第394回:真夏のかなりゴーインな思いつき……
マイケル・ジャクソンのためにもEVを成功させよう!(笑)
2009.08.10
小沢コージの勢いまかせ!
第394回:真夏のかなりゴーインな思いつき……マイケル・ジャクソンのためにもEVを成功させよう!(笑)
楽しくワクワクする世界
たぶん全世界の数百万人ぐらいの人がそう思ってるだろうけど、マイケル・ジャクソン、やっぱいいわ〜。
つい最近出たベスト盤をクルマの中でずっぽり聴いてますが、なんというか、彼の音楽は一種の革命だったのよね。『オフ・ザ・ウォール』あたりだと、新しかったとはいえセンスのいいブラックミュージックの域を出てなかったものが、『スリラー』になると、完全に黒人と白人の壁を越えている。おそらくアジア人の壁も越えていて、ワールドミュージックになってる。
キモは誤解を恐れずに言うならば、ある種のディズニーランド的ワールドだった。つまり、ファンタジーであり、一種の子供返り。彼は、ダンスも含めた総合的視聴覚で子供から大人までノレる、楽しくワクワクする世界を演出することにより、人種や言葉の壁をうち破った。
そのために必要なのは、彼自身、年齢や人種を超えたキャラクターになることであり、実際に、彼はそういう存在となったわけだ。
特にスリラーのわかりやすさったらない。クインシー・ジョーンズのプロデュースももちろん素晴らしいんだけど、イントロから歌詞から、ものすごいスピード感と、イメージがわき出てくる。そこにあるのは、ある種のアニメ的わかりやすさと同種のもの。
全世界の人が既に持っている「ホラー」や「お化け屋敷」のイメージ、それを具現したような音楽。直感的で、ちょっぴり怖くて楽しい。そのほか『Beat It』や『ビリー・ジーン』も、かなりわかりやすい。
個人的には思う。マイケルはそのまま、もっとファンタジーに寄って、童話のような音楽を作り続けたほうがよかったんではないだろうかと。たとえば宇宙旅行であり、海底旅行であり、タイムトラベラーの世界など。
だからどっぷりディズニーランド的ワールドに浸かって、そこで作品をどんどん生み出してほしかった。というか、彼自身そう考えていたからこそ、ネバーランドを作り、そこに住んでいたのではないんだろうか。そういう意味でマイケルは真のエンターティナーであり、日本流に言う“芸人”だったと思う。
その昔、林家三平はこう言った。「芸は人なり、人は芸なり」。マイケルはそれを地でいっていた。天才には天才同士わかり合う感覚があるのだ、きっと(笑)。
日本=ハイテクで世界を打破=EV?
ってな話はさておき、ゴーインにクルマ社会の話にマイケルネタをこじつけると、つくづく「プリウス」の成功は日本に対するファンタジーの世界からきていると感じたのだ。やはり、日本はハイテクで世界を打破していくイメージがあるわけで。
スポーツの世界にもそれはよく見られ、水泳の古橋広之進が、女子バレーの東洋の魔女たちが、今までにないスピードとテクニック、創意と工夫にあふれた技で世界を打ち破る。それは、おそらく全世界の人が持っているであろう、日本人に対するポジティブなイメージであり、それはハイテク満載のプリウスにハッキリと繋がる。
まだ世界セールスはわからないけれど、プリウスに日本をダブらせている世界の人々も多いと思う。
それに続きそうなのが昨今の電気自動車だ。「三菱i-MiEV」、そして先日発表された「日産リーフ」。どれも冷静に見ると、まだまだ未完成で足りないところも多い。
だがこの注目度の高さを考えると、やはり日本車のイメージと合致するのだ。つくづく思うが、日本メーカーはこのチャンスをモノにしなければならない。この種のモデルの開発こそが、日本メーカーの生き残る道なのだ。
残念ながら、今までに無いカーデザインやパッケージで日本車が世界をリードしたことはほとんどない。もちろん乗用車型SUVやパイクカーなどは、日本車のパクリだと思うが、完成させたのはヨーロッパやアメリカだ。
基本、このハイテクカーの分野にこそ、まだまだ日本車のチャンスは残っているはずなのだ。
だから私は思う。志半ば(たぶん)のマイケル・ジャクソンのためにも頑張ろうではないか、ハイブリッドカー&電気自動車開発者達よ! ファンタジーの世界のクルマを作って、「King of fantasy Automobile」の称号を日本に与えよう!(半分本気です(笑))
(文と写真=小沢コージ)

小沢 コージ
神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 YouTubeチャンネル『小沢コージのKozziTV』
-
第454回:ヤマダ電機にIKEAも顔負けのクルマ屋? ノルかソルかの新商法「ガリバーWOW!TOWN」 2012.8.27 中古車買い取りのガリバーが新ビジネス「WOW!TOWN」を開始。これは“クルマ選びのテーマパーク”だ!
