第97回:台湾取材/水野氏と台湾のジャーナリストとの対話
2015.04.24 水野和敏的視点開発体制を「組織」から「チーム」に変えた
――水野さんの自動車開発に対するポリシーとは何でしょうか。
僕は華創車電(ハイテック)の副社長として、ラクスジェンブランドの車両開発全般を担当しています。ですから、ラクスジェン車の不具合の対策も、イヤーモデルの開発も、マイナーチェンジも、新しいプラットフォームの開発も、今すべて同時に行っています。
クルマの開発を通して大事にしているのは、主人公はクルマではなく、あくまでクルマを所有するオーナーであり、クルマを運転するドライバーであるということです。あくまで人を中心に置き、そこにクルマの全ての性能やデザインを調和させる。僕はクルマを作っているのではありません。人の感動を作っているのです。
かつて「日産GT-R」を開発した時は、「いつでも」「どこでも」「誰でも」楽しめるスーパーカーを目指しました。ラクスジェンを作る時も、その目標は変わりません。ラクスジェンには、ワンボックス、SUV、セダンといろいろなクルマがあります。それらすべてのカテゴリーで人が感動する商品を作る。性能はそのための手段にすぎない。これが僕のポリシーです。
――ラクスジェン車に対する第一印象はどのようなものでしたか。
最初に、クルマに搭載されたITの技術は世界一だと感じました。世界的に見ても、IT関連の装備がこんなに進んだクルマはありません。そして実際にクルマに乗った時には、平均的な日本車のようだと感じました。
――ラクスジェン車の開発をする時、どのような場面で困難や挑戦といったものを感じますか。
困難を感じることはありません。だって、GT-Rにしてもわずか3年で世界一のスーパーカーにしたのですよ! 今、ハイテックで仕事していて、チャレンジングというよりは楽しんでいます。なぜなら、みんな若いから。知ったかぶっていないし、みんながチャレンジャーだから、一緒に仕事をしていて楽しいですね。
僕はハイテックに来て、実は組織のマネジメントシステムも変えました。自動車会社というと、皆さんはやれエンジンだ、シャシーだ、ボディーだと縦割りの組織を思い浮かべることと思います。でも今回、エンジンもシャシーもボディーもすべてが1つの「サークル」となって、僕の周りに全員がいる体制にしました。つまり「組織」から「チーム」に変えたのです。だからこそ、わずか半年でこんなに進化したのです。
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