クルマ好きなら毎日みてる webCG 新車情報・新型情報・カーグラフィック
【スペック】全長×全幅×全高=3976×1682×1452mm/ホイールベース=2468mm/重量=1194kg/駆動方式=FF/1.4リッター直4DOHC16バルブターボ+スーパーチャージャー(180ps/6200rpm、25.5kgm/2000-4500rpm)

フォルクスワーゲン・ポロGTI(FF/7AT)【海外試乗記】

期待は決して裏切らない 2010.06.26 試乗記 島下 泰久 フォルクスワーゲン・ポロGTI(FF/7AT)

フォルクスワーゲンのホットハッチ「ポロGTI」が新型にスイッチ。母国ドイツでいち早く試乗した!
【webCG】クルマを高く手軽に売りたいですか? 車一括査定サービスのおすすめランキングを紹介!

前走車が道を譲る

聞けば「ポロGTI」の世界販売において、日本市場の占めるシェアは5指に入るほど大きいのだという。日常で扱いやすく狭いカントリーロードでも楽しめる、適度なボディサイズ、使い切る楽しみを満喫できるパフォーマンス、そして小さくても「GTI」の名に恥じないデザインやクオリティ等々が、この日本のユーザーのニーズにぴたりと合っているのだろう。
新型ポロGTIも、そんな期待を裏切ることは無い。それがドイツ・フランクフルトからニュルブルクリンク周辺で試乗した、偽りのない感想だ。

ベースとなったポロ自体もそうだが、新型ポロGTIの外観も存在感は兄貴分に決して負けてはいない。フロントマスクは、ハニカム形状のグリルに赤いピンストライプとGTIのおなじみのロゴが入れられ、バンパー下側の開口部も大型化されている。試乗車にはオプションのLEDデイタイムランニングライトが装着されて、表情をさらに目を引くものとしていた。なにしろアウトバーンの追い越し車線で、前走車が次々道を譲るのだ、この小さなポロのために!

他にも外装は専用のサイドシルパネル、リアスポイラー、下側をディフューザー形状としたリアバンパーに2本出しのエグゾーストパイプで、GTIらしくコーディネート。ホイールは17インチが標準となった。

インテリアも定番の仕上げだ。スポーツシートはチェック柄で、ステアリングホイールや新意匠となるDSGのセレクターレバー/ハンドブレーキのグリップやブーツには、赤いステッチが入れられている。

フォルクスワーゲン ポロ の中古車webCG中古車検索

ギアボックスは選べない

パワーユニットは従来の1.8リッターターボに代えて、1.4リッターのツインチャージャーTSIを搭載する。スペックは最高出力180ps/6200rpm、最大トルク25.5kgm/2000-4500rpmと、ゴルフなどに積まれているものに比べて高回転・高出力型に仕立て直されている。メカニズム的には違いはなく、これは主にECUの設定によるものだ。

注目はギアボックス。用意されているのはなんと7段DSGのみで、MTは選べない。ファンにしてみれば賛否はあるだろうが、間口を大きく広げることは間違いないだろう。いや、欧州NEDCモードで先代より3割以上も良い5.9リッター/100km(=16.9km/リッター)、CO2排出量にして139g/kmという少食ぶりを考えれば、文句の出る余地は無いと言えるかもしれない。

「1.2TSI」が最高出力105ps、最大トルク20.4kgmだから、出力はざっと7割増しにもなるだけに、走りっぷりは力強いのひと言。発進時のトルク感も申し分ないし、回転計の針を最大トルクを発生する2000rpm-4500rpmに留めておけば、右足の動きに即応するレスポンスを満喫できる。専用のギア比と、減速時や下りこう配で積極的なシフトダウンを行う変速ロジックが与えられた7段DSGをもってすれば、トルクバンドを外すことはない。パドルシフトも備わるが、ワインディングロードですらDレンジのままでもほとんど不満を感じることは無いはずだ。

残念なのはトップエンドであまり伸びないこと。先代「ゴルフGT TSI」に搭載された最初のツインチャージャーTSIは、7000rpmを超えてもなお、上を目指そうとする活気のあるエンジンだったのだが……。また、低音が強調され、ヌケの今ひとつ良くないサウンドも、改善を望みたいポイントである。


フォルクスワーゲン・ポロGTI(FF/7AT)【海外試乗記】の画像 拡大

フォルクスワーゲン・ポロGTI(FF/7AT)【海外試乗記】の画像 拡大
トランク容量は通常時で185リッター、最大で882リッター(VDA法)。
トランク容量は通常時で185リッター、最大で882リッター(VDA法)。 拡大

