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1/382023年5月のファンイベントで日本初公開された新型「シボレー・コルベットZ06」。同年夏の正式発表が予定されている。
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2/38「Z06」が最初に「コルベット」に設定されたのは1963年のことで、モータースポーツを楽しむオーナー向けの、特別なパッケージとして用意された。
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3/38世帯耐久選手権やIMSAスポーツカー選手権などで活躍するコルベットレーシングの「C8.R」。「Z06」はこのレーシングカーをベースに開発された。
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4/38より強力なエンジンの搭載に合わせ、タイヤも前:275mm幅、後ろ:345mm幅にワイド化。ボディーサイズも85mm拡幅している。
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5/38今回話をうかがった、ゼネラルモーターズ・ジャパンの上原慶昭氏(写真向かって左)と、中野 哲氏(同右)。よく見れば、上原氏がかぶっているのはコルベットレーシングの“JAKE”スカル キャップである。氏のコルベット愛が感じられた。
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6/38「Z06」に搭載される5.5リッターV8 DOHCエンジン「LT6」。基本的にレーシングカー「C8.R」の「LT6R」エンジンと同じものだ。
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7/38「LT6」は動弁機構にDOHCを採用。「コルベット」がDOHCエンジンを搭載するのは、1989年に登場した「ZR-1」以来のこととなる。
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8/38レーシングユニット由来の「LT6」は、クランクシャフトがフラットプレーンとなっている。この形式は2次振動の大きさがネックとされるが、カウンターウェイトを小型化(≒クランクシャフトを軽量化)でき、またバンク間の排気干渉がないため、レスポンシブで高回転・高出力型のエンジンをつくることができる。
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9/38「LT6」は欧州のプレミアムスポーツカーと同様、一基のエンジンを一人の職人が責任をもって組み上げる。エンジンルームには組み立てを担当したスタッフのサインプレートが装着される。
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10/38あけすけなほどに巨大なエアインテークが目を引く「Z06」のフロントフェイシア。左右に加え、中央にもラジエーターが装備された。
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11/38リアまわりでは、ボディーの左右両方にラジエーターが装備されたほか、こちらもめいっぱいエアインテークが大型化されている。
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12/38日本仕様の「コルベット」のレギュラーモデル。フロントフェイシアの中央に装着されるナンバープレートがいかにも冷却を阻害しそうだが、実際にはそこまでジャマにはならないという。
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13/38ミドシップのスポーツカーでありながら、十分な積載性を備えているのもC8の魅力。リアトランクにはゴルフバッグも積めるという。ただ、冷却システムの配置や排気の取り回しなどの都合で、内部が温かくなってしまうのが弱点だ。
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14/38米本国仕様の「Z06」ではマフラーはセンター4本出しとなるが、その中央2本はサイレンサー無しの直管だ。
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15/38米本国仕様のマフラーでは確実に騒音規制にひっかかるので、日本と欧州の「Z06」は、それとはまったく異なる排気システムを採用している。
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16/38センター4本出しのマフラーが勇ましいC7(写真は「グランスポーツ」)。トランクに荷物を積むとき、ちょうど立つ位置にマフラーがあるので、足もとにはご用心だ。
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17/38C7の取材でスネを焦がしそうになった記者の話に、笑顔で同調する中野氏。ひょっとして、氏もその経験アリか?
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18/38現状、日本で選べる「Z06」は以下の仕様のみで、ほかの色や装備は選べない。【ボディータイプ:クーペ/グレード:3LZ/ボディーカラー:ブラック/インテリアカラー:アドレナリンレッド/シート:コンペティションスポーツバケット(スウェーデッドマイクロファイバーインサート付きナパレザー)/シートベルト:トーチレッド/ステアリングホイール:カーボンファイバー&スウェーデッドマイクロファイバーラップド/ホイール:スパイダー・デザイン・ブラック/ブレーキキャリパーカラー:ブライトレッド】
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19/38本国仕様では“雨天NG”のカップタイヤも用意される「Z06」だが、日本仕様ではタイヤは「ミシュラン・パイロットスポーツ4 S ZP」一択となる。
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20/38「3LZ」とは「Z06」で選べる最上級のグレードで、カーボン製のステアリングホイールや、レザーとマイクロファイバーで仕立てられたインテリアなどを特徴とする。
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21/38日本仕様の「Z06」は、本国仕様ではオプション扱いとなる「コンペティションスポーツバケットシート」が標準装備となる。日本だとレギュラーモデルの「3LT」や「コンバーチブル」にもこのシートが採用されている。
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22/38「Z07パフォーマンスパッケージ」は、カーボンファイバー製のリアウイングや、カーボンセラミックブレーキ、「ミシュラン・パイロットスポーツ カップ2」タイヤ、専用チューニングのマグネティックセレクティブライドコントロールなどからなるオプションパッケージだ。
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23/38日本仕様の「Z06」は全車右ハンドルとなる。記者は、販売台数の少ない一部のマーケットのためだけに、わざわざ右ハンのZ06を仕立ててくるとは思っていなかったのだが……。
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24/38輸入車のなかには、左ハンドルから右ハンドルへのつくり変えによって、運転姿勢がおかしくなったり、ブレーキフィールが変わってしまったり……というものがいまだに見受けられるが、C8ではそういった点がまったく見受けられなかった。お見事!
