アルファロメオ147 2.0ツインスパーク セレスピード 5ドア(5MT ATモード付き)【ブリーフテスト】
アルファロメオ147 2.0ツインスパーク セレスピード 5ドア(5MT ATモード付き) 2001.12.27 試乗記 ……310.0万円 総合評価……★★★★ダメ、いまいち、拍手ゥ !!
2000年トリノショーの華としてデビューしたアルファロメオの末弟。トンがった145の跡を継ぐ、やや柔和になった3/5ドアモデル。これだけ“生活”を感じさせないハッチバックも珍しい。
日本導入モデルの注目ポイントは、2ペダルのセミオートマ「セレスピード」。ステアリングホイール裏のパドルもしくはシフトレバーを前後することでギアをチェンジでき……てなことより、「CITY」と呼ばれるオートマモードが備わるのが大事でしょう、日本では。でも、ダメ。ギアをチェンジするたび間が空きすぎて、乗員はカックン、カックン、舟をこぐ。トラコンで薄めることなくアルファのエンジンを堪能できる道を開いたとは言えますが……。
一方、パドルまたはレバーを使ってのギアチェンジでは、シフトアップいまいち、シフトダウンでは「ファン!」と中ぶかし入って「拍手ゥ!!」。マニュアル車を運転していたヒトなら、なんの問題もなくドライブできるハズ。でも、それなら普通のMTでいいよな。
気になる「セレスピード」ほかの信頼、耐久性に関しては、『Car Graphic』誌2001年2月号から始まった長期リポートをご覧ください。
【概要】どんなクルマ?
(シリーズ概要)
2000年のトリノショーでデビューした、145の跡を継ぐアルファロメオのボトムレンジ。とはいえ「プレスティッジ・スポーティ・コンパクト」を標榜する3ドアまたは5ドアのハッチバックである。4ドアサルーン「156」をベースとし、「6C2500ヴィラデステ」(1949年)のイメージを引用したフロントフェイスをもつ。本国では、2種類の1.6リッター(105psと120ps)、2リッター直4ツインスパーク(150ps)、1.9リッターディーゼルターボ(110ps)がラインナップされる。日本へは、2001年10月13日から、「2リッター+5段MT“セレスピード”」の組み合わせで、3、5ドアとも輸入が開始された。
(グレード概要)
3、5ドアにメカニカルな違いはない。150psと18.5kgmを発生する2リッターツインスパークは、可変吸気システムをもち、ドライブバイワイヤこと電子制御スロットルを採用した。組み合わされるギアボックス「セレスピード」は、クラッチ操作を自動的に行う2ペダルの5段マニュアル。ステアリングホイール裏のパドルやギアレバーを前後に動かすことでギアチェンジできるほか、「CITY」と呼ばれるオートマチックモードが備わる。電子デバイスを積極的に取り入れたのが147の特徴で、アクティブセイフティとしてABSはもちろん、制動力の前後配分をコントロールする「EBD」、アンチスピンデバイス「VDC」ほか、「ASR(アンチスリップレギュレーション)」「MSR(エンジンブレーキトルクコントロール)」、受動安全装備としてフロント&サイドエアバッグ、ウィンドウエアバッグなどを装備する。
【車内&荷室空間】乗ってみると?
(インパネ+装備)……★★★
粗い結晶塗装風のインストゥルメントパネルが印象的な室内。黒とシルバーでシックにまとめられる。向かって左に速度計(240km/hまで)、右に回転計を配した3連メーターは、かつてのひさしのついたメーターナセルを想起させる。膨らんだ三角形のリムが握りやすいステアリングホイールは、チルト、テレスコピック可能。スポークにオーディオ類のコントロールボタンが付く。ちなみに、日本仕様は「BOSEサウンドシステム」(8スピーカー+サブウーファー)が標準だ。左右シート別にエアコン調整できるのも、147のジマン。
(前席)……★★★★
ボトムレンジの5ドアモデルとはいえ、そこはアルファ。足が短いドライバーには過分なほど(?)座面が長く、たっぷりとアンコの入ったシートが贅沢だ。座り心地はイイ。レバー式の座高調整機能をもつ。ファブリックの「スポーツシート」を標準とし、オプションで黒かタンの「レザーシート」、「スポーツレザーシート(ブラック)」を選ぶことができる。
(後席)……★★★★
156ゆずりの実用的なリアシート。小ぶりなアームレストと、フロアコンソール後端にエアコン吹き出し口あり。座面は低めだが、足もと、頭上ともクリアランスが確保される。座り心地は前席に負けない。車検上は5人乗りだが、中央が窪んだ座面の形状からして、実質2人乗り。とはいえ、中央席にも3点式シートベルトと、比較的しっかりとしたヘッドレストが備わる。
(荷室)……★★★
床面最大幅100cm、奥行き68cm、パーセルシェルフまでの高さ48cmのラゲッジルーム。10連奏のCDチェンジャー、ストラットタワーの張り出しなど、形状はやや複雑。大きな物体は積みにくいかも。分割可倒式になったリアシートを倒すと、前席バックレストまでは140cm程度の長さがとれる。ラゲッジネットは標準装備。
【ドライブフィール】運転すると?
(エンジン+トランスミッション)……★★★
常に自己を主張し、オーナーの寵愛を求めてやまないツインスパーク。クルマ好きをうならせる粒のそろったサウンド、のみならず、2000rpmで最大トルクの90%を発生する実用性も見逃せない。組み合わされる2ペダルのクラッチ付きセミオートマ「セレスピード」は評価のわかれるところ。「CITY」と呼ばれるオートマチックモードをもつが、慣れないとギアチェンジのたびにつんのめることに。シフトに間があく。一方、シフトダウン時に自動的に回転をあわせてくれるのはウレシイ。
(乗り心地+ハンドリング)……★★★★
アルファ147の乗り心地はソフトだ。ドライブフィールは、アルファ特有のやや腰高なモノ。コーナーで自然に沈み込むロールでスポーティを感じさせる。「シャコタン」「硬い足」にスポーティを感じる向きは、ナンパなイメージを持たれるかも。なお、リアサスが、フィアット・ティーポをベースにしていた頃のトレーリングアームからパラレルリンクのストラットに変更され、また入念にチューニングされたのだろう、ハードコーナリング時の、ときに激しいタックインを見せるじゃじゃ馬ぶりは影をひそめた。
(写真=難波ケンジ)
【テストデータ】
報告者:webCG青木禎之
テスト日:2001年12月19日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2001年型
テスト車の走行距離:7175km
タイヤ:(前)205/55/R16 91W(後)同じ(いずれもContinental ContiSportContact)
オプション装備:レザーシート(15.0万円)
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(2):高速道路(6):山岳路(2)
テスト距離:555.1km
使用燃料:――リッター
参考燃費:――km/リッター

青木 禎之
15年ほど勤めた出版社でリストラに遭い、2010年から強制的にフリーランスに。自ら企画し編集もこなすフォトグラファーとして、女性誌『GOLD』、モノ雑誌『Best Gear』、カメラ誌『デジキャパ!』などに寄稿していましたが、いずれも休刊。諸行無常の響きあり。主に「女性とクルマ」をテーマにした写真を手がけています。『webCG』ではライターとして、山野哲也さんの記事の取りまとめをさせていただいております。感謝。
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