マツダCX-5 開発者インタビュー
「モノ造り革新」はこれからが本番 2015.01.09 試乗記 マツダ商品本部
主査
大塚正志(おおつか まさし)さん
「マツダCX-5」がデビューからこれほど短い期間で、これほど大規模なアップデートを果たせた背景には、マツダらしいクルマづくりを究極の効率で行おうとする「マツダ モノ造り革新」がある。最近の同社の勢いを語る上で切っても切れないこの画期的な試みについて、CX-5開発主査の大塚正志氏に聞いた。
“無難なクルマ”はつくらない
――本日「マツダブランド 革新・熟成・深化を目指して」と題し、商品本部の副本部長である野間幸治さんからお話がありました。この中に「一括企画・コモンアーキテクチャー構想・フレキシブル生産構想」というキーワードが出てきたのですが、それらについてもう少し詳しく教えていただけますか?
抽象的な話になるかもしれませんが、われわれは自分たちがどのようなブランドであるべきだとか、どのようなビジネスをすべきかといったことよりも、どのようなお客さんに選んでもらい、喜んでもらうかということのほうが大事だと思っています。われわれは製造業ではなく販売業。いいモノをつくればよいわけではなく、たくさんの中から選んで買ってもらわなくてはならない。その際、どういうお客さんに選んでもらうのかを考えるのが大事なのです。
――わかるようなわからないような……。
例えば、“冒険は不要。これを買っておけば安心”という尺度でクルマを選ばれるお客さんはうちのお客さんではありません。
――無難なクルマはつくらないということですか?
はい。うちのお客さんは、前提としてクルマが好きで、カーライフに刺激を求めている人たちだと考えています。何か面白いことをして世の中を変えてやろうといった人たちの目にとまるブランドでいたいんです。年間150万台規模のマツダが、ビジネスを成立させつつも、僕らが望むお客さんに選んでもらえるようにするためのソリューションが一括企画だと考えています。一括企画したものを効率よく生産するための手段がコモンアーキテクチャー構想であり、フレキシブル生産構想ですね。
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