日産エクストレイル20X(4WD/CVT)/25X(4WD/CVT)【試乗速報(後編)】
日産のツボ(後編) 2007.09.14 試乗記 日産エクストレイル20X(4WD/CVT)……316万7300円
7年ぶりにフルモデルチェンジを果たした、売れっ子SUV「日産エクストレイル」。悪路走破性をさらに高めたという走りを、本格オフロードコースで試した。
「i」が光る
(前編からのつづき)
コ:来てしまいました、オフロード。ここでエクストレイルは「水を得た魚」になる!……はずや。テレビCMによれば。 普通の林道ぐらいにしておいたほうが良かったん違うか?
せ:駆動方式は、センターコンソールのモードダイヤルで「4WD」をロック。さらに、「ヒルディセントコントロール」を、オン。
コ:ヒル……なんて?
せ:急勾配の下りで、自動的に車速を7km/hに抑える機能です。4WD車には、ほかに上りの発進でズリ落ちない「ヒルスタートアシスト」も備わります。
コ:ごちゃごちゃいわんでええわ。走ればわかる。勢いよく砂利道の第一コーナーへ! って、こりゃかなり無茶なことでもしない限りドラマは起きへんね。最新の電子制御ヨンクやもんな。
せ:エクストレイルは、ハイテクも自慢。デュアリスの「オールロード4×4」をさらに進化させたという「オールロード4×4i」に支えられています。
コ:小さな「i」が付いて、なにが変わったん?
せ:ステアリングやアクセルペダルにもセンサーがついていて、コーナリング中のトルク配分をさらに適正にしようという……
コ:アンダー(ステア)出てんのに、さらにハンドル切ってアクセル踏み続けてるアナタには“マストアイテム”やんか。良かったなぁ!
せ:V字溝……こんなところ、どのラインで走ればいいんです?
コ:まっすぐ突っ込んでいったらええねん。ヒル……なんとかのエクストレイルやから大丈夫やろ。
せ:ここでは、ヒルディセント関係ないみたいです。なんか、思いっきり傾いてますけど……
コ:フツーのクルマなら、とっくに横向いてスタックしとるで。まぁこんなとこ走ろうとも思わへんけど……さすが。
コ:お、次はモーグルか。
せ:こりゃ、さすがにブツかるんじゃないですか?
コ:まぁ、何とかなるやろ。それにしても、すごい角度になってんな。外からみたら、タイヤがヘンなほう向いてんで。
せ:(タイヤ)空転してる? すごい音してますけど!
コ:2つは浮いてんな。3つ浮くことはないやろけど。……それでも残ったタイヤだけでズンズン進んでいく。
せ:空しか見えませんけど! こりゃ、「亀の子」になる!?
コ:大丈夫やて。
せ:最低地上高は、200mmでしたっけ……?
コ:心配ないて! いまさらそんなん確認してもしょうがない。だいたい、試乗コースは走れるとこしか走らへんようにできてるって。
せ:これも、上り。丸太でも普通に行けますね。
コ:ただのシーソーやで、これ。
せ:……!
コ:ブレーキ!
コ:ゆっくり下りや〜 そのヒルディセントでな。いらんことしーなや。
せ:悪路悪路って……こんな道、ふつうありえないでしょ!
気取らない本格派
せ:「ガンガン使い倒せる」ってのは、ホントですね。
コ:たいしたもんや。仕事のあとの汚れっぷりが、またカッコええ。ヨンク冥利につきる。
せ:こういう悪路走破は、「ジープ・ラングラー」でもできるでしょうが、乗用車然としたエクストレイルがこなすのはショックでした。
コ:重量級の高級SUV持ち出すのもオオゲサやしな。サラリとやるんがカッコええよ。
せ:普通に(?)オフロード走っただけで、車内に結構な土ぼこりが……
コ:丸洗いじゃなくて、気軽に水拭きできるだけでも十分機能的やよな。
新型エクストレイル、お買い得やん。オンロードは乗り心地も含め、かなり上質。オフロードも、多分それなりにたいしたモン。こんなに“アレもできます、コレもできます”じゃ、デュアリスは出る幕ないんやないの?
