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ホンダが「ヴェゼル」と「WR-V」で大攻勢! 国産コンパクトSUVの買い得モデルはどれだ【2024年夏】

2024.08.14 デイリーコラム 工藤 貴宏
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お買い得度のみで勝負

「なんか、やたらとコンパクトSUVが多くない?」と街を走るクルマを見て感じている読者諸兄も多いことだろう。昨今の乗用車の新車販売はボディータイプ別でいうとSUVが一番多く、なかでもボリュームが多いゾーンがコンパクトカー。コンパクトクロスオーバーSUVは、いまやトレンドを超えて乗用車の「定番」になりそうな気配すらある。

しかもコンパクトクロスオーバーSUVの市場は、ホンダが「WR-V」の導入に続いて「ヴェゼル」をマイナーチェンジ。さらに「スズキ・フロンクス」のデビューも控えており(正式発売は秋ごろの予定とか)、ますます盛り上がる気配。そこで「2024年夏に最も買い得なコンパクトSUV」を決めようというのが今回のコラムの主題である。

先に断っておくけれど、webCG読者がクルマ選びにおいて最もこだわるであろう「走り」に関しては、今回はスルー。先進装備やその性能に関してもだ。あくまで「バリュー度」だけで優劣を決めていく。だから「選ばれたクルマは先進装備の充実度がイマイチだけど……」というクレームはご容赦いただきたい。

2024年4月26日に発売された改良型「ホンダ・ヴェゼル」。ハイブリッドの「e:HEV」と純ガソリンエンジンの4WDのみのラインナップとなったため、買い得感のみで勝負する今回は少し不利か……。
2024年4月26日に発売された改良型「ホンダ・ヴェゼル」。ハイブリッドの「e:HEV」と純ガソリンエンジンの4WDのみのラインナップとなったため、買い得感のみで勝負する今回は少し不利か……。拡大
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選択肢は盛りだくさん

というわけで、まずはエントリーリストの確認から。

コンパクトSUVを“A&Bセグメントで全長4.3m台まで”と定義すると、トヨタが用意するのは「ライズ」(171万7000円~233万8000円)と「ヤリス クロス」(190万7000円~315万6000円)の2台。日産は「キックス」(308万3300円~370万0400円)。ホンダはヴェゼル(264万8800円~377万6300円)とWR-V(209万8800円~248万9300円)。そしてマツダは「CX-3」(227万9200円~343万4200円)あたりが対象となってくる。

「スズキ・ジムニーシエラ」はクロスオーバーという枠に収まらない本格派なので今回は除外。いっぽうダイハツの「ロッキー」(167万7000円~235万7000円)も入るが、実質的にトヨタ・ライズと同じクルマなのでこの記事では「ロッキー=ライズ」として読んでほしい。それにしても売れているジャンルだけあって激戦区……いや百花繚乱(りょうらん)だなあ。

前提として、「お買い得」という記事テーマ上、ガソリン車に比べて数十万円高くなるハイブリッドはスルーさせてもらおう(もしもこの記事が大好評だったら「お買い得なハイブリッドのコンパクトSUVを探せ!」という企画をやりますよね、編集長?)。つまりハイブリッドしかないキックスはスルー(スタート価格が高めだし……)。残念だけど仕方ない。

「トヨタ・ヤリス クロス」は1.5リッターのガソリンエンジンモデルが190万7000円から手に入る。2024年1月の改良でグリルの形状が新しくなった。
「トヨタ・ヤリス クロス」は1.5リッターのガソリンエンジンモデルが190万7000円から手に入る。2024年1月の改良でグリルの形状が新しくなった。拡大
「日産キックス」はシリーズハイブリッド「e-POWER」専用車のため、どうしても割高にならざるを得ない。「お買い得」がテーマの今回は対象外としたい。
「日産キックス」はシリーズハイブリッド「e-POWER」専用車のため、どうしても割高にならざるを得ない。「お買い得」がテーマの今回は対象外としたい。拡大

決勝進出は3モデル

ページ数に制約があるので予選はパスしていきなり決勝リーグへ進むと、コストパフォーマンスのトップ3はどう考えてもライズとヤリス クロス、そしてWR-V。その3台の戦いとなる。

あらためて価格をチェックするとヤリス クロスが意外と安いことに驚くけれど、ベーシックグレードとなる「X」はいわゆるレンタカー用の廉価グレードで、エアコンがマニュアル式となるなど装備も貧弱。せっかくならオートエアコン付きでアルミホイールを履き、通信ナビ付きのディスプレイオーディオまで標準採用(=実質的にナビが標準装備)の「G」が欲しくなる。ガソリンのFF車で215万円だ。

ところで居住性は今回の判断基準に含まれないけれど、正直なところヤリス クロスの後席はあまり広くない。もし、そこを気にするのであれば広い後席と荷室を誇るホンダのWR-Vはいい選択肢。お値段も209万8800円からで、ベーシックグレードの「X」でもオートエアコンが標準装備だ。

