ジャガーXE 2.5ポートフォリオ(FR/8AT)
コーナーにときめく 2015.08.14 試乗記 ジャガーの新型スポーツセダン「XE」がいよいよ日本に導入された。Dセグメント市場での捲土(けんど)重来をかけて開発されたニューモデルの実力を、2リッターガソリンエンジンの上級グレードで試す。ブランド復活を確信させる出来栄え
名門ジャガーの新型コンパクトサルーン、それも後輪駆動で、アルミモノコック! ということで大いなる期待を抱き、御殿場で開かれた試乗会にいそいそと赴いた。
ジャガー・ランドローバー独自のディーゼル&ガソリンの双子「インジニウム・エンジン」もXEの話題のひとつだけれど、日本仕様は、まずフォードゆかりのガソリンエンジンのみが上陸した。200psと240psの2リッターターボと、340psの3リッタースーパーチャージャーの2本立て、というか3本立てで、200ps版には装備の違いで2グレード設けられている。つまり、ガソリンのみで4種類のグレード設定がある。ギアボックスはいずれもZF製の8ATがおごられている。
このうち、私が試乗したのは「2.5ポートフォリオ」と呼ばれる2リッター直4ターボエンジンの最強、最豪華モデルで、レザーシートが付いてくる。最高出力は240ps/5500rpm、最大トルク34.7kgm/1750rpmである。車重はガラスサンルーフ付きのためもあって、意外と重い1660kgである。
雨の中、長尾峠を走った。舞台は小さなRが連続する。ウ~ム。これはものすごくいい! コーナリングそのこと自体にトキメキを感じる。横Gで体が斜めになりながら、細胞のひとつひとつがプチプチとよみがえっていく。エイペックスを過ぎ、ステアリングを戻しながら加速する。瞬間瞬間が、なんともヴィヴィッドで、楽しいなぁ~と感じる。
そういう感覚はどこからくるのだろう?
実際の車重とは関係なく、いや関係はあるだろうけれど、感覚的にともかく軽やかなのだ。前後重量配分はほとんど完璧に50:50。といってBMW的ではまったくない。
やや深めだけれど完璧に制御されたロールの仕方とか、Gの出方とか、パワートレインの反応とか、そういうものが人間の感覚を研ぎすますようなあり方で仕立てられている。使い古された表現を用いれば、乗り心地とハンドリングのバランスに、新境地を開いた。アルミモノコックボディーはたいへんしっかりしており、225/45ZR18のタイヤが全然気にならない。硬めではあるけれど、硬さが気にならんのである。『赤ひげ』とか『椿三十郎』に出ていた頃の加山雄三を思わせる。まだ見てない方はぜひご覧ください。ジャギュアの若大将。やっぱりボカァ、意味不明だなぁ。
結論→ジャギュア再興に寄与する1台となる、い~いクルマだ。
価格は642万円。ライバルの「BMW 328iラグジュアリー/スポーツ」は621万円、「メルセデス・ベンツC250スポーツ」が657万円。比較テストを読みたいです。
(文=今尾直樹/写真=小河原認)
【スペック】
全長×全幅×全高=4680×1850×1415mm/ホイールベース=2835mm/車重=1640kg(電動ガラスサンルーフ装着車は1660kg)/駆動方式=FR/エンジン=2リッター直4 DOHC 16バルブ ターボ(240ps/5500rpm、34.7kgm/1750rpm)/トランスミッション=8AT/燃費=12.5km/リッター(JC08モード)/価格=642万円
拡大 |
拡大 |
拡大 |
拡大 |
拡大 |

今尾 直樹
1960年岐阜県生まれ。1983年秋、就職活動中にCG誌で、「新雑誌創刊につき編集部員募集」を知り、郵送では間に合わなかったため、締め切り日に水道橋にあった二玄社まで履歴書を持参する。筆記試験の会場は忘れたけれど、監督官のひとりが下野康史さんで、もうひとりの見知らぬひとが鈴木正文さんだった。合格通知が届いたのは11月23日勤労感謝の日。あれからはや幾年。少年老い易く学成り難し。つづく。
-
レクサスES350h(FF/CVT)/ES350e(FWD)/ES500e(4WD)【海外試乗記】 2026.6.3 「レクサスES」がフルモデルチェンジ。シャシーがFFベースというのは歴代モデルと同じだが、新型ではボディーサイズがググッと拡大。「LS」の6輪ミニバンコンセプトが登場したこともあり、今後のレクサスセダンの総代を担うことになる。北米で乗った印象をリポートする。
