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「スバルPerformance-B STIコンセプト」の市販化はズバリ2027年⁉

2026.01.29 デイリーコラム 玉川 ニコ
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市販バージョンは2027年10月に登場?

「東京オートサロン2026」(TAS2026)のスバル/STI(スバルテクニカインターナショナル)ブースで、現行「WRX」の日本仕様として初めて6段MTを採用したコンプリートカー「WRX STI Sport#(シャープ)」が熱視線を浴びるなか、一部のスバリストは2026年シーズンのスーパー耐久シリーズST-Qクラスに参戦するマシンとして発表された一台に注目した。そのスタイルが、「ジャパンモビリティショー2025」(JMS2025)で発表された「スバルPerformance-B STIコンセプト」そのものであったからだ。

既存のアセット(資産)を組み合わせ、「もっと気軽に愉(たの)しめるクルマをつくろう」というスバルのPerformance-B STIコンセプトの提案は今後、どう発展していくのか? そしてその市販モデルはいつ、どのようなかたちで登場することになるのか? いや、もしかしたら市販モデルは登場しないのだろうか?

もちろん未来のことなど正確に予言できるはずはなく、ましてや当方とはまったく無関係な営利企業であるスバルの手の内など、スバル車のいちユーザーにすぎない筆者が知る由もない。だが勘ピューターと霊感を駆使し希望を交え予想する限りにおいては、Performance-B STIコンセプトの市販バージョンは2027年10月ごろ、「スバル Performance-BOXER STI」といったあたりの車名にて限定発売される──のではないかと推測する。

Performance-B STIコンセプトの市販バージョンが2027年10月ごろに発売されるのではないかと考える根拠は、おおむね次のとおりだ。

「東京オートサロン2026」の会場で初披露されたスバルの「スーパー耐久シリーズ2026 新参戦車」。スバルは、「ジャパンモビリティショー2025」で公開された「スバルPerformance-B STIコンセプト」と同じ思想を持つ車両と紹介している。
「東京オートサロン2026」の会場で初披露されたスバルの「スーパー耐久シリーズ2026 新参戦車」。スバルは、「ジャパンモビリティショー2025」で公開された「スバルPerformance-B STIコンセプト」と同じ思想を持つ車両と紹介している。拡大
「スバルPerformance-B STIコンセプト」譲りのフォルムが目を引く「スーパー耐久シリーズ2026 新参戦車」。このマシンによるレース参戦で得た知見を、今後の車両開発やパーツ開発につなげていくという。
「スバルPerformance-B STIコンセプト」譲りのフォルムが目を引く「スーパー耐久シリーズ2026 新参戦車」。このマシンによるレース参戦で得た知見を、今後の車両開発やパーツ開発につなげていくという。拡大
「スーパー耐久シリーズ2026 新参戦車」のインテリア。ダッシュボードにベースとなった「クロストレック」の面影を感じるものの、カーペットや助手席シートなどが取り払われ、レーシングマシン然としたコックピットとなっている。
「スーパー耐久シリーズ2026 新参戦車」のインテリア。ダッシュボードにベースとなった「クロストレック」の面影を感じるものの、カーペットや助手席シートなどが取り払われ、レーシングマシン然としたコックピットとなっている。拡大
「スーパー耐久シリーズ2026 新参戦車」はFA24型2.4リッター水平対向直噴ターボエンジンを搭載。出力を向上させつつ、よりクリーンで効率的な燃焼を目指し、環境性能の向上にも重点を置くという。燃料は、ENEOSの「低炭素ガソリン(E20)」を使用。
「スーパー耐久シリーズ2026 新参戦車」はFA24型2.4リッター水平対向直噴ターボエンジンを搭載。出力を向上させつつ、よりクリーンで効率的な燃焼を目指し、環境性能の向上にも重点を置くという。燃料は、ENEOSの「低炭素ガソリン(E20)」を使用。拡大
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2つのコンセプトがスバルをけん引

ご承知のとおりスーパー耐久シリーズのST-Qクラスとは、各社が未来のクルマづくりに挑むための開発車両専用クラス。スバルは2026年シーズン、そこにJMS2025の出展車両であったPerformance-B STIコンセプトをベースとする新型車両で参戦する。それが、TAS2026のスバル/STIブースを飾った「スーパー耐久シリーズ2026 新参戦車」である。

