アバルト500eツーリスモ カブリオレ(後編)
2024.10.31 あの多田哲哉の自動車放談 アバルトの電気自動車(EV)「500e」を走らせた多田哲哉さんは、このコンパクトカーには日本メーカーがなかなか実現できない大きな強みがあるという。それはいったい、どのような点なのか?ブランド意識がものすごい
アバルト500eの試乗を終えた多田さんは、そのハンドリングの良さを高く評価しつつも、WLTCモードで300km前後という一充電走行距離に加えて、今回のようなワインディングロードで明らかに悪化する電費では、とても実用的なEVとはいえないとも評する。
「最新EVとしてはモーターのトルクや加速性能も目立つものではないですし、このボディーサイズでは搭載できるバッテリーも限られるでしょうから、価格と実用性のバランスをとるのも難しいと思います。ただ、これは、そんなことをゴチャゴチャ気にする人が買うクルマではありません」と多田さん。
「あれは『86』の開発をしていた2008年ごろでしょうか、アバルトに強いコネクションのある人が偶然トヨタ・チーム・ヨーロッパ(TTE)にいて、当時のアバルト本社を訪ねたことがあります」
ちなみに、フィアット(当時)が新会社として「アバルト & C」を設立して、アバルト復活を大々的に宣言したのが2007年のこと。以降、「500」を筆頭に「グランデプント」や「124スパイダー」などの本格スポーツモデルを、フィアットから独立してマーケティングするようになった。多田さんが訪れたのは、そんな新体制となった直後のアバルトと思われる。
「そこで何を話したのかはほとんど覚えていませんが、オフィスの光景だけは今も印象に残っています。そこは日常的に使う会議室のようでしたが、椅子にまで“サソリ”のマークが入っていて、部屋全体がきれいにコーディネートされていたんです」
「それは自動車会社というよりアパレルかなにかの会社のようでした。おそらく、特別なブランドとしての意識やモチベーションを、常日ごろから高めるためだと思います」
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