トヨタ・エスクァイアGi 7人乗り(FF/CVT)/エスクァイア ハイブリッドGi 7人乗り(FF/CVT)
バットマンは悩まない 2014.11.28 試乗記 「いままでになかった上質感・高級感を追求した」という、トヨタの5ナンバーミニバン「エスクァイア」。では、どこがどう新しいのか? ガソリンエンジン車とハイブリッド車、2つのタイプで確かめた。コンセプトは上質感と高級感
エスクァイアは新たにデビューした5ナンバーサイズのミニバンなのだが、走りや使い勝手についてはすでに10カ月も前に『webCG』に紹介されている。基本的な作りは、「ノア」「ヴォクシー」とまったく同じなのだ。3番目の兄弟車である。ならば紹介する意味が薄いのかというと、そんなことはない。むしろ、ミニバンの世界に大きな変革をもたらす可能性を秘めたモデルだ。
日本の乗用車市場は、軽自動車、コンパクトカー、そしてこの5ナンバーミニバンが主要な車種となっている。子育て世代のファミリーにとって、コンパクトなサイズで7人ないし8人が乗車でき、スライドドアで使い勝手のいいクルマが支持されるのは当然だろう。ノアとヴォクシーのほかに、「日産セレナ」と「ホンダ・ステップワゴン」が激しい販売競争を繰り広げてきた。トヨタだけが2種類のモデルを提供してきたが、そこにもうひとつ選択肢が加わることになる。
ノアは穏やかな顔つきのデザインで、ヴォクシーはちょっとワルそうないかつい顔をしている。内装のイメージも違い、はっきりとしたすみ分けを意図していることがわかる。ユーザーの好みに合わせて2モデルを用意しているのだから、取りこぼしは少ないはずだ。しかし、それだけでは足りないとトヨタは考えたようである。
エスクァイアのコンセプトは、上質感と高級感だ。これまでノア/ヴォクシーに乗っていたユーザーが子育てを終えた後も、ミニバンの使い勝手から離れられないケースは多いだろう。その層に向けて、所有欲を満足させる仕様のモデルを提供するというのは、理にかなっている。同じ形のクルマなのに、明らかにランクが上という雰囲気を作り上げてきたところはさすがの手だれだ。