トヨタ・カローラフィールダー1.5X “Gエディション”(FF/CVT)【ブリーフテスト】
トヨタ・カローラフィールダー1.5X “Gエディション”(FF/CVT) 2006.11.30 試乗記 ……202万6500円 総合評価……★★★ 2006年10月10日、フルモデルチェンジしたカローラシリーズ。セダンに比べ車名の変更はないが、装備や使い勝手にいっそう磨きがかかった新型「カローラフィールダー」。さらなるクルマ好きを引き込む魅力はあるのか。
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安心して薦められる実用車だけど
たまたま前日まで旧型「カローラ」をレンタルしていたからかもしれないが、新型「カローラフィールダー」に乗った印象は、何もかもが新しかった。そろそろカローラフィールダーから“ただの”フィールダーに変わってもいいんじゃない?と思うほどである。まあ、登録台数ナンバーワンの座を守るためには、そうもいかないのだろうが……。
旅先で借りた旧型カローラは、アシとして使うにはとりたてて不満のないクルマだったが、新型カローラフィールダーならさらに快適な旅になっていたかもしれない。便利で安心で燃費もいい。実用車として、誰にでも不安なく薦めることができるクルマなのだ。
その一方で、クルマ好きにアピールする部分が見あたらないのが辛いところ。それがカローラなのだといわれれば仕方がないが、かつては財布の軽い若者の気を惹くようなスポーティなバリエーションが用意され、若い時分にその話題でしばしば盛り上がった記憶のある私としては、ちょっと寂しい進化といえる。
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【概要】どんなクルマ?
(シリーズ概要)
1966年デビュー、40年経った今では140以上の国・地域で販売され、累計の販売台数が3000万台を超える「カローラ」。2006年10月10日、フルモデルチェンジを受け10代目に進化し、車名も変更された。ワゴンの「カローラフィールダー」はそのままだが、セダンは「カローラアクシオ(Corolla Axio)」となった。ギリシャ語で「価値のあるもの・品質」の意味の「AXIA」からの造語という。
ハードウェア面では、バックモニターをセダン全車に標準装備、カローラフィールダーにはワンタッチ格納リアシートを採用、駐車支援「インテリジェントパーキングアシスト」を用意するなど、実用車としての使い勝手を高めた。エンジンは従来と同じ1.5リッター(110ps、14.3kgm)と新しい「2ZR-FE型」の1.8リッター(136ps、17.9kgm)で、5段マニュアルかCVTを組み合わせる。FFのほか、CVTには4WDも用意される。
(グレード概要)
フィールダーは、ベーシックな「X」、ちょっと豪華な「S」をベースに、スポーティな「Gエディション」とスポーツシート、エアロパーツが備わる「エアロツアラー」がラインナップされる。
テスト車「15X Gエディション」は、「X」に比べワイヤレスドアロックリモートコントロールがスマートエントリーに、マニュアルエアコンがオートになる。また、ディスチャージヘッドランプやHDDナビゲーションシステムは、オプション設定される。
【車内&荷室空間】乗ってみると?
