-
1/17トヨタのエンジニアとして、FRスポーツカー「86」をはじめとするさまざまなクルマを開発してきた多田哲哉さん。長年にわたる経験と知識を生かし、『webCG』で「あの多田哲哉の自動車放談」「あの多田哲哉のQ&A」を連載中。
-
2/17多田さんの最後の海外出張はフランス。文中にあるとおり、「トヨタGRスープラ」(MT仕様車)の最終セッティングを行うためだった。同モデルはそれから2年半後の2022年秋に国内で発売されている。
-
3/17山中にたたずむ、多田さんの“ついのすみか”。現在クルマは2台で、ガレージにはSUVのPHEVと軽トラがおさまっている。ここに理想のガソリンエンジン車が加わる日も近い!?
-
4/17クルマ好きがガソリンエンジン車を楽しめる期間もいよいよ先が見えてきたと語る多田さん。古巣トヨタのプレミアムブランドであるレクサスは「2035年にはグローバルでBEV100%化」を宣言しており、HEV、PHEV、BEVを含む2023年の“電動化比率”はグローバルで47%に達している。
-
5/17バイクの世界は、まだまだガソリンエンジン車が主流であり、各ブランドからさまざまな新型車の提案が見られる。写真は「経験豊かなベテランライダーが主なターゲット」というホンダのロードスポーツ「ホーク11」。排気量1082ccというこのモデルを含め、二輪の世界は大型二輪免許を取得することで選択肢がうんと広がる。
-
6/172023年10月に発売された、ヤマハのスポーツツアラー「トレーサー9 GT+」。アダプティブクルーズコントロールやブレーキの自動制御システムといった、先進運転支援システムが搭載されている。
-
7/17二輪の世界は、スクーターを除けばまだまだMT車がメイン。とはいえ、AT(DCT)搭載モデルは徐々に増えつつある。写真はホンダの「レブル1100 Dual Clutch Transmission」で、その名のとおりDCTを介して変速を行う。
-
8/17東京モーターサイクルショー2024の会場で国内初公開された、最新の「ホンダCRF1100Lアフリカツイン アドベンチャースポーツES デュアルクラッチトランスミッション」。従来モデルに対しては、発進特性と極低速域のコントロール性の向上を目的に、DCTの制御が変更されている。2024年3月21日発売。
-
9/17バイクのフロントまわりは、前輪とそれをはさみこむ円筒形のサスペンション(テレスコピックフォーク)で構成されている。シンプルな構造で強度にも優れるが、加減速時に車体の姿勢変化を招くという特性もある。
-
10/17BMWの一部モデルには、2本のフロントフォークと車体をロアアームでつなぎ、そこにショックアブソーバーを設けた「テレレバー」なるフロントサスが採用されている。これにより、制動時のノーズダイブ(前のめり)を抑制する。
-
11/17二輪のライディングにおいては、ライダーは車体をコーナー内側に傾かせ、その重力と遠心力とのバランスをとりながらコーナリングを行う。
-
12/17四輪のコーナリングに対するアプローチは二輪とは逆。車体のロールをいかにして減らすか、あるいはロールしてもタイヤの接地角度を水平に保てるかが、研究開発の課題だった。
-
13/17スポーツモデルをはじめ、近年のバイクには6軸IMU(Inertial Measurement Unit)が搭載され、高精度な車体姿勢制御が可能となっている。写真はそのひとつであるホンダのスーパースポーツ「CBR1000RR-RファイアブレードSP」。
-
14/17コーナリング中のバイクのハンドルは、「ライダーが切る」のではなく、車体の動きに合わせて「勝手に切れる」もの。一部のスポーツモデルには、路面からの外乱や振動を低減しハンドリングを安定させる「ステアリングダンパー」が備わる。
-
15/17コーナリングフォースでエンジンオイルが偏り潤滑不良とならないよう、またエンジン自体をコンパクト化するために、一部の高性能車には“ドライサンプ”と呼ばれる潤滑方式が採用されている。四輪よりも二輪の世界で採用例が多い。
-
16/17BMWの二輪モデルに搭載される、伝統の水平対向2気筒エンジン。重量のかさむシリンダーおよびシリンダーヘッドを低い位置に“寝かせる”ため、車体の重心も低くなる。四輪の世界では、ポルシェやスバルなどが水平対向エンジンの採用メーカーとして知られる。
-
17/17機械的なシンプルさとデザインの美しさゆえに、いまだに空冷エンジンが使われているというのも、四輪にはない二輪の特徴といえるだろう。写真は、ハーレーダビッドソンの1977cc空冷Vツイン「ミルウォーキーエイトVVT121」エンジン(展示用カットモデル)。

多田 哲哉
