型の「トヨタ・ミライ」だろうか。ミライの上級グレード「Z」の新車価格は821万5900円だが、その走行2万km台の中古車は総額250万円程度から狙うことができる。
燃料電池車である現行型ミライは少々特殊な例かもしれないが、より一般的なモデルにおいてもいくつか存在している「新車価格の半額以下で狙える現行型中古車」のなかから、かなり満足できるであろうこと間違いなしの車種をピックアップしてみよう。
まず挙げられるのは、G20こと現行型「BMW 3シリーズ」だ。販売の中心である「320i Mスポーツ」と「320d xDrive Mスポーツ」の新車価格(2025年7月以降生産分)はそれぞれ724万円および766万円という、なかなか立派なプライス。しかしその走行2万km台までの中古車は、320i Mスポーツの場合は総額270万円程度から、320d xDrive Mスポーツも総額290万円程度から検討可能だ。
さすがに2022年9月以降の後期型は、まだまだ総額410万円以上である場合がほとんどだが(←それはそれで、よく考えるとけっこう安い)、前期型でもパワーユニットなどは同じ。そして多少のデザインの違いや、「来年あたり次期型が登場するかも?」という問題についても、これだけ爆安であれば割り切れるというもの。良質でプチハイソなジャーマンセダンを手ごろな予算で入手したいと考えている人には、ぜひご注目いただきたい。
割り切ればおいしい
セダンではなく“はやりのSUV”でいきたい場合は、「フォルクスワーゲンTロック」が有力候補となるだろうか。ご承知のとおりTロックは、2020年7月に上陸した全長×全幅×全高=4240×1825×1590mmのクロスオーバーSUV。直近の新車価格は「TDI 4MOTIONスタイル」の場合で522万6000円だ。
これも、2022年7月以降の後期型はガソリンエンジンの「TSIスタイル」でも総額260万円以上だが(←それでもけっこう安い)、前期型でもよしとするなら、走行1万km台までのTDIスタイルを総額220万円付近から見つけることができる。直近のTDI 4MOTIONと違って前期型TDIはFFだが、「走るのは主に舗装路」と心に決めている昨今のSUVユーザーであれば、四駆ではなくても何ら問題はないはずだ。
そして同じくクロスオーバーSUVであれば、「レンジローバー・イヴォーク」の現行型も、新車価格の半額以下でイケる場合がある。
全長×全幅×全高=4380×1905×1650mmのスタイリッシュなSUVである現行型イヴォークを新車で買うとなると、2リッターディーゼルターボエンジンにマイルドハイブリッド機構を加えた「D200」系の車両価格が728万~801万円。それに対して、マイルドハイブリッド機構なしの前期型「D180」系でもよしと考えることができるなら、走行3万km台までの物件を総額360万~420万円付近にて見つけることができる。
落ち幅でみるならやっぱり輸入車
もしも「猫も杓子(しゃくし)もSUV」的な風潮がお嫌いなのであれば、今や少数派となったステーションワゴンボディーを採用する現行型「ボルボV60」の中古車はどうだろうか? これも新車を買うとなると、一番安いグレードでも本体価格659万円となる一台だが、前期型の2リッターターボである「T5」系であれば、走行2万km台までの物件が総額250万円から、マイルドハイブリッド機構付きになった中期型「B4モメンタム」でも総額300万円からという、わざわざ新車を買うのがばからしくなる相場である。
最後は国産車からピックアップしたかったのだが、国産の現行モデルでは「その中古車相場は新車の半額以下」となるのはトヨタ・ミライぐらいしかない。昨今は国産現行モデルの中古車価格も決して安くはないということに加え、もともと国産車は、その新車価格にさほど大げさな付加価値は乗っかっていないため、なかなか「新車の半値」とまではいかないのだ。「新車価格の3分の2ぐらい」という車種なら、いくつかあるのだが。
ならばやはり候補は、「付加価値が猛烈に乗っかっている輸入車」ということになる。例えば「メルセデス・ベンツSクラス」の現行モデルは、新車を買うとなると、Sクラスとしては最も廉価なグレードである「S450d 4MATIC」でも車両価格1575万円。しかしISG(オルタネーターとスターターの機能を兼ね備えたジェネレーター)が装着されていなかった時代の「S400d 4MATIC」か、あるいは3リッター直6ガソリンターボ+ISGとなる「S500 4MATIC」であれば、総額770万円程度からイケる。「高級車の世界的ベンチマークを総額700万円台で入手可能」というのは、普通に考えて「安い!」ということができる選択肢であろう。
