BMWフルライン試乗会【試乗記】
マイナーモデル(?)に乗ってみた 2004.11.24 試乗記 BMWフルライン試乗会 BMWのクルマほぼすべてに加えバイクにも試乗できるという、大変豪華な試乗会が、神奈川県は大磯プリンスホテルを基点に開かれた。珍しい機会ということで、BMWのなかでも日の当たりにくいマイナーモデル(?)を中心に、『webCG』記者が試乗した。現行ラインナップの“大穴”?
『webCG』が試乗車として選んだのは、いずれもBMWラインナップのなかではイマイチ目立たない3車種。「330Ciカブリオレ M-Sportパッケージ」と、3&5シリーズの2台のワゴン「325i ツーリング Hi-Lineパッケージ」「525i ツーリング」である。様々なメディアでお目にかかる機会が多いメジャー車種はひとまず措いて、忘れられがちなモデルにスポットを当てて見た。
まず乗ったのは、3シリーズのオープンモデル。試乗車は、エアロパーツや前225/45R17、後245/40R17インチのタイヤを履く「M-Sportパッケージ」を装着していた。
BMWのなかで、3シリーズはメジャー中のメジャーだが、カブリオレになると珍しい存在だ。「メルセデスベンツCLKカブリオレ」は、青山あたりでマダムの足になっている姿をよく見るが、3シリーズカブリオレは、サングラスをかけて乗っている不良外人(?)を、六本木で見かけるくらいだし……。
しかし、乗ってみると、イメージとはかけ離れた素晴らしいクルマだった。
外観は、クリス・バングル以前の四角いクラシカルな外観が懐かしい感じ。大きいタイヤが“六本木のガイジン”を彷彿とさせなくはないが、オープンになって強調された伸びやかなショルダーラインは美しく、眺めていて飽きがこないだろうな、と思った。
しかも、ただ屋根をちょん切っただけではない。シートベルトはシート内蔵式、横転時に乗員を保護するプロテクトバー荷室を有効に使える「バリアブルソフトトップボックス」など、実用車としても充分完成されているのは、さすがBMWである。
“M-Sport”ということで、シャカリキのハンドリングとハードな乗り心地を想像したが、イイ意味で裏切られた。乗り心地が悪いので有名な『NAVI』の長期リポート車「318ti Mスポーツ」はいうに及ばず、全3シリーズのなかでも上位にランクインするであろう、素晴らしい乗り心地。高速巡航での風の巻き込みもすくなく、快適にツーリング可能。スムーズな3リッター直6はパワーも充分で、エグゾーストの音を存分に味わえるのはオープンならでは。ハンドリングはオープンモデルだけに、BMWの名から想像されるよりダルだが、元のハンドリングレベルが違う。箱根の山の景色を楽しみつつシューンと駆け抜けるには、ちょうどいい案配で楽しかった。ちょっとマイナーな330Ciカブリオレ、実はBMW現行ラインナップの“大穴”(?)なんじゃないか? と思った。
ちょっとイマイチ……
カブリオレに気をよくして乗り換えた「325i ツーリング Hi-Lineパッケージ」は、結論からいうとちょっとイマイチだった。
試乗車が1300kmほどしか走ってない新車だったとはいえ、乗った感触が全体的に重苦しい。ステアリングフィールが重めなのはいいとして、クルマの動きもややモッサリ。乗り心地は、高速巡航で上下動が認められるなど、あまり褒められたものではなかった。2.5リッター直6は、3リッターと同じブロックを使うから、理屈ではより静かでスムーズになるはずだが、低音が室内にこもりがちで、パワーもフィールもいまひとつだと思った。
ちなみに、同じ時間帯で『NAVI』がお借りした「318i ツーリング」は、上記の重さが払拭されていたので、なおさら残念。BMWらしく、前後重量配分は前:後=750kg:770kgと理想的だから、距離を重ねて馴染んでくれば、もっと軽快に走ってくれるのかもしれない。同クラスと比較すると狭いとはいえ、セダンよりはるかに便利なラゲッジスペースは、もちろん魅力的ではある。
スポーティで便利、かつ新しい
「525i ツーリング」は新世代のBMWらしく、もしくは上級グレードゆえか、よくできたミドルクラスのワゴンだと思う。クリス・バングルデザインの好みはさておき、新しい5シリーズのワゴンボディは同クラスのなかで異彩を放ち、なかなかカッコイイ。BMW自慢の車両統合制御システム「iDrive」はイマイチ使いにくいが、ボタン類がすくない車内はシンプルで、液晶モニターを据えたインテリアデザインは近未来チック。低めのダッシュボードなど、運転しやすいつくりであるところは踏襲されている。FRゆえに、荷室の床面はやや高いが、大きめのボディのおかげでラゲッジスペースを狭く感じることもなさそうだ。
乗ってもシッカリ。325と基本は同じエンジンだが静かで、低音がこもることもない。325が5ATを積むのに対し、こちらのトランスミッションは6AT。1段増えたおかげでスムーズだし、動力性能に不満を感じることもなかった。最新モデルらしく、DSC(ダイナミック・スタビリティ・コントロール)やDTC(ダイナミック・トラクション・コントロール)など、クルマをアクティブに制御するデバイスが備わるところも魅力。タイヤはランフラットを標準で装着するが、乗り心地はミドルクラスらしい重厚さが感じられた。広報スタッフによれば、BMW=スポーティというイメージが強いのか、5シリーズのワゴンはそれほど販売台数が伸びないというが、525i ツーリングはスポーティなイメージと実用性を兼ね備えた、しかも新しいBMWだと思う。
(文=webCGオオサワ/写真=郡大二郎/2004年11月)
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大澤 俊博
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