ジャガーフルラインナップ試乗会(前編)
ジャガーフルラインナップ試乗会(前編) 2005.11.17 試乗記 英国が誇る格調高きブランド「ジャガー」は、フォード傘下になってからもアイデンティティを保ち続けている。その孤高の輝きは、表面的な言葉で左右されるものではない。それを証明するため、フルラインナップ試乗会の模様を、昨今流行りの方言を交えつつお届けすることにしよう。犬と一緒に旅行したいジャガーXタイプ 2.0V6エステート(FF/5AT)……423.0万円
本諏訪(以下「も」):そういえば、ジャガーってあまりじっくり乗ったことないんですよ。
すずき(以下「す」):わしもやっとかめ(八十日目=久しぶりの意味)だがね。今日はフルラインナップの試乗会だで、ジャガーまるけだわ。ちょこっと、乗ってみよみゃあか。
も:こちらは2005年6月に追加された、Xタイプエステートの最も“素”のモデルですね。「SE」グレードよりDVDナビやサンルーフ、クルーズコントロールなど、装備が若干簡略化されています。
す:クルーズコントロールも、のーなっとるんか。エントリーグレードをまっと安くして、ユーザーを広げたろうと思っとりゃあすな。
も:実際、Xタイプが発売されて、かなり「ジャガー」というものが身近に感じられるようになりました。
す:2004年7月から追加された「Xタイプエステート」は、現在、サルーンをしのぐ人気だと。たぇあしたもんだわ。
も:デザインに斬新さはあまり感じられませんが、その分トラディショナルなエレガンスを感じます。カラーラインナップが12色というところも魅力的。
す:スタイルに惹かれて買う人が多いんだろうね。実用的なステーションワゴンだねぁあで、“ライフスタイルワゴン”だし。
も:とはいえ、ワゴン自体の使い勝手も実用的ですよね。
す:そうかもしれせん。リアシートも簡単に倒れるし、後部ガラスハッチだけでもいごかせるわ。
も:でも、できればハッチ開口部と荷室面がフラットだとよかったですね。荷物の出し入れの時に傷ついちゃうんじゃないですか。
す:とろくせゃあこと言ったらかんわ。ジャガーに乗るような人は、重いものを自分で持ったりせんがね。
も:じゃあどうやって使いましょうか?
す:荷室にひゃあった犬が逃げぇせんようにして、荷物を出し入れできるわけだわ。
も:そうすると犬に上質な内張りを汚されちゃいますね。
す:ジャガー乗っとるなら、ほんなものは気にしたらアカンて。
も:……。
も:乗った感じはどうでしょう。タウンスピードではけっこうゴツゴツしたところがあると感じました。
す:おみゃーもか。足まわりがかたぇあとは言わんけど、なんぜか細かい入力をけっこう感じとったわ。
も:ジャガーということで、期待値が高かったせいでしょうか。
す:もうちょこっとスピードが出ると、印象が違うかもしれせん。
も:ジャガーで犬を連れて、小旅行なんてしてみたいなぁ。
す:ほいだけど、これにはカーナビ付いてにぇあからね。
も:お互い、方向音痴ですからね。
想像していた“ジャガー”Sタイプ 2.5V6 SEパッケージ(FR/6AT)……590.0万円
も:次はSタイプです。かつての「ジャガー・マークII」を思わせるフロントマスクで、町なかで見ても目立ちますよね。
す:試乗車は、いろいろよーけ付いとるわ。キセノンヘッドランプ、レザー/ウッドステアリングホイールがパッケージで付いとる「2.5V6 SEパッケージ」だがね。
も:エンジンラインナップは、3リッターと4.2、そして4.2のスーパーチャージャーがほかにありますが、2.5モデルが半数以上を占めるそうです。
す:日本では2.5で十分だねぁか。こういうお買い得車は、どんどん発売してちょーでぁあ。
も:Sタイプはマイナーチェンジを重ねて、かなり進化したと聞いてます。
す:ほうだがや。最初のは「リンカーンLS」のまんまで、乗り味もおんなしだったわ。
も:私も初代はちょっと乗りましたが、インテリアもオーディオのあたりとか、全然今と違う。まあそれはそれで味がありましたけど。
す:まあとりあえず乗り込んでみよみゃあ。
も:Xタイプから乗り換えると、グレードの違いをまざまざと感じますねぇ。革もさわり心地がしっとり。上質な感じがします。
す:特別装備のハンドルは手でなぶるとこだもんで、あんばよう作っとる。
も:中央のジャガーマークも、ちょっと彫りが深く、ハンサムになってますよ。
す:気が付かなんだわ……。
も:室内はカラーリングのせいもありますが、非常に広く感じます。
す:そんなことあらすか……と思ったら、全長4905mm、全幅1820mmいうことは「レクサスGS」よりまっとボリュームがあるがね。
も:フロントはかなり丸まったシェイプなので、見切りはよろしくないですね。
も:走り出すとこちらはXタイプと違い、非常にソフトでフラットな乗り心地。低速でも、路面の凹凸をうまく吸収しています。
す:FRだで、ステアリングフィールも素直だに。ドライブしてて、どえりぁあ気持ちいいがね。
も:そうですね。正直、先のXタイプは、運転が気持ちいいという感じはそれほどありませんでした。遮音性も優れているし、これぞ上級サルーン! これがまさに私の想像していたジャガーです。
す:ほんなにだだくさに運転せんといて。壊けてまうがね。
(文=NAVI鈴木真人&webCG本諏訪裕幸/写真=郡大二郎/2005年11月)
・ジャガーフルラインナップ試乗会(後編)
http://www.webcg.net/WEBCG/impressions/000017473.html

鈴木 真人
名古屋出身。女性誌編集者、自動車雑誌『NAVI』の編集長を経て、現在はフリーライターとして活躍中。初めて買ったクルマが「アルファ・ロメオ1600ジュニア」で、以後「ホンダS600」、「ダフ44」などを乗り継ぎ、新車購入経験はなし。好きな小説家は、ドストエフスキー、埴谷雄高。好きな映画監督は、タルコフスキー、小津安二郎。

本諏訪 裕幸
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