第334回:”クルマをぶつけて止める”伝説を検証してみる
2014.02.14 マッキナ あらモーダ!ステアリングを切り返す目安
「ぶつからないクルマ」は今や自動車メーカーが最優先で研究しているテーマだが、今回は「ぶつけるクルマ」のお話である。
先日、読者の方からボクのSNSに「ある新聞で『フランスではクルマのバンパーは押していいという認識だ』というコラムを読みましたが、本当ですか?」という書き込みがあった。「ヨーロッパでは、縦列駐車する時はぶつけて止める」は、長年日本において伝説と化している。
早速パリの下町といえる15区で観察してみる。目の前で縦列駐車から脱出しようとしている「ルノー・シュペールサンク」のドライバーは、後方のバンにバンパーを2回ぶつけてから列を脱した。ぐいぐい押して間隔を開けるまではできないが、「ぶつかったら、そこで止まる」をステアリングを切り返す目安としているのは明らかだ。
「バンパーをぶつける心理とは?」
まず聞いてみたのは、シトロエンの「DS」および「ID」のクラブの会長を務めるフランス人シルヴァン氏だ。彼は「パリの駐車場バトルは過酷すぎて、そんなことは構っていられないのだよ」と即座に説明してくれた。
セーヌ右岸16区に住まいをもち、家族車としてシトロエンのMPV「エバジオン」に乗る知人ディディエも「この街では、わずかでもスペースを見つけたら頑張って止めるしか選択肢はない」と教えてくれた。

大矢 アキオ
コラムニスト/イタリア文化コメンテーター。音大でヴァイオリンを専攻、大学院で芸術学を修める。1996年からシエナ在住。日本を代表するイタリア文化コメンテーターとして語学テキストやデザイン誌等に執筆活動を展開。20年にわたるNHK『ラジオ深夜便』リポーター、FM横浜『ザ・モーターウィークリー』季節ゲストなど、ラジオでも怪気炎をあげている。『Hotするイタリア』、『イタリア発シアワセの秘密 ― 笑って! 愛して! トスカーナの平日』(ともに二玄社)、『ザ・スピリット・オブ・ランボルギーニ』(光人社)、『メトロとトランでパリめぐり】(コスミック出版)など著書・訳書多数。YouTube『大矢アキオのイタリアチャンネル』ではイタリアならではの面白ご当地産品を紹介中。
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