1957年生まれの自動車エンジニア。大学卒業後、コンピューターシステム開発のベンチャー企業を立ち上げた後、トヨタ自動車に入社(1987年)。ABSやWRカーのシャシー制御システム開発を経て、「bB」「パッソ」「ラクティス」の初代モデルなどを開発した。2011年には製品企画本部ZRチーフエンジニアに就任。富士重工業(現スバル)との共同開発でFRスポーツカー「86」を、BMWとの共同開発で「GRスープラ」を世に送り出した。トヨタ社内で最高ランクの運転資格を持つなど、ドライビングの腕前でも知られる。2021年1月に退職。
エディターから一言の新着記事
-
第851回:「シティ ターボII」の現代版!? ホンダの「スーパーONE」(プロトタイプ)を試す 2025.11.6 ホンダが内外のジャーナリスト向けに技術ワークショップを開催。ジャパンモビリティショー2025で披露したばかりの「スーパーONE」(プロトタイプ)に加えて、次世代の「シビック」等に使う車台のテスト車両をドライブできた。その模様をリポートする。
-
第850回:10年後の未来を見に行こう! 「Tokyo Future Tour 2035」体験記 2025.11.1 「ジャパンモビリティショー2025」の会場のなかでも、ひときわ異彩を放っているエリアといえば「Tokyo Future Tour 2035」だ。「2035年の未来を体験できる」という企画展示のなかでもおすすめのコーナーを、技術ジャーナリストの林 愛子氏がリポートする。
-
第849回:新しい「RZ」と「ES」の新機能をいち早く 「SENSES - 五感で感じるLEXUS体験」に参加して 2025.10.15 レクサスがラグジュアリーブランドとしての現在地を示すメディア向けイベントを開催。レクサスの最新の取り組みとその成果を、新しい「RZ」と「ES」の機能を通じて体験した。
-
第848回:全国を巡回中のピンクの「ジープ・ラングラー」 茨城県つくば市でその姿を見た 2025.10.3 頭上にアヒルを載せたピンクの「ジープ・ラングラー」が全国を巡る「ピンクラングラーキャラバン 見て、走って、体感しよう!」が2025年12月24日まで開催されている。茨城県つくば市のディーラーにやってきたときの模様をリポートする。
-
第847回:走りにも妥協なし ミシュランのオールシーズンタイヤ「クロスクライメート3」を試す 2025.10.3 2025年9月に登場したミシュランのオールシーズンタイヤ「クロスクライメート3」と「クロスクライメート3スポーツ」。本格的なウインターシーズンを前に、ウエット路面や雪道での走行性能を引き上げたという全天候型タイヤの実力をクローズドコースで試した。
新着記事
-
NEW
ホンダ・シビック タイプRレーシングブラックパッケージ(後編)
2025.11.9ミスター・スバル 辰己英治の目利きあの辰己英治氏が、“FF世界最速”の称号を持つ「ホンダ・シビック タイプR」に試乗。ライバルとしのぎを削り、トップに輝くためのクルマづくりで重要なこととは? ハイパフォーマンスカーの開発やモータースポーツに携わってきたミスター・スバルが語る。 -
アウディSQ5スポーツバック(4WD/7AT)【試乗記】
2025.11.8試乗記新型「アウディSQ5スポーツバック」に試乗。最高出力367PSのアウディの「S」と聞くと思わず身構えてしまうものだが、この新たなSUVクーペにその心配は無用だ。時に速く、時に優しく。ドライバーの意思に忠実に反応するその様子は、まるで長年連れ添ってきた相棒かのように感じられた。 -
MINIジョンクーパーワークスE(FWD)【試乗記】
2025.11.7試乗記現行MINIの電気自動車モデルのなかでも、最強の動力性能を誇る「MINIジョンクーパーワークス(JCW)E」に試乗。ジャジャ馬なパワートレインとガッチガチの乗り味を併せ持つ電動のJCWは、往年のクラシックMiniを思い起こさせる一台となっていた。 -
新型「日産エルグランド」はこうして生まれた! 開発のキーマンがその背景を語る
2025.11.7デイリーコラム日産が「ジャパンモビリティショー2025」に新型「エルグランド」を出展! およそ16年ぶりにフルモデルチェンジする大型ミニバンは、どのようなクルマに仕上がっており、またそこにはどんな狙いや思いが込められているのか? 商品企画の担当者に聞いた。 -
ジャパンモビリティショー2025(ホンダ)
2025.11.6画像・写真「ジャパンモビリティショー2025」に、電気自動車のプロトタイプモデル「Honda 0 α(ホンダ0アルファ)」や「Super-ONE Prototype(スーパーONE プロトタイプ)」など、多くのモデルを出展したホンダ。ブースの様子を写真で詳しく紹介する。 -
ジャパンモビリティショー2025(マツダ・ビジョンXコンパクト)
2025.11.6画像・写真マツダが「ジャパンモビリティショー2025」で世界初披露したコンセプトモデル「MAZDA VISION X-COMPACT(ビジョン クロスコンパクト)」。次期「マツダ2」のプレビューともうわさされる注目の車両を、写真で詳しく紹介する。
