第242回:身近に水とボートのある暮らし
ヤマハマリンクラブ「シースタイル」メディア体験会リポート
2014.06.17
エディターから一言
ヤマハが展開する会員制ボートレンタルシステム「Sea-Style(シースタイル)」のメディア向け体験会に参加して、水資源に恵まれた日本におけるボートライフについて考えた。
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日常にボートがある暮らし
今年の3月にヤンゴンを訪れたついでに、ミャンマーで一番人気の観光スポット「インレー湖」まで足を伸ばした。ヤンゴンから飛行機で1時間ちょっとでヘイホー空港へ。そこからクルマでさらに1時間でインレー湖に到着。宿を取ったフーピンカウンダインリゾートは湖畔に面したすてきなホテルで、筆者の部屋は水上コテージだった。そして、ホテルにはボートハウスがあり、宿泊客を乗せたボートが次々に出航していくのが部屋から見えた。
そうなのである。インレー湖観光はボートがないと始まらない。表面積43.5平方キロメートル、平均標高884メートルの高地に位置するこの淡水湖は、最深部の水位でも3.1メートルほどしかない。(※雨期は増水するため減水期と増水期で表面積や水深は大きく異なる)そのため、湖の中にはたくさんの集落が点在し、人々は水上コテージを建てて生活している。レストランや寺院、ハスの茎の繊維を紡いだ糸で織った布製品や銀の加工品など名産のお土産物を販売しているショップなどもすべて湖の上にある。だからボートなしでは観光ができないのである。
ボートのチャーター料は1日あたり2万5000チャット。日本円にして約2500円だ。月収1万円以下の収入の人がほとんどのミャンマーにあっては高額であるが、日本人にとっては「えっ、それだけで一日乗り放題?」と驚く金額。もちろんちゃんと船頭兼ガイド(英語はあまりうまくないが、当方もいい加減な英語のため、妙に意思疎通ができた)がついての値段である。
ボートは20フィートくらいの細長いもので、4人程度の席が用意されていた。青空の下、風を切って湖上を疾走するのは実に爽快である。なるほど、これが人気観光地ナンバーワンの秘密だったのだ。ミャンマーには巨大な黄金の寺院「シュエダゴン・パゴダ」や落ちそうで落ちない奇跡の黄金の岩「ゴールデン・ロック」など、金閣寺もびっくりの荘厳(そうごん)できらびやかな観光スポットがあるが、これらを差し置いて、写真では貧相に見える田舎の湖がなぜ人気ナンバーワンなのかずっと疑問だった。しかし、実際にこの地を訪れて初めて分かった。すべては水とボートによって創り出された魅力だったのだ。
日本人のライフスタイルにボートを!
ボートがないと始まらないのは、なにも観光客だけの話ではない。当然ながらこの地で暮らすミャンマーの人々(多くはシャン族と呼ばれる少数民族)にとってもボートは生活の必需品である。ほとんどの人が漁業で生計を立てているからボートは商売道具であり、湖の中のあちこちにある畑での農作業や物資の運搬にもボートは必須。こどもたちが学校や友だちの家に行く交通手段もまたボートである。実際に湖を巡っていると、さまざまな人たちのボートとすれ違う。そして、多くの笑顔に出会うことができる。水のある生活は実に豊かで、幸福に満ちあふれている。
一方で、わが国の生活ではどうだろうか? 四方を海に囲まれ、湖や河川など世界有数の水資源に恵まれた日本に暮らしていながら、残念なくらい、われわれ日本人の生活は乾ききっていないだろうか? 日本人のライフスタイルにボートを! もっと暮らしに潤いを! インレー湖から帰国して、筆者は声を大にして叫びたくなった。
さて、そこでヤマハマリンクラブ「シースタイル」である。
これはヤマハが「ボート遊びの新スタイル」として、2006年にスタートした新しい会員制ボートレンタルシステムだ。『webCG』読者の皆さんにはレンタカーのボート版と言ったほうが分かりやすいだろう。
このシステムのコンセプトは「選べる遊び、選べるスポット、選べるボート」。釣りやダイビング、海水浴、お花見、観光など、やりたい遊びから選ぶこともできるし、遊びたい場所(北海道から沖縄、ハワイまで、約140カ所のマリーナ)からも選択が可能。さらに、借りるボートも中型のクルージングボートから水上バイクまで、目的に合わせてセレクト可能なのだ。つまり、「旅先でちょっとボート遊びでも」と思ったら、手ぶらで現地へ行って、レンタカー感覚でボートを借りて楽しむことができる。(※当然ながら船舶免許は必要です)
さらに、貸し出してくれるボートはすべてヤマハの新艇ばかり。2~3年ごとに新しいボートに交換しているので、いつでも新しいボートでマリンプレイが楽しめる。だから、新艇の購入を検討している場合、このシステムを利用して思う存分に試乗することだってできる。このへんはクルマと同じである。
しかも、いつもベストコンディション。メンテナンスは万全で、いつでも安全・快適にクラブ艇を利用できる。すべてのボートは艇体保険・賠償責任保険・搭乗者傷害保険・捜索救助費用保険に加入しているので、万一のときも安心だ。
そもそも日本でボートを所有する場合、初期の購入費用もさることながら、ボートの係留費やメンテナンス費用、さらには毎回必要な洗浄の手間(外注すれば当然お金がかかる)などが大きなネックになっているといわれる。しかしシースタイルだとそんなネックはすべて消滅。なんて素晴らしいシステムなんだろうか!