せ:実はそうでもなくて、エクストレイルの販売が始まってから、デュアリスのほうも上向きになったそうですよ。購入予備軍の迷いがなくなったということでしょう。
コ:身内のライバルかと思いきや、しっかり住み分けはできてるわけか。
せ:エクストレイルユーザーは9割が4WDなのに、デュアリスでは4割程度とか。「本格オフロードSUVと都会派クロスオーバーSUVの2本立てで勝負」という日産の目論見は、まんまと当たったと言えるでしょう。
コ:個人的には、エクストレイルの勝ちやな! やっぱり、機能が前面に出てるところが魅力やろ。運転したときのフィールも気に入った。6MTも試してみたい。あと、シートはファブリックに限る。
せ:ボクは林道行かないから、デュアリスかな……でも、エクストレイルも捨てがたいな……
コ:やっぱり住み分けできてへんのもココにおるわ。まぁ、この2台で迷っているうちは日産の思うツボやけどね。
(文=webCG近藤俊&関顕也/写真=峰昌宏/2007年9月)
拡大
|
拡大
|
拡大
|

近藤 俊

関 顕也
webCG編集。1973年生まれ。2005年の東京モーターショー開催のときにwebCG編集部入り。車歴は「ホンダ・ビート」「ランチア・デルタHFインテグラーレ」「トライアンフ・ボンネビル」などで、子どもができてからは理想のファミリーカーを求めて迷走中。
-
フィアット・グランデパンダ ハイブリッド ラプリマ(FF/6AT)【試乗記】 2026.10.16 欧州を代表するコンパクトカーの一台である「フィアット・パンダ」が第4世代に進化。新たに「グランデパンダ」を名乗り、日本にやってきた。ずばり新型の見どころは車両の随所にちりばめられた初代モデルへのオマージュである。上位グレード「ラプリマ」の仕上がりをリポートする。
-
フィアット500トリノ ハイブリッド(FF/6MT)【試乗記】 2026.10.13 電気自動車からエンジン搭載車へと華麗に変身! 日本では珍しい、4代目「フィアット500」のマイルドハイブリッドモデルに試乗。1リッターの自然吸気エンジンを6段MTで駆るイタリアンコンパクトは、今のクルマが忘れてしまった楽しさに満ちていた。
-
ボルボES90ウルトラ ツインモーター パフォーマンス(4WD)【試乗記】 2026.10.12 ボルボの電気自動車(BEV)「ES90」のトップモデル「ウルトラ ツインモーター パフォーマンス」を駆り、東京から初秋の新潟へ。往復700kmを超えるロングドライブで分かった新型5ドアハッチバックモデルの実力と、BEVで気になる充電環境のリアルな今を報告する。
-
フェラーリ・プロサングエ ハンドリング スペチアーレ仕様(4WD/8AT)【海外試乗記】 2026.10.8 フェラーリの4ドア4シーターモデル「プロサングエ」に、「ハンドリング スペチアーレ」を名乗るスペシャルバージョンが登場。その走りは従来モデルからどのように変わったのか? 跳ね馬の原産国、イタリアで確かめた。
-
トヨタ・ランドクルーザー“FJ”VX(4WD/6AT)【試乗記】 2026.10.7 新たにシリーズに加わった「ランドクルーザー“FJ”」は、ポップな見た目から簡易版のように思われるかもしれないが、その中身は紛れもなく本物であり、道なき道をグイグイと突き進む。これもまた「どこへでも行き、生きて帰ってこられる」を体現する一台である。
-
NEW
日産キックスX e-4ORCE(前編)
2026.10.18思考するドライバー 山野哲也の“目”レーシングドライバー山野哲也が新型「日産キックス」に試乗。デザインが新しいのはもちろんのこと、まさに下ろしたての最新のパワートレインを搭載。日産の大きな期待を背負ったコンパクトSUVである。箱根のワインディングロードでの印象を聞いた。 -
三菱eKクロスEV P(FWD)【試乗記】
2026.10.17試乗記三菱の軽乗用電気自動車(EV)「eKクロスEV」が、一部改良でデザインを刷新! 2022年発売の古参の一台は、台頭するライバルをどう迎え撃つのか? 最新モデルと比べても、キラリと光る魅力はあるのか? 軽EVのパイオニアが擁する一台の実力を確かめた。 -
写真で解説する「フィアット・グランデパンダ」
2026.10.16画像・写真ステランティスが「フィアットブランドの大きな柱のひとつとなる重要なモデル」と位置づける「グランデパンダ」が日本上陸。その具体的な見どころを、写真とともに解説する。 -
フィアット・グランデパンダ ハイブリッド ラプリマ(FF/6AT)【試乗記】
2026.10.16試乗記欧州を代表するコンパクトカーの一台である「フィアット・パンダ」が第4世代に進化。新たに「グランデパンダ」を名乗り、日本にやってきた。ずばり新型の見どころは車両の随所にちりばめられた初代モデルへのオマージュである。上位グレード「ラプリマ」の仕上がりをリポートする。 -
スズキの未来を徹底検証! 技術戦略説明会から“10年先のスズキの姿”を夢想する
2026.10.16デイリーコラム年間生産500万台で、Dセグメントまでカバーする巨大メーカーに!? スズキが発表した「10年先を見据えた技術戦略2026」を徹底検証。技術開発に製品開発、インドを核としたグローバル戦略などの中身を通して、「10年先のスズキの姿」を予想した。 -
賢い選択 ――キャデラック「LYRIQ」フラットプランのすゝめ――
2026.10.15投資家も太鼓判! 「キャデラック・リリック」×フラットプランという最適解<AD>クルマが変わり、時代も変われば“持ち方”だって変化する? お金のプロである投資家が、「キャデラック・リリック」の残価保証型リースを勧める理由とは? 夢の「2台持ち」をかなえる、最新電気自動車の賢い選び方を考えた。






