(文=玉川ニコ/写真=トヨタ自動車、BMWジャパン、フォルクスワーゲン ジャパン、ジャガー・ランドローバー・ジャパン、ボルボ・カー・ジャパン、メルセデス・ベンツ日本/編集=関 顕也)

玉川 ニコ
自動車ライター。外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、自動車出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。愛車は「スバル・レヴォーグSTI Sport R EX Black Interior Selection」。
-
未来がすべてにあらず! ジャパンモビリティショー2025で楽しめるディープな“昔”の世界NEW 2025.11.5 未来のクルマ、未来の技術が集結する「ジャパンモビリティショー2025」。ただし、「そういうのはもういいよ……」というオトーサンのために(?)昔の世界を再現し、当時のクルマを並べた「タイムスリップガレージ」も用意されている。内部の様子を紹介する。
-
米国に130億ドルの巨額投資! 苦境に立つステランティスはこれで再起するのか? 2025.10.31 ジープやクライスラーなどのブランドを擁するステランティスが、米国に130億ドルの投資をすると発表。彼らはなぜ、世界有数の巨大市場でこれほどのテコ入れを迫られることになったのか? 北米市場の現状から、巨大自動車グループの再起の可能性を探る。
-
なぜ“原付チャリ”の排気量リミットは50ccから125ccになったのか? 2025.10.30 “原チャリ”として知られてきた小排気量バイクの区分けが、2025年11月生産の車両から変わる。なぜ制度は変わったのか? 新基準がわれわれユーザーにもたらすメリットは? ホンダの新型バイク発売を機に考える。
-
クロスドメイン統合制御で車両挙動が激変 Astemoの最新技術を実車で試す 2025.10.29 日本の3大サプライヤーのひとつであるAstemoの最先端技術を体験。駆動から制動、操舵までを一手に引き受けるAstemoの強みは、これらをソフトウエアで統合制御できることだ。実車に装着してテストコースを走った印象をお届けする。
-
デビューから12年でさらなる改良モデルが登場! 3代目「レクサスIS」の“熟れ具合”を検証する 2025.10.27 国産スポーツセダンでは異例の“12年モノ”となる「レクサスIS」。長寿の秘密はどこにある? 素性の良さなのか、メーカー都合なのか、それとも世界的な潮流なのか。その商品力と将来性について識者が論じる。
-
NEW
“安心・安全”をより長く 2人のプロが「ブリヂストン・ブリザックWZ-1」を語る
2025.11.42025-2026 Winter webCGタイヤセレクション<AD>ブリヂストンが、持てる最新のタイヤ技術を投入して誕生させた、新しいスタッドレスタイヤ「ブリザックWZ-1(ダブルゼットワン)」。高い氷雪上性能とサステナビリティーを併せ持つ新製品の魅力に、2人のプロフェッショナルが迫る。 -
NEW
2025ワークスチューニンググループ合同試乗会(後編:無限/TRD編)【試乗記】
2025.11.4試乗記メーカー系チューナーのNISMO、STI、TRD、無限が、合同で試乗会を開催! 彼らの持ち込んだマシンのなかから、無限の手が加わった「ホンダ・プレリュード」と「シビック タイプR」、TRDの手になる「トヨタ86」「ハイラックス」等の走りをリポートする。 -
NEW
「新車のにおい」の正体は?
2025.11.4あの多田哲哉のクルマQ&Aかつて新品のクルマからただよっていた「新車のにおい」の正体は? 近年の新車ではにおうことがなくなった理由も含め、トヨタでさまざまなクルマを開発してきた多田哲哉さんが解説する。 -
第322回:機関車みたいで最高!
2025.11.3カーマニア人間国宝への道清水草一の話題の連載。2年に一度開催される自動車の祭典が「ジャパンモビリティショー」。BYDの軽BEVからレクサスの6輪車、そしてホンダのロケットまで、2025年開催の会場で、見て感じたことをカーマニア目線で報告する。 -
現行型でも中古車価格は半額以下! いま本気で狙いたい特選ユーズドカーはこれだ!
2025.11.3デイリーコラム「クルマが高い。ましてや輸入車なんて……」と諦めるのはまだ早い。中古車に目を向ければ、“現行型”でも半値以下のモデルは存在する。今回は、なかでも狙い目といえる、お買い得な車種をピックアップしてみよう。 -
スズキ・アルト ラパン ハイブリッドX(FF/CVT)【試乗記】
2025.11.3試乗記スズキの「アルト ラパン」がマイナーチェンジ。新しいフロントマスクでかわいらしさに磨きがかかっただけでなく、なんとパワーユニットも刷新しているというから見逃せない。上位グレード「ハイブリッドX」の仕上がりをリポートする。






