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アキュラNSX(4WD/9AT)

新しい世界へ 2016.03.15 試乗記 渡辺 敏史 3モーターハイブリッドシステム「SPORT HYBRID SH-AWD」を搭載した、新型「ホンダ/アキュラNSX」にアメリカで試乗。11年ぶりの復活を間近に控えたホンダのスーパースポーツモデルの実力を、サーキットとワインディングロードで試した。

紆余曲折の果てにたどり着いた形

2003年に登場したコンセプトカー「HSC」はミドシップ、そして2007年に登場した「アキュラ・アドバンスド・スポーツカーコンセプト」はFR。その発表直後からニュルを走り始めた試作車はV10を搭載していると目されたが、リーマンショックからの急速なリセッションを前に開発は凍結。その開発資産は「HSV-010」としてSUPER GTに反映され、一方でニュルを再び走り始めたのはミドシップ……と、この新しいNSXにたどり着くまでの紆余(うよ)曲折を振り返ると、ざっくり12年の月日が流れている。より具体的に、初代のそれが販売終了してからの月日でみても10年超。人間の尺度に当てはめれば、ランドセルを背負ってから高校卒業するまでの時間、ホンダの中には絶えることなく、このクルマの誕生を夢みていた人がいたわけだ。そう考えると目の前に置かれた赤い体躯(たいく)が訴えるものがズシンとこちらにのしかかってくる。

一方で、12年の時はそのコンセプトやメカニズムに対して残酷に老いを告げる。もはや速さのために無尽蔵に油を燃やすスポーツカーは、フェラーリですら選択肢にない。ましてやホンダの社史や社会的責任を鑑みれば、新しいNSXにはそれを踏まえた新しい価値観が備わっていることがマストになる。

それがゆえのハイブリッド。そして他を圧する優位としての“エレクトリック・ベクタリング”。紆余曲折からのコンセプトの収束、そこから約4年の月日が投じられたこのクルマが果たして何をみせてくれるのか。既視感バリバリのスタイリングを前にして、僕の興味は早くもそこに向かっていた。

3つのモーターからなるハイブリッドシステム「SPORT HYBRID SH-AWD」を搭載した新型「NSX」。北米ではアキュラブランドで販売される。
3つのモーターからなるハイブリッドシステム「SPORT HYBRID SH-AWD」を搭載した新型「NSX」。北米ではアキュラブランドで販売される。 拡大
「NSX」のインストゥルメントパネルまわり。北米仕様には「エボニー」や「レッド」など、4種類のインテリアカラーが用意されている。
「NSX」のインストゥルメントパネルまわり。北米仕様には「エボニー」や「レッド」など、4種類のインテリアカラーが用意されている。 拡大
ルーフパネルはアルミ製が標準で、オプションでカーボンファイバー製のものも用意される。
ルーフパネルはアルミ製が標準で、オプションでカーボンファイバー製のものも用意される。 拡大
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重量増を抑えつつ、ボディー剛性を大幅に強化

既視感バリバリとは言ったものの、市販版NSXのプロポーションは2012年の市販発表時からより一歩、スーパーカー的なところに移行している。クルマの“BMH”ともいえる全長×全幅×全高の3寸で思い浮かべてもらえればいいのは「フェラーリ488GTB」。NSXの数値はそれよりもちょっぴり全長が短いくらいで、ほかはおおむね同じところにある。そして股下ともいえるホイールベースも先述のそれとは20mmしか変わらない。それもあってか、現物を公道で眺めてのアピアランスには、スーパーカー的なオシがしっかりと感じられる。

前後のグラフィックは他のホンダ車と同様ビジーで、この辺りは好みが分かれるところだろう。ちなみに、すべての開口部はラジエーターやインタークーラー、トランスミッションやモーターなど、合せて10にも及ぶ“クーリングチャンネル”用に充てがわれたものだ。

シャシー構造はスペースフレーム式で、主材となる押し出し材には部位ごとに肉厚を専用化したものを採用するほか、キャビンとサブフレームの結合部には高剛性と衝撃吸収性を両立する「アブレーションキャスティング」という世界初のアルミキャストが用いられている。加えて、Aピラーからルーフにかけての芯材は小径にして高強度と安全性を確保する3Dベンドの超ウルトラハイテン鋼を採用。アルミとの結合部は加工時の熱による組成変化を避けるため、構造接着剤ではなくシーリングによって絶縁されていた。

また、負荷の小さい床下のフットボードにはカーボンパネルを用いるなど、材料置換を積極的に施すなどした結果、新しいNSXのホワイトボディーは約230kgと、初代に対して20kgの重量増に抑えられている。一方の剛性は静的ねじりで300%、動的ねじりで200%、開発ベンチマークたる「フェラーリ458イタリア」を上回ったという。