ただし、アルミホイールが標準装備ではないほか、オーディオやナビも非採用。できるだけ出費を抑えるなら販売店オプションの8インチディスプレイオーディオ(10万円弱)を装着することになるが、ヤリス クロスのGに対して「10万円くらい高いかな?」という印象になる。正直なところヤリス クロスはもっと高いと思っていたから意外だ。やるなトヨタ。

2024年3月発売の「ホンダWR-V」。インドから船で運んでくるにもかかわらず209万8800円から手に入る。
2024年3月発売の「ホンダWR-V」。インドから船で運んでくるにもかかわらず209万8800円から手に入る。拡大
「WR-V」で最も安価な「X」グレードのインテリア。オートエアコンは標準装備だが、カーナビやディスプレイオーディオが標準装備ではないため、オプションなどで追加することになる。
「WR-V」で最も安価な「X」グレードのインテリア。オートエアコンは標準装備だが、カーナビやディスプレイオーディオが標準装備ではないため、オプションなどで追加することになる。拡大

売れるには理由がある!

ではコスパに定評のあるライズはどうか?

ベーシックグレード「X」はエアコンがマニュアル式でアルミホイールも履いていないのが気になるので、選ぶなら15万円アップの中間グレード「G」がオススメ。オートエアコンもアルミホイールも装備するにもかかわらず、186万7000円とイメージどおりの激安だ。オーディオは非装着だが、メーカーオプションのバックカメラ付き9インチディスプレイオーディオ(9万7900円)を選んでおけばオーケー(ちょっと画面解像度が粗いけど)。

ただ、オススメは後方だけでなく車両周囲360度が映る「パノラミックビューパッケージ」。だって価格アップはバックカメラ仕様に対してたったの1万6500円なのだから(これは激安!)。それを加えても200万円以下に収まるコスパは見事としか言いようがない。

というわけで、「2024年夏に最も買い得なコンパクトSUV」はトヨタ・ライズ(&ダイハツ・ロッキー)で決まり! トヨタ(というかダイハツ)、スゴイ!

そんなライズはかつて月間販売台数ランキングでトップに立つほど売れまくったけれど、こうやってコスパ比べをしてみればそれも分からなくはない。だって安いんだから。なんだかんだ言っても、安さは正義だ。ヤリス クロスで価格破壊しているトヨタもすごいけど、ダイハツの底力はやっぱり偉大だ。

「トヨタ・ライズ」の中間グレード「G」は186万7000円。この価格でもアルミホイールが標準装備だ。
「トヨタ・ライズ」の中間グレード「G」は186万7000円。この価格でもアルミホイールが標準装備だ。拡大
「ライズG」はオートエアコンを標準装備。9インチのディスプレイオーディオに360度カメラを付けても200万円以下に収まる。
「ライズG」はオートエアコンを標準装備。9インチのディスプレイオーディオに360度カメラを付けても200万円以下に収まる。拡大

スズキ・フロンクスが秘めた可能性

ところで、これからこのクラスで台風の目になりそうなのがスズキの刺客、フロンクスだ。ちまたではFFモデルの販売価格(現時点では未公表)が「250万円程度」なんていわれていて、単純に考えるとマイルドハイブリッドでその価格はちょっと高い。けれど、うわさによると「スイフト」だとオプション価格25万円の9インチナビ+全方位モニターが標準装備なのだとか(本当か?)。

その情報が正しければ、実質的な車両本体価格は最上級仕様(モノグレードといううわさもある)で実質230万円程度ってことになる。「質感」に関しては今回の評価対象ではないからここで話をするのは反則だけど、今回のトップ3のモデルと比べてインテリアの質感が高く、そういう意味でもユーザー満足度は高まるだろう。

というわけでチャンピオンはライズとロッキー。WR-Vとヤリス クロスもなかなか。でも“上”を求めるならフロンクスもありかも。それが「最も買い得なコンパクトSUVを探せ、2024夏の陣」の結論だ。

(文=工藤貴宏/写真=本田技研工業、スズキ、トヨタ自動車、日産自動車、マツダ/編集=藤沢 勝)

2024年秋の発売が予定されている「スズキ・フロンクス」。価格等は明らかになっていないが、スズキ車なのであまり高額になる心配はないだろう。期待して待ちたい。
2024年秋の発売が予定されている「スズキ・フロンクス」。価格等は明らかになっていないが、スズキ車なのであまり高額になる心配はないだろう。期待して待ちたい。拡大
工藤 貴宏

工藤 貴宏

物心ついた頃からクルマ好きとなり、小学生の頃には自動車雑誌を読み始め、大学在学中に自動車雑誌編集部でアルバイトを開始。その後、バイト先の編集部に就職したのち編集プロダクションを経て、気が付けばフリーランスの自動車ライターに。別の言い方をすればプロのクルマ好きってとこでしょうか。現在の所有車両は「スズキ・ソリオ」「マツダCX-60」、そして「ホンダS660」。実用車からスポーツカーまで幅広く大好きです。

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