アウディQ2 1.0 TFSIスポーツ(FF/7AT)
ポジティブ・リサイズのススメ 2017.06.26 試乗記 「アウディQ2」に1リッターターボ仕様が登場。手ごろな価格とクラストップレベルの燃費がウリのエントリーモデルの出来栄えは? 17インチタイヤを装着し、運転支援機能や安全装備を充実させた「1.0 TFSIスポーツ」に試乗した。 拡大 |
拡大 |
拡大 |
拡大 |
拡大 |
拡大 |
ダウンサイザーに賢い選択肢
アウディで最もコンパクトなSUVが、2017年6月に日本でのデリバリーが始まったアウディQ2。『webCG』ではすでに1.4リッター直列4気筒エンジン搭載の「アウディQ2ファーストエディション」の試乗記をお届けしているが、アウディ ジャパン広報部が「少なくとも半分以上、おそらくQ2全体の6~7割を占める」と予想するのが1リッター直列3気筒エンジンを積む仕様だ。
今回は、このエンジンを搭載する「アウディQ2 1.0 TFSIスポーツ」を紹介したい。
ここでアウディQ2のラインナップをおさらいすると、「アウディQ2 1.0 TFSI」「アウディQ2 1.0 TFSIスポーツ」「アウディQ2 1.4 TFSIシリンダーオンデマンド スポーツ(含むファーストエディション)」の3本立てとなる。
299万円の「1.0 TFSI」と364万円の「1.0 TFSIスポーツ」の違いは装備。例えば前者ではオプションとなるLEDヘッドライトが後者では標準装備となる。
また、後者ではトラフィックジャムアシスト(低速域での運転支援機能)を含むセーフティパッケージがオプションで用意されるが、前者ではオプションでも設定はない。
アウディQ2 1.0 TFSIスポーツでまず気になるのは、直列3気筒エンジンのフィーリング。意地悪な目で観察すると、停止状態からタイヤが3転がり、4転がりするまでは3気筒っぽいバラついた回転フィールを感じる。けれどもいったんスピードに乗れば、「ふぞろいの」と表現したくなる感覚は雲散霧消。
しかも5分も乗ると慣れてしまうのか、走りだしのバラつき感も気にならなくなった。
決してモーターのようにシューンと回るエンジンではなく、いかにも内燃機関が動いているという鼓動がアクセルペダルを通じて伝わってくるけれど、不快ではない。むしろ活発で若々しいという印象を受けるのは、筆者が古い世代だからかもしれない。
予想外だったのは乗り心地のよさ。コンパクトで車高の高いSUVということで、もっと足まわりを固めて安定させるセッティングかと予想していたけれど、さにあらず。4本の足がしなやかに動いて、路面からのショックを緩和している。一方で、コーナーではきびきびとした操縦性も発揮するから、乗り心地とハンドリングのバランスがとれていると言っていいだろう。
都心部を走って感じるのは、取り回しのよさ。ちょっとした路地に入っても、コインパーキングを探す時にも大きさが気にならない。全高1530mmは、比較的新しめの立体駐車場なら問題なく収まる範囲だし、都市で使うにはジャストサイズだ。
遠出にも買い物にもクルマが活躍する、若い世代のファミリーカーというのが収まりのいいポジションだ。けれども、快適な乗り心地、運転支援機能が選べること、取り回しのよさなどは、“小さな高級車”としての可能性も感じさせる。
だから、「もう大きなクルマは要らない」という、ダウンサイジング志向の方の有力な選択肢になるはずだ。年配の方がこんなパキッとしたデザインのクルマから降りてきたら、めっちゃカッコいい。
(文=サトータケシ/写真=小林俊樹/編集=大久保史子)
拡大 |
【スペック】
全長×全幅×全高=4200×1795×1530mm/ホイールベース=2595mm/車重=1310kg/駆動方式=FF/エンジン=1リッター直3 DOHC 12バルブ ターボ(116ps/5000-5500、200Nm/2000-3500rpm)/トランスミッション=7AT/燃費=19.8km/リッター/価格=364万円

サトータケシ
ライター/エディター。2022年12月時点での愛車は2010年型の「シトロエンC6」。最近、ちょいちょいお金がかかるようになったのが悩みのタネ。いまほしいクルマは「スズキ・ジムニー」と「ルノー・トゥインゴS」。でも2台持ちする甲斐性はなし。残念……。
-
