マツダRX-8【試乗記(中編)】
ライドコンフォート〜RX-8試乗報告(中編) 2003.04.12 試乗記 マツダRX-8(240.0-275.0万円) 復活したロータリースポーツ「マツダRX-8」。4シータースポーツの3つのグレードを、『webCG』記者が「ツインリンクもてぎ」で試乗した。
ファミリー用4シーターとしても
(前編からつづく)「マツダRX-8」に乗った。210psバージョンの5MT車で「ツインリンクもてぎ」を走った。「乗り心地のいいクルマだなぁ」と思った。おしまい。
……いえね、本コースのピットレーンから、「いよいよコースイン!」したら、途中、パイロンで仕切られた場所からコース外に誘導され、よくわからないままツインリンクもてぎの敷地内をゆるゆるとドライブし、再びコースに戻って気が付くとピットインしてたんですよ。試乗コース一周のなかに、一般道を模した区間が設けられていたわけ。
後ろのテスト車から出てきた、(やはり戸惑ったらしい)自動車ジャーナリストの斉藤慎輔さんと苦笑いを交わして、
「やたらスッ飛んでいったクルマがいましたなぁ」
「そうですなぁ」
とニヤニヤしたあと、お互い、なぜかしんみりした。
斉藤さんが、「マツダ、頑張ったと思いますよ」とポツリといって、リポーターの胸の奥も熱くなった。ホント、頑張ったと思います。
実車に乗る前は、もっとゲテモノっぽいクルマを想像していた。「観音開き」と「ロータリー」をウリにした、コンセプトが先走りしたような。
ところが実際にステアリングホイールを握ってみると−−量産車メーカーの製品として当たり前のことだが−−4座の実用車としてキッチリ成立していた。「RX-7」よりひとまわり半ほど大きくなり、かつ横腹に大きな開口部をもつセンターピラーレスボディは、しかし、「“曲げ”で1.7倍、“ねじり”で2倍のボディ剛性を実現した(いずれも「静的」)」と謳われる通り、しっかりしている。マツダいうところの、「フリースタイルドア」を採用したことによる言い訳は必要ない。
そのうえ、乗り心地が存外にイイ。サーキットでの試乗では、一般道以上に「乗り心地がよく」「足まわりが柔らかく」そして「パワーが足りなく」感じられるものだが、そのことを差し引いても、RX-8は、“ファミリー用4シーター”と思って乗っている同乗者に、何ら不満を感じさせないライドコンフォートを提供する、と思う。
街なかでは別の顔?
その日、試乗する機会がたくさん用意されていたので、別に焦る必要はなかったのだ。
RX-8のグレードは、210psの「RX-8」(5MT/4AT=いずれも240.0万円から)、同じく210psの4ATながら、本革内装、パワーシート、BOSEサウンドシステム、アンチスピンデバイス「DSC」やLSDなどが奢られた「RX-8 TypeE」(275.0万円から)、そして6MTを備えた250ps版「RX-8 TypeS」(275.0万円から)がカタログに載る。
210ps「RX-8」(5MT)の内装は、黒のファブリック。スポーティなバケットタイプのそれは、やんわりソフトで、ドライバーを優しく支える。タコメーターを中央に配した3連メーター、黒基調のインパネまわりと、インテリアは“スポーティ”の定石通り。全体の質感は、値段相応といったところか。ローターをイメージした三角形のシフトノブがほほえましい。テスト車は、日常の使い勝手をアピールするためか、インパネ中央の上面にポップアップするDVDナビゲーションシステム(21.8万円)が装着されていた。
今回の試乗会で最も不利だったのが、いうまでもなくAT仕様車である。トランスミッションはコンベンショナルな4段。シフターを前後に動かすことでシフトできるシーケンシャルモードを備え、また、ステアリングのシフトスイッチでもギアを変えられる。ダウンはスポーク上部のボタンをプッシュ、アップは下部のレバーを引く。BMW同様、減速および加速時の体の動きに考慮された。
レースコースに持ち込むと、さすがにカッタルイ。MTモデルだと8500rpmを超えてひっぱれる654ccの2ロータリーだが、AT車では8000手前でシフトアップしてしまう。なによりパワーソースとの一体感で、マニュアルモデルに一歩譲る。コーナーからコーナーを目指しながら、20kgほど増えた1330kgの車重以上に、クルマが重く感じられた。
しかし、それはサーキットという特殊なシチュエーションでのこと。街なかでは別の顔を見せるに違いない。4シータースポーツとして販売面で重要な役割を演ずる(予定の)オートマRX-8、公道でのインプレッションやいかに? 後日、報告します。(つづく)
(文=webCGアオキ/写真=荒川正幸/マツダ/2003年4月)
・マツダRX-8【短評(前編)】
http://www.webcg.net/WEBCG/impressions/000013077.html
・マツダRX-8【短評(後編)】