-
BSAゴールドスター650(5MT)【レビュー】 2026.6.2 かつて一世を風靡(ふうび)した英国の名門、BSAが復活! 新生第1号モデルである「ゴールドスター650」は、クラシックで優雅なお散歩バイク……と思いきや、ツインカムの大排気量シングルで、ライディングも前のめりに楽しめるマシンに仕上がっていた。
-
ホンダCR-V e:HEV RSブラックエディション(4WD)【試乗記】 2026.6.1 「ホンダCR-V」がフルモデルチェンジ。新型は適切なボディーサイズと高品質な内外装を持ち、乗れば最新のホンダ車らしい気持ちよさが味わえる。ただし、その月販目標は400台。ちょっと弱気ではあるものの、周辺事情にも考えを巡らせると極めて妥当な数字にも思えてくる。
-
トヨタRAV4 GRスポーツ(4WD/CVT)【試乗記】 2026.5.30 新型「トヨタRAV4」のプラグインハイブリッド車ではEV走行換算距離が約150kmにまで到達。もちろん電池容量の拡大によるところも大きいが、何よりも最新のハイブリッドシステムによる効率向上が効いている。「GRスポーツ」をドライブした印象をリポートする。
-
キャデラック・リリックV(4WD)【試乗記】 2026.5.29 キャデラック初の電気自動車(BEV)「リリック」に、最高出力646PSのハイパフォーマンスモデル「リリックV」が登場。“ブランド史上最速”をうたう豪速SUVだが、実際に乗ってみると、高い動力性能がもたらすゆとりや心地よさにも魅力を感じる一台となっていた。
-
NEW
ホンダ・インサイト(FWD)【試乗記】
2026.6.5試乗記「ホンダ・インサイト」が電気自動車(BEV)として復活! ……というよりは中国工場製BEVにその名が与えられて日本にやってきた。さまざまな事情により、国内で販売されるのはわずか3000台のみ。日本人は“限定”に弱いとされるが、果たしてこの場合はどうか。 -
NEW
KTM 990 RC R(6MT)
2026.6.5JAIA輸入二輪車試乗会2026今年も開催された「JAIA輸入二輪車試乗会」より、魅惑のバイクを一挙紹介! 先陣を切るのは、この4月に発売されたばかりの「KTM 990 RC R」だ。オーストリアの雄が放つ最新鋭のスーパースポーツは、意外や“速さ”以外にも見どころの多い一台だった。 -
NEW
空冷の「スポーツスター」が復活!? ハーレーダビッドソンの定番商品はどんなバイクとなるのか
2026.6.5デイリーコラムハーレーダビッドソンが、一度は廃止した空冷の「スポーツスター」の復活を発表! 伝統の一台はなぜ絶版の憂き目にあい、そしてよみがえることとなったのか? ファンに愛される定番車種を刷新する難しさと、新型に課せられた使命、そして課題を考察した。 -
第290回:商用バンで砂漠を行く親子が向かうのは天国か地獄か 『シラート』
2026.6.4読んでますカー、観てますカー失踪した娘を探して親子はモロッコの砂漠へ。砂漠で開催されていたレイブパーティーが最高潮に達した頃、軍隊がやってきて中止させられる。親子が乗るFFの商用バンは次のパーティー会場にたどり着けるのか……。 -
ホンダCR-V e:HEV RSブラックエディション(前編)
2026.6.4あの多田哲哉の自動車放談ひさびさに日本市場に戻ってきた、ホンダを代表するSUV「CR-V」。最新世代の仕上がりを、トヨタの車両開発者だった多田哲哉さんはどう評価する? まずは、ワインディングロードを走らせた第一印象から。 -
第964回:フィアットグッズのコレクターから学ぶ人生訓
2026.6.4マッキナ あらモーダ!イタリア在住の大矢アキオが、トリノで著名なフィアットグッズのコレクターを取材。若き日の苦労を経て大成した人物が語る、人生で大切なものとは? フィアットやイタリアの歴史を物語る、貴重なコレクションの数々とともに紹介する。





























