第189回:「ダイハツ・ミラ ジーノ」試乗 MINIの“様式美の強さ”に驚きます
2005.01.31 小沢コージの勢いまかせ!第189回:「ダイハツ・ミラ ジーノ」試乗 MINIの“様式美の強さ”に驚きます
■進化した“なんちゃって”
「スバルR1」に続いて軽自動車ネタを。
2004 年末、「ダイハツ・ミラジーノ」の試乗に行ってまいりました。ミラにクラシカルな外観を与えたクルマで、その日本車的な完成度の高さに驚かされたんだけど、同時にミニの偉大さをつくづく実感しましたね。そう、「MINI」というクルマが生み出したデザイン・アイデンティティというか、ひとつの“クルマ様式美”の強さを。
ジーノは声高に主張しないけど、明らかにイギリスのコンパクトカー、初代MINIを参考にしている。俺はもはや、メッキグリルやメッキミラーを付けた“なんちゃってミニ”なんて、ほぼ需要なくなったと思ってたんだけど、そんなことは全然ない。需要があるどころか、逆に進化しているみたいね。
■手軽にオシャレ
というのもミラジーノ、MINI風の軽自動車としては、初めて(?)エクステリア・デザインがフルオリジナルになってるのが最大のウリなのだ。ブームの火付け役ともいえる、1995年の「スバル・ヴィヴィオ ビストロ」にしろ、初代ミラジーノにしろ、せいぜいフロントマスクに大型メッキグリルが付き、各種メッキパーツが付いただけ。
一方、2代目ジーノはグリルはもちろん、フェンダー、ボンネット、リアパネルとすべてのアウターパネルがオリジナルデザイン。“ミニ風の軽”が生まれてはや10年、やっと本気モデルが登場したのだ。その点が一番評価できます。パチパチのパチ!
なかでも巧妙なのがリアのクォーターピラー。かなりナナメに寝かせてスタイリッシュになってるけど、良く見ると後部座席の頭まわりだけが膨らんでおり、居住性は十二分。この点、スタイルに振り切ったスバルR1やR2とは方向性が異なっており、見事、スタイルと実用性を両立させているのだ。
一方、走りはまあまあ。足回りは若干硬めだが乗り心地良好で、ステアリングの剛性感もそこそこなんだけど、ミラ譲りのほぼ90度開くドアや、低いフロアにより、利便性はバツグン。正直、俺だったらR1かR2買っちゃうけど、コッチを買う現実派のが多いんではあるまいか。それは便利さもそうだけど、なによりそのミニ譲りのスタイルがポイント。老若男女、ほとんどの世代に手軽にカッコよさと高級感を与えてくれる気がする。
最近じゃ、本物の英国製MINIみて、「あー、マネしてる〜」とかいうジーノオーナーもいるとかいないとか。俺もBMW製の「MINIコンバーチブル」買ったし、このカタチ、つくづく日本に浸透し切っちゃってるみたいですねぇ。
(文と写真=小沢コージ/2005年2月)

小沢 コージ
神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 YouTubeチャンネル『小沢コージのKozziTV』
-
第454回:ヤマダ電機にIKEAも顔負けのクルマ屋? ノルかソルかの新商法「ガリバーWOW!TOWN」 2012.8.27 中古車買い取りのガリバーが新ビジネス「WOW!TOWN」を開始。これは“クルマ選びのテーマパーク”だ!
-
第453回:今後のメルセデスはますますデザインに走る!? 「CLSシューティングブレーク」発表会&新型「Aクラス」欧州試乗! 2012.7.27 小沢コージが、最新のメルセデス・ベンツである「CLSシューティングブレーク」と新型「Aクラス」をチェック! その見どころは?
-
第452回:これじゃメルセデスには追いつけないぜ! “無意識インプレッション”のススメ 2012.6.22 自動車開発のカギを握る、テストドライブ。それが限られた道路環境で行われている日本の現状に、小沢コージが物申す!?
-
第451回:日本も学べる(?)中国自動車事情 新婚さん、“すてきなカーライフに”いらっしゃ〜い!? 2012.6.11 自動車熱が高まる中国には「新婚夫婦を対象にした自動車メディア」があるのだとか……? 現地で話を聞いてきた、小沢コージのリポート。
-
NEW
パナソニックが市販カーナビを終売! 巨人の撤退からカーエレクトロニクスの変化を読み解く
2026.10.9デイリーコラムパナソニックが、市販市場向けカーナビゲーション、ドライブレコーダー、リアビューカメラの終売を発表! カーエレクトロニクス界の巨人は、なぜ市場からの撤退を選んだのか? 変化し続けるマーケットの在りようを振り返り、車載機器の未来を考察した。 -
フェラーリ・プロサングエ ハンドリング スペチアーレ仕様(4WD/8AT)【海外試乗記】
2026.10.8試乗記フェラーリの4ドア4シーターモデル「プロサングエ」に、「ハンドリング スペチアーレ」を名乗るスペシャルバージョンが登場。その走りは従来モデルからどのように変わったのか? 跳ね馬の原産国、イタリアで確かめた。 -
「アプライドD」で何が変わった? スバルの「インプレッサ」と「クロストレック」の進化を探る
2026.10.8デイリーコラムスバルが「インプレッサ」と「クロストレック」の改良モデル「アプライドD」を発表した。モデルライフの折り返し地点となる今回の改良では、ラインナップの刷新がトピック。その内容とスバルの狙いを、スバリスト玉川ニコ氏が解説する。 -
“クルマづくりのプロ”の話をライブで配信! 「あの多田哲哉のクルマQ&A」公開収録のお知らせ
2026.10.7From Our Staff元トヨタの多田哲哉さんが、自動車に関するさまざまな疑問・質問に答える「あの多田哲哉のクルマQ&A」。その話がライブで聞けて質問もできる公開収録を、10月15日(木)の夜、19時半から実施します。 -
咆哮なき電気自動車「ジャガーTYPE 01(タイプ01)」に“ジャガーの魂”は宿るのか?
2026.10.7デイリーコラムいよいよ正式デビューを飾った、新生ジャガーのラグジュアリー4ドアGT「TYPE 01(タイプ01)」。いったいどんなクルマなのか、従来のファンも納得できる“ジャガーらしさ”はあるのか? 先行チェックした西川 淳がリポートする。 -
トヨタ・ランドクルーザー“FJ”VX(4WD/6AT)【試乗記】
2026.10.7試乗記新たにシリーズに加わった「ランドクルーザー“FJ”」は、ポップな見た目から簡易版のように思われるかもしれないが、その中身は紛れもなく本物であり、道なき道をグイグイと突き進む。これもまた「どこへでも行き、生きて帰ってこられる」を体現する一台である。