フットワークは安定志向

フットワークは基本的には安定志向の味付けだ。シャシーはスプリングとダンパーの変更による15mmのローダウンを行う他に、ブレーキ制御で旋回中の内輪の空転を抑えてアンダーステアを軽減するXDSを採用しているが、ゴルフGTIのそれに比べるとノーズをインに引き込む動きは控えめ。刺激的ではないが、コーナーの大小を問わず安定した姿勢を保ったまま駆け抜けることができる。

あえて言えば、160km/hあたりの速度で巡航している際にステアリングの据わり感が今ひとつと感じられたことや、ロール感のわりには硬めの乗り心地は、気にならないではない。しかし特に日本では、日常使っていて問題となるようなことは無いだろう。

サイズ、パフォーマンス、そしてGTIというブランド。新型ポロGTIは、あくまでポロGTIらしい立ち位置を見失うことなく、しかし確実な進化を遂げて、ファンの期待に十分応えるものに仕上がっている。日本にはこの秋、5ドアモデルのみが導入される予定だ。

(文=島下泰久/写真=フォルクスワーゲン・グループ・ジャパン)


フォルクスワーゲン・ポロGTI(FF/7AT)【海外試乗記】の画像 拡大

フォルクスワーゲン・ポロGTI(FF/7AT)【海外試乗記】の画像 拡大
日本には、5ドアモデル(写真)のみが導入される。
日本には、5ドアモデル(写真)のみが導入される。 拡大
島下 泰久

島下 泰久

モータージャーナリスト。乗って、書いて、最近ではしゃべる機会も激増中。『間違いだらけのクルマ選び』(草思社)、『クルマの未来で日本はどう戦うのか?』(星海社)など著書多数。YouTubeチャンネル『RIDE NOW』主宰。所有(する不動)車は「ホンダ・ビート」「スバル・サンバー」など。

試乗記の新着記事
  • アルファ・ロメオ・トナーレ イブリダ ヴェローチェ(FF/7AT)【試乗記】 2026.5.19 2026年3月に大幅改良モデルが発表され、ほどなくメディア試乗会も開催された「アルファ・ロメオ・トナーレ」。今回はこれをあらためて借り出し、一般道から高速道路まで“普通に”走らせてみた。進化を遂げたアルファの中核SUVの仕上がりやいかに?
  • 日産エルグランド プロトタイプ(4WD)【試乗記】 2026.5.18 「日産エルグランド」の新型が間もなく登場。前回のフルモデルチェンジからは実に16年が経過しており、待ちくたびれたファンは半端なレベルの進化では納得してくれないことだろう。日産のテストコースで乗ったプロトタイプの印象をリポートする。
  • ホンダCR-V e:HEV RS(FF)【試乗記】 2026.5.16 「ホンダCR-V」のエントリーモデルとして位置づけられる「e:HEV RS」のFWD車に試乗。ライバルとして北米市場で激しい販売競争を繰り広げる「トヨタRAV4」との比較を交えながら、世界規模でホンダの屋台骨を支えるグローバルベストセラーSUVの実力に迫る。
  • ドゥカティ・ハイパーモタードV2 SP(6MT)【海外試乗記】 2026.5.15 刺激的な走りを追求した「ドゥカティ・ハイパーモタード」の2気筒モデルがフルモデルチェンジ。まったく新しい「ハイパーモタードV2」が登場した。エンジンもフレームも刷新されたニューモデルでドゥカティが追求した走る喜びとは? 伊モデナから報告する。
  • アストンマーティンDBX S(4WD/9AT) 2026.5.13 英国の老舗、アストンマーティンのハイパフォーマンスSUV「DBX」がさらに進化。名前も新たに「DBX S」となって登場した。シャシーを煮詰め、最高出力を727PSに高めるなどの手が加えられたその走りを、クローズドコースで確かめた。
試乗記の記事をもっとみる
フォルクスワーゲン ポロ の中古車webCG中古車検索
関連キーワード
新着記事
新着記事をもっとみる

メルマガでしか読めないコラムや更新情報、次週の予告などを受け取る。

ご登録いただいた情報は、メールマガジン配信のほか、『webCG』のサービス向上やプロモーション活動などに使い、その他の利用は行いません。

ご登録ありがとうございました。

webCGの最新記事の通知を受け取りませんか?

詳しくはこちら

表示されたお知らせの「許可」または「はい」ボタンを押してください。