(インパネ+装備)……★★★
シンプルですっきりとしたデザインがインテリアの特徴だ。大きなメーター類、ごちゃごちゃしていないスイッチ類、高級感こそないが安っぽいさのない素材感など、実用車として不満のない仕上がりになっている。
試乗車には縦列駐車や車庫入れの際に便利なメーカーオプションの「インテリジェントパーキングアシスト」が装着されていた。画面操作のコツさえ呑み込めればなかなか重宝な機構。駐車が苦手という人には喜ばれるだろう。
(前席)……★★★★
標準で“スマートエントリー”が装着されるこのグレードでは、エンジンのスタートボタンがステアリングコラムの左の方に配置され、はじめのうちは戸惑ったが、それ以外は、あるべきところに必要な操作系があるという印象で、使い勝手は悪くない。ステアリングコラムにチルトに加えてテレスコピック調整がついたのもうれしい点だ。
シートはソフトな触感ながら、シートバックには適度な張りがあってサポート性はまずまず。これなら長距離ドライブでも疲労が少なくて済むかもしれない。
(後席)……★★★
全幅こそ1695mmに抑えられるカローラフィールダーだが、4410mmの全長のおかげで後席の足元は広々としていて、足を組んだりすることだってできる。爪先が前席の下に余裕で収まるので、自然に足を前に出せるのは助かる。
シートは前席に比べてやや張りが強く、前席と後席どちらかといわれたら前席を選びたくなるが、それでもリクライニングが可能なところなど、後席の快適性は確実にアップしている。
(荷室)……★★★★
このボディサイズにしては十分といえる幅と奥行きを持つカーゴルーム。フロア下に収納スペースを備えるなど、そつのないことろもこのクルマらしい。
便利なのは、カーゴルームにあるレバーを操作するだけで、リアシートが倒せること。しかもただシートバックが倒れるのではなく、まず座面が跳ね上がって、そのあとにシートバックが倒れる“ダブルフォールディング”方式を採用しているのだ。これで面倒な操作からは解放である。
【ドライブフィール】運転すると?
(エンジン+トランスミッション)……★★★
カローラフィールダー1.5Xには、5段マニュアルとCVTというふたつのトランスミッションが用意されるが、今回試乗したのはCVTのモデルである。最高出力110ps/最大トルク14.3kgmのスペックを持つ1.5リッターの直列4気筒ユニットとの組み合わせは、不満のない走りをもたらした。
一般道をアクセルペダルに軽く足を載せた状態で走ると、エンジン回転は1000rpmまで下がり、いかにも燃費がよさそうな印象。ここから少しアクセルペダルを踏むような場面で、多少ギクシャクすることもあるが、それ以外はアクセルに対するレスポンスはいい。ただ、加速時にパワートレインから発生するノイズがやや大きめなのが気になった。
高速でも比較的エンジン回転は抑えられ、100km/h巡航時などロードノイズにエンジン音は消されてしまう。追い越しの際など、アクセルペダルを思い切り踏み込むと、エンジンは一気に4000rpmまで跳ね上がり、そこからじわじわ回転を上げながらの加速に物足りなさはない。
(乗り心地+ハンドリング)……★★★
オプションのアルミホイールを装着するが、タイヤは標準サイズの195/65R15を履いた試乗車は、タイヤの当たりがマイルドで、乗り心地も快適そのもの。荒れた路面でもそれを感じさせない鷹揚さを持つ。首都高速などで目地段差を越える際にも、ショックを上手に遮断してくれる。
高速走行時のフラット感はまずまずで、直進性も十分なレベル。ハンドリングに軽快感はないが、このクルマの性格には合っていると思う。電動パワーステアリングの自然なフィールにも好感が持てた。
(写真=峰昌宏)
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【テストデータ】
報告者:生方聡
テスト日:2006年10月31日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2006年式
テスト車の走行距離:1022km
タイヤ:(前)195/65R15 91S(後)同じ(いずれもダンロップSP31)
オプション装備:195/65R15 91Sタイヤ&15×6Jアルミホイール(6万3000円)/チルト&スライド電動式ムーンルーフ(9万4500円)/インテリジェントパーキングアシスト(駐車空間検出機能付)+5.8型ディスプレイ&CD・AM/FMマルチ電子チューナー付ラジオ+4スピーカー(10万5000円)
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(3):高速道路(6):山岳路(1)
テスト距離:207.1km
使用燃料:12.9リッター
参考燃費:16.05km/リッター

生方 聡
モータージャーナリスト。1964年生まれ。大学卒業後、外資系IT企業に就職したが、クルマに携わる仕事に就く夢が諦めきれず、1992年から『CAR GRAPHIC』記者として、あたらしいキャリアをスタート。現在はフリーのライターとして試乗記やレースリポートなどを寄稿。愛車は「フォルクスワーゲンID.4」。
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