第39回「フォルクスワーゲン・ゴルフGTI」
2014.03.07 水野和敏的視点エンジンの手懐け方が見事
今回は、「フォルクスワーゲン・ゴルフGTI」に乗ってみましょう。元祖ホットハッチにして、現在もベンチマークであり続けるクルマです。最高出力220ps、最大トルク35.7kgmを発生する2リッターターボを搭載。車両本体価格は369万円。スペックや性能に対して、とてもお買い得な価格設定になっています。
ゴルフGTIを運転してまず思うのが、「2リッターターボエンジンがイイ!」ということです。なにはともあれ、とにかく“リニア”なんですね。踏んだら踏んだ分だけ、クイッと加速する。「足の裏にエンジンのトルクが吸い付いてくる」とは、このようなことを言うんでしょう。
そして、ステアリングの剛性感もイイ! 低速から高速まで、過敏過ぎず、ダル過ぎず。ステアリングを切ったその瞬間、タイヤと足がたわんで、その後、動き出す……。その動きと、ステアリングのラックやシャフトの剛性がぴったり合っている。「クイックな反応が気持ちイイ!」というのではない。操舵(そうだ)感、リニアな気持ち良さが、すごい。
単に操舵の応答性、つまりゲインを敏感なまでに高めると、例えばアウトバーンを200km/hでスッ飛ばす、なんてときに、まったく遊びがなくなり、かえって気をつかうようになってしまいます。
このクルマのように応答性に適度な遅れが伴っていれば、つまり、ワンテンポまでは遅れないが、半テンポ遅れる、だけどワインディングロードでは意のままのラインが取れるぐらいの利き方なら、ハイスピードクルージングを続けても疲れませんし、山道も楽しい。実際にテストコース以外にいろいろなところを走り込み、そうとう「トライ&エラー」を重ねないと、ここまでの合わせ込みはできません。
エンジンに話を戻しましょう。最近では、環境性能に振った小排気量ターボを得意とするフォルクスワーゲンですが、GTIの2リッターターボも、決して例外ではありません。実燃費はきっといいはずです。
GTIのエンジンは、2200rpm付近からターボのブーストがグッとかかってくるのですが、その領域に至るまでは、2リッターという排気量が本来持っているトルクを上手に使ってます。カムのプロファイルは、中低速域を重視して決められたんじゃないでしょうか。そのうえで、恐らく混合気を大幅にリーン(希薄)にして、燃費を稼いでいるはずです。そして「2200rpm以降の出力はターボに任せる」という、割り切った設計が見事です。
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