ホンダ・シビックフェリオiE(CVT)【ブリーフテスト】
ホンダ・シビックフェリオiE(CVT) 2000.10.17 試乗記 ……158.8万円 総合評価……★★★淡々と乗る
保革連合政権的7代目「コアビタシオン」シビックの保守派担当4ドアセダン。前後席ウォークスルー可能な「フルフラットフロア」に、敢えてコンソールとシフターを配して、「普通」を装う。
ホンダの燃費向上技術をありったけつぎ込んだ感のある1.5リッターユニットは、しかし低燃費版を感じさせない力強さ。のけぞる出足。「ホンダマルチマチックS」ことCVTを介した加速も、グッと自然に。
車内は、絶対的には静か。しかし、ヒーンというCVTの高周波のノイズが、すいた夜道には耳につく。シフターを「D」から「S」に移すと、タコメーターの針が跳ね上がって、エンジンは俄然生気を取り戻す。が、頼りなげな足まわりが、運転手にダメを出す。先代の北米製クーペのときは、スッゴク興奮したんだけどね。
「iE」は、淡々と乗ると、いいクルマ。
【概要】 どんなクルマ?
(シリーズ概要)
2000年9月に登場した7代目シビック。ミニバン風に変身した5ドアハッチと、保守的な4ドアセダン「フェリオ」がまずデビュー。MM思想(マン・マキシマム、メカ・ミニマム)を継承したという「スマートコンパクト」が開発テーマ。
1.5リッターVTEC「リーンバーン」ユニット(105ps)をメインに据え、1.5VTEC(115ps)、1.5SOHC(105ps)、1.7VTEC(130ps)と、4種類のエンジンをラインナップ。トランスミッションは、5ドアに4ATかCVT、フェリオにはさらに5MTが用意される。FFのほか、4WDもある。
(グレード概要)
iEは、スポーティな「RS」(1.7VTEC)、廉価版の「B」(1.5SOHC)に挟まれたボリュームゾーン。パワーウィンドウ、キーレスエントリー、リモコンドアミラー、オートエアコンなど、快適装備をひととおり備える。ドアミラー、ドアハンドルをボディ同色として、「B」との差別化を図る。
【車内&荷室空間】 乗ってみると?
(インパネ+装備)……★★★
ボタン/ダイヤル類をインパネ上部に集め、ステアリングホイールから離す手の動線が短くなるよう配慮された。メーター類も、文字がクッキリと大きく、見やすい。「実用」以外の要素を排したデザイン。
(前席)……★★
スクエアなボディ形状のおかげで、室内は広い。ドライビングポジション調整幅の広さは実用車の鑑。座面角度をダイヤルで調整することも可能だ。ただし、シートそのものが問題。平板で腰がない座り心地はいかがなものか。
(後席)……★★
後付け(?)トンネルコンソールは、前席後端付近で終わっているので、後席足元は、左右にスッキリ。膝前も広い。ただ、頭上空間を稼ぐためか、座面位置が低く、またヘッドレストが座面一体型の小さなもので、頭を支える役を果たさない。リアシートに座っていると、なんとも落ち着かない。
(荷室)……★★★★
床面最大幅150cm、奥行き100cm、高さ50cmと、なかなか立派な荷室容量。リアサスペンションは、ダブルウィッシュボーンながら、非常にコンパクトなつくり。アッパーアームをリンク(鋼管)にして、ダンパー&スプリングの後ろに通すことで、後席の位置を下げて室内空間を拡大。また、床上ラゲッジスペースへの浸食も少ない。トランクスルー機構を備える。
【ドライブフィール】 運転すると?