新参戦車両は「クロストレック」のボディーにFA24型2.4リッター水平対向直噴ターボエンジンなど既存のアセットを多数組み合わせたもの。これを2026年シーズンの競技シーンで徹底的に鍛え上げ、進化させるなかで得られる知見を「車両開発やパーツ開発につなげ、スバルならではの走る愉しさを、さらに高めていきます」というのがスバルの公式コメントだ。

このコメントでは、「新参戦車両=Performance-B STIコンセプトをベースとするレースカーの市販バージョンを発売します」とはひとことも言っていない。言っているのは「レースで得られた知見を、具体的なことは明言できませんがとにかく車両とパーツの開発につなげ、弊社製品の“走る愉しさ”をより向上させていく所存です」ということだけだ。

そのため、新参戦車両の知見が今後、何らかのカタチでスバルの市販車や市販パーツに生かされることは(当然ながら)確実だが、その成果物がPerformance-B STIコンセプトの市販バージョンになるのかどうかは、現段階では未知数なのだ。

しかしスバルは出すはずだ。なぜならばスバルはJMS2025において、今後、安心と愉しさを基盤としながら走る愉しさを表現する「Performanceシーン」と、冒険へ踏み出す高揚感などを表現する「Adventureシーン」という2つのシーンを際立たせ、ユーザーとの絆や共感を深めていくと約束したからである。

Adventureシーンのほうは、まずは2025年10月に「クロストレック ウィルダネスエディション」を発売することで、ひとまず公約を果たした。そしてウィルダネス的なラインナップは今後、公約どおり増えていくことだろう。

Performanceシーンに関しては、2024年5月に発表された「WRX S4」ベースのST-Qクラス参戦車両「ハイパフォーマンスXフューチャーコンセプト」が──市販車との直接の関係性がどれほどであるかはさておき、過日公開された6段MTのコンプリートカー、WRX STI Sport#として、いちおう結実した。

そんな流れのなかで、もしもスバルが「Performance-B STIコンセプト的な市販車は発売しません! 期待させてすみませんでした!」と言ったなら、果たしてどうなるだろう?

ブランドの神話が瓦解(がかい)する──とまではさすがに言わないが、スバルをスバルたらしめているイメージの一部は著しく毀損(きそん)され、「結局、今のスバルはアイサイトとなんちゃってウィルダネスだけのメーカーだよね」的な認知をされてしまうことになるだろう。そうなればもはや商売は上がったりだ。

スバルが「ジャパンモビリティショー2025」で発表した「Performance-B STIコンセプト」。若いユーザーが気軽に愉しめることを前提に開発され、今ある技術を組み合わせ、走る愉しさを追求したという。
スバルが「ジャパンモビリティショー2025」で発表した「Performance-B STIコンセプト」。若いユーザーが気軽に愉しめることを前提に開発され、今ある技術を組み合わせ、走る愉しさを追求したという。拡大
「Performance-B STIコンセプト」のサイドビュー。引き下げられた車高やブリスターフェンダーの採用によって、ベースとなった「クロストレック」とは異なる印象を見るものに与える。
「Performance-B STIコンセプト」のサイドビュー。引き下げられた車高やブリスターフェンダーの採用によって、ベースとなった「クロストレック」とは異なる印象を見るものに与える。拡大
「スーパー耐久シリーズ2026 新参戦車」のサイドビュー。レーシングマシンだけにスパルタンな装いだが、「Performance-B STIコンセプト」に似たフォルムであることがわかる。
「スーパー耐久シリーズ2026 新参戦車」のサイドビュー。レーシングマシンだけにスパルタンな装いだが、「Performance-B STIコンセプト」に似たフォルムであることがわかる。拡大
ボディーを補強するチューブラーパイプが目を引く「スーパー耐久シリーズ2026 新参戦車」のリアセクション。軽量化とボディーの強化が同時に行われている。
ボディーを補強するチューブラーパイプが目を引く「スーパー耐久シリーズ2026 新参戦車」のリアセクション。軽量化とボディーの強化が同時に行われている。拡大
「東京オートサロン2026」において発表されたスポーツセダン「WRX」のコンプリートカー「WRX STI Sport#(シャープ)」。現行WRXの日本仕様車として初めて6段MTが搭載された。
「東京オートサロン2026」において発表されたスポーツセダン「WRX」のコンプリートカー「WRX STI Sport#(シャープ)」。現行WRXの日本仕様車として初めて6段MTが搭載された。拡大
2025年10月に発表されたクロスオーバーSUV「クロストレック」の限定車「WILDERNESS Edition(ウィルダネスエディション)」。クロストレックの「ツーリング」と「リミテッド」グレードをベースとし、両モデル合わせて限定500台で販売された。
2025年10月に発表されたクロスオーバーSUV「クロストレック」の限定車「WILDERNESS Edition(ウィルダネスエディション)」。クロストレックの「ツーリング」と「リミテッド」グレードをベースとし、両モデル合わせて限定500台で販売された。拡大
「ウィルダネス」は、北米市場のアウトドアニーズに応えることを目的として誕生したスバルのSUVブランド。走破性と機能性を高めたタフなデザインとパフォーマンスが特徴だ。
「ウィルダネス」は、北米市場のアウトドアニーズに応えることを目的として誕生したスバルのSUVブランド。走破性と機能性を高めたタフなデザインとパフォーマンスが特徴だ。拡大