シースタイルの入会金は2万1600円、月会費は3240円である。たったこれだけの負担で、北海道から沖縄、さらにはハワイまで、海外含めて約140カ所にさまざまな種類のボートを係留していると考えれば、すごくおトクである。……と筆者は思う。あとはボートに応じた利用料金(4100円~/3時間)と使っただけの燃料代など消耗費を支払うだけでOKなのである。
仲間を誘って、海へ、川へ、湖へ
今回の体験イベントでわれわれが乗船したのは「ヤマハFR-23アクティブセダン」。23フィートと小型ながら釣りやクルージングなど多目的に利用できるボートである。筆者がこれまで乗った経験のある35フィート以上のプレジャーボートに比べると、小さい分、東京湾の細かい無数の引き波をいちいち拾ってぴょんぴょん跳ねる。しかし、これはこれで愉快だ。それは「レクサスLS」のオーナーが「ダイハツ・コペン」に乗り換えたような感覚と言えばお分かりいただけるだろうか……。まあ、別の意味で楽しいのである。酔い止め薬を飲んでなければ、ちょっと酔いそうだったけど(笑)。
パワーユニットは船外機で、ヤマハの「F150AETX」。2.7リッターの4気筒で最高出力は150ps/5500rpm……、いかんいかん、つい職業病でスペックにこだわるのは今回に限っては悪い癖である。ご興味のある方はぜひヤマハのホームページをご覧いただきたい。
東京タワー、レインボーブリッジ、お台場……、普段見慣れた東京の街であるが海上から眺めると別の側面が見えて、実に新鮮だ。海風も実に心地いい。なんでも、21フィート級の小型艇を借りれば、東京の川や運河をさかのぼって、街中まで侵入できるという。花見シーズンなどに目黒川や隅田川をさかのぼれば、これは最高の遊びとなるだろう。また、東京湾にはポンツーン(舟橋)を有するレストランも少なからずある。彼女や友人を誘って海上から訪店するのもカッコいい。
そんな画期的な会員制ボートレンタルシステムのシースタイルであるが、一つだけ最後に苦言というか、切なる願いをお聞きいただきたい。それは同システムで借りられるボートに35フィート以上のプレジャーボートがラインナップされていないことである。おそらく「遊び」に特化しているからだろうが、レンタカーで「クラウン」など高級車のニーズがあるのと同じように、ボートにだって高級な大型艇のニーズは間違いなく存在する。ハレの日のお祝い、お客さまの接待、船上パーティーと、そのニーズは容易に想像できるはずだ。そして、初期の購入費用が高く、さらに係留費等の費用も艇が大きい分、高くなっていく大型艇こそより強いニーズがあるのではないだろうか。
そこでヤマハさん、ご提案というかお願いです。ぜひ、「イグザルト36スポーツサルーン」をシースタイルのラインナップに追加いただけないでしょうか?
(文=宮崎秀敏/写真=宮崎秀敏、ヤマハ発動機、webCG)

宮崎 秀敏
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