(エンジン+トランスミッション)……★★★★
燃料と空気の混合比を細かくチェック、中低速時には、2本ある吸気バルブの片方を休止、燃焼室内にスワール(渦)を生成して、希薄燃焼を実現。といったことを、まるで感じさせない力強いエンジン。CVTのギア比の変化にも過不足感がない。つまり、ドライバーの予想に近い加減速をしてくれる。欠点は、停まる直前に空走状態になること。ドキッとする。
(乗り心地+ハンドリング)……★★★
可もなく不可もない乗り心地。リアのスタビライザーが省かれたせいか、路面状態が悪いと、左右にユラユラする感がある。「パワーロスが少ない」と謳われる電動パワステは、タイヤが遠く感じられる不思議な感覚。慣れが必要。コーナリング時のロールは大。まったく「その気」にさせないハンドリングが、クルマの性格によく合っている。
(写真=五條伴好)
【テストデータ】
報告者: web CG 青木禎之
テスト日: 2000年10月11日
テスト車の形態: 広報車
テスト車の年式: 2000年型
テスト車の走行距離: 548.1km
タイヤ: (前)185/70R14 88S(後)同じ(いずれもブリヂストン B381)
オプション装備: アルミホイール+MDチューナー(=7.0万円)
テスト形態: ロードインプレッション
走行状態:市街地(4):高速道路(6)
テスト距離: 141.7km
使用燃料: 8.0リッター
参考燃費: 17.7km/リッター

青木 禎之
15年ほど勤めた出版社でリストラに遭い、2010年から強制的にフリーランスに。自ら企画し編集もこなすフォトグラファーとして、女性誌『GOLD』、モノ雑誌『Best Gear』、カメラ誌『デジキャパ!』などに寄稿していましたが、いずれも休刊。諸行無常の響きあり。主に「女性とクルマ」をテーマにした写真を手がけています。『webCG』ではライターとして、山野哲也さんの記事の取りまとめをさせていただいております。感謝。
-
ベントレー・ベンテイガ スピード(4WD/8AT)【試乗記】 2026.7.17 「ベントレー・ベンテイガ」に最上級グレードの「スピード」が登場。ブランドの在り方をストレートに伝える名称のトップパフォーマンスモデルだが、従来型との最大の違いはその心臓部にV8エンジンが積まれていることだ。およそ不満のあろうはずもないが、最新モデルの仕上がりをリポートする。
-
フェラーリ849テスタロッサ スパイダー(4WD/8AT)【海外試乗記】 2026.7.15 歴史ある車名が与えられた「フェラーリ849テスタロッサ」は、従来型から大幅な進化をとげた高性能スポーツカーだ。では、そのオープントップバージョンの走りはどうか? 日本での発売を前に、フェラーリ通として知られる西川 淳が試乗した。
-
ポルシェ・カイエン ターボ エレクトリック(4WD)【試乗記】 2026.7.15 ポルシェ最新の電動ハイパフォーマンスSUV「カイエン エレクトリック」。そのラインナップのなかでも、最高峰に位置するのが「カイエン ターボ エレクトリック」だ。最高出力1156PS、最大トルク1500N・mという、とてつもないパフォーマンスの一端に触れた。
-
プジョー308 GTハイブリッド(FF/6AT)【試乗記】 2026.7.14 マイナーチェンジで内外装がブラッシュアップされた「プジョー308 GTハイブリッド」に試乗。大胆なデザインのフロントフェイスに目を奪われるが、ステランティス自慢の1.2リッター直3マイルドハイブリッドを搭載する最新モデルの仕上がりと走りやいかに。
-
日産キックスG(FF)/キックスX e-4ORCE(4WD)【試乗記】 2026.7.13 日産のコンパクトSUV「キックス」が、いよいよフルモデルチェンジ! デザインもパワートレインもプラットフォームも刷新された新型は、見ても乗っても長足の進化が感じられる力作となっていた。日産の再生を担う重要モデルの仕上がりを報告する。
-
NEW
ポルシェ911カレラT(後編)
2026.7.19ミスター・スバル 辰己英治の目利きスバルとSTIでクルマの走りを鍛え、モータースポーツにも積極的に取り組んできた辰己英治さん。彼の目に、“スポーツカーの水準器”こと「ポルシェ911」はどのように映ったのだろう? 走りの楽しさを追求した「カレラT」グレードに乗っての印象を聞いた。 -
ホンダCB750ホーネット(6MT)【レビュー】
2026.7.18試乗記ホンダのスポーツネイキッド「CB750ホーネット」が、話題の「E-Clutch」を獲得。ライディングの幅を広げる自動クラッチシステムは、パンチの利いた2気筒のストリートファイターにどんな走りをもたらすのか? その仕上がりを確かめた。 -
人気沸騰「ランクル“FJ”」を手にするもうひとつの方法
2026.7.17サブスク「KINTO」で「ランドクルーザー“FJ”」に乗る<AD>2026年5月に発売されるやオーダーが集中し、受注停止となってしまった「ランドクルーザー“FJ”」。しかし、あきらめるのはまだ早い。“FJ”とのカーライフを実現できる、トヨタの新車サブスクリプションサービス「KINTO」という手段があるのだ。 -
新型「アルピーヌA110」はどんなクルマに? グッドウッドを駆けたテストカーから読み解く
2026.7.17デイリーコラムアルピーヌが次期型「A110」を示唆する「A110フューチャー」を初公開。グッドウッドで走る姿を披露した。そこから分かる未来のA110の姿とは? 電動化がアナウンスされているが、エンジン車の設定はあるのか? 公式発表とテストカーの姿から深掘りする。 -
ベントレー・ベンテイガ スピード(4WD/8AT)【試乗記】
2026.7.17試乗記「ベントレー・ベンテイガ」に最上級グレードの「スピード」が登場。ブランドの在り方をストレートに伝える名称のトップパフォーマンスモデルだが、従来型との最大の違いはその心臓部にV8エンジンが積まれていることだ。およそ不満のあろうはずもないが、最新モデルの仕上がりをリポートする。 -
写真で解説する新型「日産エルグランド」
2026.7.16画像・写真新型「日産エルグランド」は、日本伝統の美をデザインに生かしながら、同社独自の最新技術を組み合わせて“走りのよさ”も徹底追求したという意欲作。その見どころを写真とともに解説する。


