-
第453回:今後のメルセデスはますますデザインに走る!? 「CLSシューティングブレーク」発表会&新型「Aクラス」欧州試乗! 2012.7.27 小沢コージが、最新のメルセデス・ベンツである「CLSシューティングブレーク」と新型「Aクラス」をチェック! その見どころは?
-
第452回:これじゃメルセデスには追いつけないぜ! “無意識インプレッション”のススメ 2012.6.22 自動車開発のカギを握る、テストドライブ。それが限られた道路環境で行われている日本の現状に、小沢コージが物申す!?
-
第451回:日本も学べる(?)中国自動車事情 新婚さん、“すてきなカーライフに”いらっしゃ〜い!? 2012.6.11 自動車熱が高まる中国には「新婚夫婦を対象にした自動車メディア」があるのだとか……? 現地で話を聞いてきた、小沢コージのリポート。
-
NEW
フェラーリ・プロサングエ ハンドリング スペチアーレ仕様(4WD/8AT)【海外試乗記】
2026.10.8試乗記フェラーリの4ドア4シーターモデル「プロサングエ」に、「ハンドリング スペチアーレ」を名乗るスペシャルバージョンが登場。その走りは従来モデルからどのように変わったのか? 跳ね馬の原産国、イタリアで確かめた。 -
NEW
「アプライドD」で何が変わった? スバルの「インプレッサ」と「クロストレック」の進化を探る
2026.10.8デイリーコラムスバルが「インプレッサ」と「クロストレック」の改良モデル「アプライドD」を発表した。モデルライフの折り返し地点となる今回の改良では、ラインナップの刷新がトピック。その内容とスバルの狙いを、スバリスト玉川ニコ氏が解説する。 -
NEW
“クルマづくりのプロ”の話をライブで配信! 「あの多田哲哉のクルマQ&A」公開収録のお知らせ
2026.10.7From Our Staff元トヨタの多田哲哉さんが、自動車に関するさまざまな疑問・質問に答える「あの多田哲哉のクルマQ&A」。その話がライブで聞けて質問もできる公開収録を、10月15日(木)の夜、19時半から実施します。 -
咆哮なき電気自動車「ジャガーTYPE 01(タイプ01)」に“ジャガーの魂”は宿るのか?
2026.10.7デイリーコラムいよいよ正式デビューを飾った、新生ジャガーのラグジュアリー4ドアGT「TYPE 01(タイプ01)」。いったいどんなクルマなのか、従来のファンも納得できる“ジャガーらしさ”はあるのか? 先行チェックした西川 淳がリポートする。 -
トヨタ・ランドクルーザー“FJ”VX(4WD/6AT)【試乗記】
2026.10.7試乗記新たにシリーズに加わった「ランドクルーザー“FJ”」は、ポップな見た目から簡易版のように思われるかもしれないが、その中身は紛れもなく本物であり、道なき道をグイグイと突き進む。これもまた「どこへでも行き、生きて帰ってこられる」を体現する一台である。 -
第131回:新型三菱パジェロ(後編) ―レトロブームには頼らない? 最新のデザイントレンドを追求した三菱の思惑―
2026.10.7カーデザイン曼荼羅正式発表を間近に控え、ますますファンの間で話題が盛り上がっている新型「三菱パジェロ」。歴史的な旗艦の復活だというのに、三菱があえてレトロブームに乗らなかった理由とは? カーデザインの識者とともに、新型パジェロに見る最新のデザイントレンドを探る。