BSAゴールドスター650(5MT)【レビュー】 2026.6.2 かつて一世を風靡(ふうび)した英国の名門、BSAが復活! 新生第1号モデルである「ゴールドスター650」は、クラシックで優雅なお散歩バイク……と思いきや、ツインカムの大排気量シングルで、ライディングも前のめりに楽しめるマシンに仕上がっていた。
-
ホンダCR-V e:HEV RSブラックエディション(4WD)【試乗記】 2026.6.1 「ホンダCR-V」がフルモデルチェンジ。新型は適切なボディーサイズと高品質な内外装を持ち、乗れば最新のホンダ車らしい気持ちよさが味わえる。ただし、その月販目標は400台。ちょっと弱気ではあるものの、周辺事情にも考えを巡らせると極めて妥当な数字にも思えてくる。
-
トヨタRAV4 GRスポーツ(4WD/CVT)【試乗記】 2026.5.30 新型「トヨタRAV4」のプラグインハイブリッド車ではEV走行換算距離が約150kmにまで到達。もちろん電池容量の拡大によるところも大きいが、何よりも最新のハイブリッドシステムによる効率向上が効いている。「GRスポーツ」をドライブした印象をリポートする。
-
キャデラック・リリックV(4WD)【試乗記】 2026.5.29 キャデラック初の電気自動車(BEV)「リリック」に、最高出力646PSのハイパフォーマンスモデル「リリックV」が登場。“ブランド史上最速”をうたう豪速SUVだが、実際に乗ってみると、高い動力性能がもたらすゆとりや心地よさにも魅力を感じる一台となっていた。
-
DS N°8エトワールAWD(4WD)【試乗記】 2026.5.28 前衛を身上とするフランスのラグジュアリーブランド、DSオートモビルから、新たなハイエンドモデル「DS N°8(ナンバーエイト)」が登場。当代屈指の性能を誇る電気自動車であり、かの地では大統領専用車にも選ばれる一台の、独創の魅力に触れた。
-
NEW
第290回:商用バンで砂漠を行く親子が向かうのは天国か地獄か 『シラート』
2026.6.4読んでますカー、観てますカー失踪した娘を探して親子はモロッコの砂漠へ。砂漠で開催されていたレイブパーティーが最高潮に達した頃、軍隊がやってきて中止させられる。親子が乗るFFの商用バンは次のパーティー会場にたどり着けるのか……。 -
NEW
ホンダCR-V e:HEV RSブラックエディション(前編)
2026.6.4あの多田哲哉の自動車放談ひさびさに日本市場に戻ってきた、ホンダを代表するSUV「CR-V」。最新世代の仕上がりを、トヨタの車両開発者だった多田哲哉さんはどう評価する? まずは、ワインディングロードを走らせた第一印象から。 -
NEW
第964回:フィアットグッズのコレクターから学ぶ人生訓
2026.6.4マッキナ あらモーダ!イタリア在住の大矢アキオが、トリノで著名なフィアットグッズのコレクターを取材。若き日の苦労を経て大成した人物が語る、人生で大切なものとは? フィアットやイタリアの歴史を物語る、貴重なコレクションの数々とともに紹介する。 -
NEW
気づけばすでに4モデル スバルのBEV戦略と水平対向エンジンの未来を考える
2026.6.4デイリーコラム「ソルテラ」に続き、「トレイルシーカー」「アンチャーテッド」「ゲッタウェイ」と、いつの間にか4モデルが顔をそろえたスバルのBEV。伝統的な水平対向エンジンやシンメトリカルAWDはこの先どうなるのか? スバルの未来戦略を探る。 -
レクサスES350h(FF/CVT)/ES350e(FWD)/ES500e(4WD)【海外試乗記】
2026.6.3試乗記「レクサスES」がフルモデルチェンジ。シャシーがFFベースというのは歴代モデルと同じだが、新型ではボディーサイズがググッと拡大。「LS」の6輪ミニバンコンセプトが登場したこともあり、今後のレクサスセダンの総代を担うことになる。北米で乗った印象をリポートする。 -
ミドシップ化で運動性能はどう変わる? 「GRヤリスMコンセプト」の現時点での完成度を体感
2026.6.3デイリーコラム「GRヤリス」をベースとしたミドシップ4WDとして市販化を目指す「GRヤリスMコンセプト」。現在もスーパー耐久に投入されるなどして鍛えられているが、その開発車両をドライブできた。普通のGRヤリスとの運動性能の違いや、新開発エンジンの印象などをリポートする。




































