三菱eKワゴン/eKスポーツ【試乗記】
三菱eKワゴン/eKスポーツ 2007.04.08 試乗記 ……91万3500〜122万2200円/126万〜148万4700円いま注目の「軽自動車」を、小沢コージがまとめて取り上げる。それぞれのクルマの「○と×」は何なのか? 自動車専門誌『NAVI』の名物特集から、改めてご紹介!
身の丈
【復習:こんなクルマ】
「三菱 i 」とは別に、背水の陣の三菱がリリースしたユニークかつ手堅い軽。人気を博した初代「eKワゴン」をベースに、業界では初となる電動スライドドアを採用。CMキャラクターに人気女優の江角マキコを採用するなど評判はよい。
【ekワゴン/ekスポーツの○と×】
○:
アイデアのみで勝負してること。実に手堅く、今の三菱の身の丈にあった商品である。お金をかけずに初代のプラットフォームをベースにボディ剛性を上げ、走りの質感をよくしている。オマケに評判のよかったボクシーかつ実用的なデザインも、基本は変えずに改良している。商品の売りもわかりやすく、なおかつポイントをしっかりつかんでいる。
それは軽乗用車としては初めてスライドドアを採用するだけでなく、電動開閉とし、そのうえ価格上昇を5万円程度に抑えているところ。本来的には10万円高ぐらいにしたかったようだが、あえて普及を狙い、このくらいの価格差とした。実際、非常に売れており、メーカーの思惑通り手堅いヒットとなった。
×:
特にない。実情に、時流にあった商品だと思う。電動スライドドア以外に感心したのは、充実した小物入れで、初代で評判の良かったゴミ箱を大きくしたり、ドアポケットを大きくするだけでなく、社内に「収納コワザ委員会」を発足させ、100円ショップなどを参考にマルチユースフックなども装着した。これは前列シートの背もたれ背面に付けるもので、子供のお気に入りのハンカチやらぬいぐるみを簡単にぶら下げられる。電動スライドドアと並び、非常に気が利いている。
【コージから一言】
三菱さん、この路線でがんばってください。
(文=小沢コージ/『NAVI』2007年2号)

小沢 コージ
神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 YouTubeチャンネル『小沢コージのKozziTV』
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