車両本体価格は400万円台か?

そうならないためにも、そうはさせないためにも、「Performance-B STIコンセプト的な市販車」はおそらく確実に市販されるのだ。

その具体的な内容がどのようなものになるかは不明だが、おそらくは現状のコンセプトモデルと同じくクロストレックのボディーを使い、FA24型ターボエンジン改パワーユニットに、6段MTと「スバルパフォーマンストランスミッション改」的な2種類のトランスミッションが組み合わされるだろう。

そしてスーパー耐久シリーズの2026年シーズンが2026年11月の富士スピードウェイで終了した後、スバル各車種の大幅改良が行われることが多い翌年の10月に、つまり2027年10月に、スバルPerformance-BOXER STI(←筆者による勝手な仮称)は555台限定で発売されるのだ。

ちなみに、なぜPerformance-BではなくPerformance-BOXERという車名になるのかといえば、Bという字面は「Bクラス」「B級品」などといったものもイメージさせてしまうため、マーケティング的にイマイチだからである。

そしてスバルPerformance-BOXER STIの車両価格は、「アセットを柔軟にアレンジすることで、より多くのユーザーにクルマを操る愉しさを提案したい」「購入後も、パーツや制御ソフトウエアのアップデートをユーザー自身に愉しんでもらいたい」という現状のスバルの意向から考えると、車両本体価格は400万円台か、それが無理だとしても555万円以下にはなるのではないかと予想する。というか、期待したい。

(文=玉川ニコ/写真=スバル/編集=櫻井健一)

「Performance-B STIコンセプト」のフロントビュー。スバルがこれまで磨き続けてきた水平対向ターボエンジンやMT、シンメトリカルAWDといった伝統的な技術を搭載する。
「Performance-B STIコンセプト」のフロントビュー。スバルがこれまで磨き続けてきた水平対向ターボエンジンやMT、シンメトリカルAWDといった伝統的な技術を搭載する。拡大
大型のリアウイングが目を引く「Performance-B STIコンセプト」のリアセクション。コンセプトモデルのこうした特徴的なアイテムが市販化にあたってどのように変更されるかも、マニアは注目している。
大型のリアウイングが目を引く「Performance-B STIコンセプト」のリアセクション。コンセプトモデルのこうした特徴的なアイテムが市販化にあたってどのように変更されるかも、マニアは注目している。拡大
「ジャパンモビリティショー2025」で初披露された「Performance-B STIコンセプト」は、エクステリアのみの公開で、インテリアやパワーユニット、シャシーの詳細などについてはアナウンスされなかった。
「ジャパンモビリティショー2025」で初披露された「Performance-B STIコンセプト」は、エクステリアのみの公開で、インテリアやパワーユニット、シャシーの詳細などについてはアナウンスされなかった。拡大
「東京オートサロン2026」に出展したスバルとSTI(スバルテクニカインターナショナル)のブース。ブースの中央最前列に「WRX STI Sport#」のプロトタイプが展示された。
「東京オートサロン2026」に出展したスバルとSTI(スバルテクニカインターナショナル)のブース。ブースの中央最前列に「WRX STI Sport#」のプロトタイプが展示された。拡大
玉川 ニコ

玉川 ニコ

自動車ライター。外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、自動車出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。愛車は「スバル・レヴォーグSTI Sport R EX Black Interior Selection」。

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