http://www.webcg.net/WEBCG/impressions/000013097.html
拡大 |
拡大 |
拡大 |
拡大 |
拡大 |

青木 禎之
15年ほど勤めた出版社でリストラに遭い、2010年から強制的にフリーランスに。自ら企画し編集もこなすフォトグラファーとして、女性誌『GOLD』、モノ雑誌『Best Gear』、カメラ誌『デジキャパ!』などに寄稿していましたが、いずれも休刊。諸行無常の響きあり。主に「女性とクルマ」をテーマにした写真を手がけています。『webCG』ではライターとして、山野哲也さんの記事の取りまとめをさせていただいております。感謝。
-
日産ムラーノ プラチナム(4WD/9AT)【試乗記】 2026.9.23 ドナルド・トランプ米大統領の圧力のおかげで(?)新しい「日産ムラーノ」の国内導入が決まった。日本を留守にしていた約11年の間にどう変わったのか、まさに「朋有り、遠方より来たる」の気分だ。本格導入よりもひと足早く北米仕様車の仕上がりを試した。
-
フェラーリ・アマルフィ(FR/8AT)【試乗記】 2026.9.22 フェラーリの最新ラグジュアリークーペ「アマルフィ」に試乗。2+2のシートレイアウトを持つ優雅な一台は、その姿にたがわぬ快適な乗り心地を備える一方で、スーパースポーツにも比肩する高いパフォーマンスも秘めたマシンとなっていた。
-
メルセデス・ベンツCLA220シューティングブレーク(FF/8AT)【試乗記】 2026.9.21 メルセデス・ベンツの「CLA」がフルモデルチェンジ。シャシーやパワーユニット、さらにインフォテインメントシステムなど、すべての要素を刷新したとされる、メルセデスの次世代を切り開くモデルだ。1.5リッターハイブリッドの「シューティングブレーク」を試す。
-
ホンダ・シビックe:HEV RS(FF)【試乗記】 2026.9.19 ホンダのCセグメントハッチバック「シビック」に、スポーティーな走りが身上の「e:HEV RS」が登場。ハイブリッドのパワートレインと専用チューニングのサスペンションが織りなす走りは、いつもの道でこそ輝くものに仕上げられていた。
-
BYDラッコ300プレミアム(FWD)【試乗記】 2026.9.16 中国BYDの軽スーパーハイトワゴン「ラッコ」がいよいよ日本の道を走り始めた。価格の安さや装備の充実度はすでに報じられているとおりだが、やはり自動車の仕上がりは実際に動かしてみなければ分からない。高速道路やワインディングロードでの印象をリポートする。
-
NEW
アウディQ3スポーツバックTFSIクワトロ150kWアドバンスト(後編)
2026.9.27思考するドライバー 山野哲也の“目”レーシングドライバー山野哲也が新型「アウディQ3」に試乗。前編の最後に山野から「エンジン音が室内に……」という気になる発言が飛び出した。果たして新型Q3はプレミアムSUVとしてノイズが気になるレベルなのだろうか。真意を詳しく聞いてみた。 -
シトロエンC3エアクロス マックス ハイブリッド(FF/6AT)【試乗記】
2026.9.26試乗記同じシトロエンの「C3」がクロスオーバーSUVに生まれ変わったこともあり、新型「C3エアクロス」はサイズを拡大し、3列シートSUVへと商売を替えた。果たしてそのリアセクションには、小さいながらも2つのシートが確かに備わっている。使い勝手やいかに。 -
フェラーリ・ルーチェ
2026.9.25画像・写真2026年5月に発表されるや世界の自動車ファンを騒然とさせた、フェラーリ初の電気自動車「ルーチェ」。国内におけるプレス向け内覧会で披露された、その姿を写真で紹介する。 -
フェラーリのスペシャルイベント「Ferrari Festival Tokyo 2026」展示車両
2026.9.25画像・写真フェラーリが2026年9月26日から10月4日までの9日間、東京・六本木の東京ミッドタウンにおいて、特別イベント「Ferrari Festival Tokyo 2026」を開催。会場に並んだ、フェラーリの歴史を彩る17台の“跳ね馬”を写真で紹介する。 -
あのクルマはなぜ売れている? 自販連のデータから“日本車の今”を読む
2026.9.25デイリーコラムここ数年の自販連のデータからは、国内市場におけるトヨタのゆるぎない強さが見てとれる。ではその実績から、人々にどんなクルマが求められているといえるのか? 統計や数字の裏にある消費者マインドを探ってみよう。 -
第293回: スイフトが主役の映画? いや、監督がスイフトなんです! 『藁にもすがる獣たち』
2026.9.24読んでますカー、観てますカー曽根圭介の小説を原作にした2度目の映画化。韓国版では「ヒョンデ・ソナタ」が殺人カーだったが、今回は「トヨタ86」に。もっと活躍するのはチャンピオンイエローがまぶしい“スイスポ”。スズキファン必見のアクションエンターテインメント!


































