第95回:レクサスとセンチュリー(前編) ―モノマネじゃない、日本独自の高級車の成否―

2025.12.10 カーデザイン曼荼羅 渕野 健太郎清水 草一
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「ジャパンモビリティショー2025」で発表された、センチュリーのコンセプトモデル。
「ジャパンモビリティショー2025」で発表された、センチュリーのコンセプトモデル。拡大

「One of One」の標語を掲げ、いちブランドへと独立を果たしたセンチュリー。その存在は、世界のハイエンドブランドと伍(ご)して渡り合うものとなり得るのか? ジャパンモビリティショー(以下、JMS)のショーカーから、そのポテンシャルをカーデザインの識者と考えた。

トヨタ自動車のオウンドメディアである『トヨタイムズ』のティザー画像。当初はトヨタのエンブレムが中央に据えられていたが、豊田章男会長のひと声で、センチュリーのエンブレムがそこに据えられることとなった。
トヨタ自動車のオウンドメディアである『トヨタイムズ』のティザー画像。当初はトヨタのエンブレムが中央に据えられていたが、豊田章男会長のひと声で、センチュリーのエンブレムがそこに据えられることとなった。拡大
2025年10月15日に公開された、コンセプトモデルのティザー画像。この段階ですでに、webCGほったの脳内は「センチュリーがクーペ!?」「このドアどうなってんの!?」と大騒ぎだった。踊らされてる。踊らされてる(笑)。
2025年10月15日に公開された、コンセプトモデルのティザー画像。この段階ですでに、webCGほったの脳内は「センチュリーがクーペ!?」「このドアどうなってんの!?」と大騒ぎだった。踊らされてる。踊らされてる(笑)。拡大
「ジャパンモビリティショー2025」より、センチュリーのプレスブリーフィングに登場した、トヨタ自動車の豊田章男会長。
「ジャパンモビリティショー2025」より、センチュリーのプレスブリーフィングに登場した、トヨタ自動車の豊田章男会長。拡大
トヨタグループの展示エリアのなかでも、センチュリーのブースは窓付きの壁でほかとは仕切られていた。内部は黒一色で、床にはじゅうたんが敷かれ、とにかく世界観の演出が徹底されていたのだ。
トヨタグループの展示エリアのなかでも、センチュリーのブースは窓付きの壁でほかとは仕切られていた。内部は黒一色で、床にはじゅうたんが敷かれ、とにかく世界観の演出が徹底されていたのだ。拡大

入念な仕込みとジャパンモビリティショーの衝撃

webCGほった(以下、ほった):今回のお題は「レクサスとセンチュリー」です。センチュリーが独立ブランドに“格上げ”されて、JMSでショーカーが出て、いろいろ動きがありましたからね。

渕野健太郎(以下、渕野):センチュリーのクーペ、風格ありましたね。今回のショーの目玉、主役感がありました。車形的には2ドアクーペですけど、これはこのまま出る(=市販化される)のかどうか。

ほった:出るんじゃないですか?

清水草一(以下、清水):いや~、ここまで見せたらね!

ほった:やってもらわんと(笑)。

渕野:今回、JMSが始まる前に、豊田章男会長が「ブランドの順番が違う!」って、SNSで怒ってましたよね。