ルノー・トゥインゴ クイックシフト5(5MT)【試乗記】
『オートマと選ぶところがない』 2001.07.28 試乗記 ルノー・トゥインゴ クイックシフト5(5MT-ATモード付き) ……149.0万円 「トゥインゴはカワイイけれど、オートマがないからァ……」と思っていたアナタに朗報! 2001年7月24日、オートマチックモードを持つ5段MTモデル「トゥインゴ クイックシフト5」が日本に導入された。2ペダル車にして、シフトレバーを操作しないでもドライブ可能。その気になれば、シーケンシャルにギアを変えることもできちゃいます。自動車ジャーナリスト、森 慶太が報告!!
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■本当のオートマを得た
このクルマに乗るのは5年ぶり、ぐらいでしょうか。サッサと結論すると、プレスリリースでのいいぶんを素直に受け入れることができる程度によくなっていた。ブランクが長かったせいでよけいにそう感じられたのかもしれない。
これまで私は、トゥインゴはルノー車としては二軍レベルだと考えていた。けれども最新型を試したいまは一軍半、あるいは準一軍ぐらいに認識を改めたいと思うようになっている。変速が全面的に自動化された「トゥインゴ クイックシフト5」は、安価で“イージー・トゥ・ドライブ”な小型車をほしいと考えている人すべてに躊躇なく推薦することのできる1台だ。まあメデタい。トゥインゴは、今回はじめて本当のオートマを得た。
以前とくらべてずいぶん静かになった。路面の細かい凹凸のアタリの処理も上手くなったような。簡単にいって、ライトバンみたいだった乗りアジがちゃんと乗用車レベルになっていた。あと内装の充実度も。運転席および助手席の形状が普通のルノーのモノになっていて(だいぶ前からそうだったけど)、快適さの向上に関してはそれも大きい。後頭部をくっつけると思わず顔がほころぶヘッドレスト。
同じくだいぶ前からそうなっている部分として、ラクチンなパワステ。やかましくないSOHCエンジン。ミョーに上下に分厚いダッシュボードは、最初の頃こそ違和感が強かったけれど、昨今はもっとあからさまにブワンと肥大して乗りにくいのが溢れかえっているせいか、今回まったく気にならなかった。細かい話だが、助手席エアバッグの装着により分割線が増えて視覚上の印象が少し変わったことも効いているのではないか。
■エスプリの効いたリフレッシュ
最新型のメダマである完全自動変速機構は「オッケー」のレベル。普通のMT車におけるクラッチの断続と歯車選択をロボットが人間のかわりに操作するようなカタチのシステムだから、「トルコン+遊星歯車列」のいわゆるオートマとまったくいっしょではないけれど(ある段から別の段へ変わる際の谷間が多少もどかしかったりするので)、すくなくとも運転作業の煩雑さに関してはいわゆるオートマと何ら選ぶところがない。それに、たとえば燃費あたりは普通のオートマより間違いなくいいはずだ。
クラッチ操作のみ自動化の「トゥインゴ イージー」と違って、シフトアップ/シフトダウンのたびにギアレバーをイジる必要はないし(いじる必要があることじたいは別にオッケーなのだけどクラッチペダルがないと運転のテンポが狂いがち)、従来ヘタクソだった発進のマナーは、これまた大幅にスムーズになっていた。非常に、メデタい。
あと、メカニズム云々とは関係ないけれど、内外装のカラースキームを定期的に全面入れ替えしているところも評価できる。でまた、その色づかいが毎回けっこういいセンス。あえて陳腐ないいかたをすれば、非常にエスプリの効いたリフレッシュ方法だと思う。意味のない“フルモデルチェンジ”よりよほど良心的だ。
(文=森 慶太/写真=郡大二郎/2001年7月)

森 慶太
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