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25/38リアウィンドウ越しに見る「LT6」の図。右ハンドル仕様の「コルベット」は、大きなV8エンジンがリアに移り、フロントにステアリングシャフトの取り回しを変えられるだけのスペースができたことから実現したものだった。
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26/38「右ハンドルの『コルベット』がこんなによくできているとは、思っていませんでしたか?」という記者の問いに、「それ以前に、誰も『本当に右ハンのコルベットがつくられる』なんて、信じていませんでしたよ!」と答える上原氏(写真向かって左)。
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27/38いつお会いしてもナイスな笑顔の、GMジャパンの若松 格社長。
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28/38日本からの熱い要望で実現した電動可動式ドアミラー。ところ変われば駐車の作法も変わるということで、中野氏は「なんでそんな装備が必要なの?」と首をかしげるGMスタッフに、日本のパーキング事情を説明するのに苦労したとか。
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29/38ワイドボディーや専用の空力パーツも相まって、独自のスゴ味を放つ「Z06」。C8のデザインを「スマートすぎる」と敬遠していた人も、これなら納得の迫力だろう。
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30/38「Z06」のならし運転中、方々で話しかけられ、カメラを向けられたと語る上原氏。SNS等で拡散されなくてよかったですね!
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31/38富士スピードウェイのレーシングコースを走る「Z06」(左手前)と、レギュラーモデルの「コンバーチブル」(右奥)。C8はレギュラーモデルもバックオーダーを抱えているため、納車待ち中のお客から「今からZ06に変えられない?」と相談されることもありそうだ……。
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32/38「コルベット」の故郷であるケンタッキー州のボーリンググリーン工場。C8の生産開始に合わせて人員の増強がなされたが、それでも生産は追いついていないという。
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33/38「CHEVROLET FAN DAY 2023」が行われた富士スピードウェイのパドックの様子。ご覧のとおり、ミドシップの「コルベット」は日本でもすっかり受け入れられており、GMジャパンは「もっとクルマを日本に回してくれ!」と本国に掛け合っているという。
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34/38若い世代を含め、実は街なかでの注目度が高いGMのモデル。「カマロ」の2リッターモデルなどは、若者がローンを組んで買いに来ることもあるという。そんなクルマ、今日びそうそうないだろう。
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35/38C5の頃から、実に30年近くも「コルベット」に携わってきたという、チーフエンジニアのタッジ・ジェクター氏。上原氏いわく「コルベットのエンジニアやデザイナーは皆アツい!」というが、アメリカの自動車関係者にとって、コルベットというのはそれだけ誇りをもって開発に携われるものなのだろう。
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36/38いよいよ日本でも「Z06」がお披露目されたC8だが、米本国では早くも新しいプロジェクトが進んでいる。写真は2024年モデルとして発売予定の「コルベットE-RAY」。6.2リッターV8エンジンとフロントモーターを組み合わせた、4WDのプラグインハイブリッドモデルだ。
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37/382024年には「C8.R」に代わるレーシングモデルとして、「コルベットZ06 GT3.R」が登場。FIA GT3規定に沿って開発された車両で、今まで以上に幅広いレースでのコルベットの活躍が期待される。
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38/38まずは数量限定・抽選販売のかたちで日本に導入される新型「シボレー・コルベットZ06」。気になる人は、シボレーのニュースレターやSNSでの発信に、アンテナを立てておこう。

堀田 剛資
猫とバイクと文庫本、そして東京多摩地区をこよなく愛するwebCG編集者。好きな言葉は反骨、嫌いな言葉は権威主義。今日もダッジとトライアンフで、奥多摩かいわいをお散歩する。
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