「NSX」のフロントマスク。ボディー各部の開口部は、いずれも空力性能の向上や、パワーユニットおよびドライブトレインの冷却のために設けられたものだ。
「NSX」のフロントマスク。ボディー各部の開口部は、いずれも空力性能の向上や、パワーユニットおよびドライブトレインの冷却のために設けられたものだ。 拡大
エンジンをミドシップ搭載する「NSX」。前後重量配分は前:後ろ=42:58となっている。
エンジンをミドシップ搭載する「NSX」。前後重量配分は前:後ろ=42:58となっている。 拡大
ボディーはアルミニウム材をメインに用いたスペースフレーム構造の骨格に、アルミおよび樹脂製のアウターパネルを組み合わせたもの。フロアパネルにはカーボン素材が用いられている。
ボディーはアルミニウム材をメインに用いたスペースフレーム構造の骨格に、アルミおよび樹脂製のアウターパネルを組み合わせたもの。フロアパネルにはカーボン素材が用いられている。 拡大

システム全体で573hpの出力を発生

新型NSXに搭載される縦置きパワーユニットは、その中核となるのが完全専用設計の3.5リッターV6ツインターボで、燃料噴射はダイレクト&ポートの併用式となる。75度という特殊なバンク角は補機類の搭載スペースや低重心化といったパッケージ上の最適を狙ったもので、潤滑方式はもちろんドライサンプだ。共同開発元のコスワースからはヘッド部が部品として、ホンダ最大のエンジンプラントとなるオハイオ州のアンナ工場へ納入される。

500hpのパワーと56.1kgmのトルクを誇るそのエンジンと、浜松工場製の9段DCTとの間に挟まれるメインモーターのスペックは47hp/15.1kgm。さらに前軸側には2つの36hp/7.5kgmの駆動モーターが一対に置かれ、精細なベクタリング制御を実現している。これら3つのモーターからなるハイブリッドユニットを含めたシステム総合出力/トルクは573hp/65.7kgmと、スーパースポーツとして一級のものだ。ちなみに1.1kWhの駆動用リチウムイオンバッテリーは、リアバルクヘッドを挟んで室内側、燃料タンクはエンジンルーム側に低く配され、ハイブリッド用のパワーコントロールユニットは室内センタートンネル部に置かれる。駆動用バッテリーの温度管理はエアコンユニットから分岐した冷気導風によって行われ、仮に室内空調を使っていない時でも、バッテリーの発熱状況によっては冷却のためにエアコンが作動する仕組みだ。

新型NSXでは冷却と動的安定性を両立すべく、エアロダイナミクスにも力が注がれている。特徴的なCピラーのフローティングデザインは、冷却導風と共にリア上べりへと走行風をきれいに流すために幾度も形状検討がなされたもので、フロア下の整流効果も含めるとアクティブスポイラー等のデバイスを用いずとも十分なダウンフォース量を稼ぎ出すことができたという。ちなみに、開発時にはF1の開発拠点であるHRD Sakuraのムービングベルト風洞も用いられている。

「NSX」のシステム最高出力は573hp、同最大トルクは65.7kgm。最高速度は191mph(約307km/h)と公表されている。
「NSX」のシステム最高出力は573hp、同最大トルクは65.7kgm。最高速度は191mph(約307km/h)と公表されている。 拡大
2015年のデトロイトショーで発表された「NSX」のランニングシャシー。パワーユニットは3.5リッターV6ターボエンジンと3つの駆動用モーターの組み合わせ。モーターは1つがリアに、2つがフロントに搭載される。
2015年のデトロイトショーで発表された「NSX」のランニングシャシー。パワーユニットは3.5リッターV6ターボエンジンと3つの駆動用モーターの組み合わせ。モーターは1つがリアに、2つがフロントに搭載される。 拡大
特徴的なフローティングデザインが用いられた「NSX」のCピラー。
特徴的なフローティングデザインが用いられた「NSX」のCピラー。 拡大

走行モードは4種類、VSAは完全カットも可能

低く設定されたフロントカウル越しに前方をみると、盛り上がったフェンダーの両峰が前輪の位置を明確に示してくれるほか、Aピラーも細身に仕立てられるなど、新型NSXの視界は初代の美点をしっかりと受け継いだクリーンなものだった。一方、車体形状から察する通り、後方視界はさすがに初代ほどの“あけすけ感”はない。バッテリーやパワーコントロールユニットの搭載もあって、室内に小さなカバンなどを置くスペースが確保できなかったことも初代と同様で、かさばる手荷物は「小さなゴルフバッグなら押し込むことも可能」というリアトランクスペースに置くことになる。僕が載せたカバンやジャケットがひどく熱くなることはなかったが、積載物によっては工夫が必要だろう。

乗員空間は適度にタイトで、左ハンドルの北米仕様ではストレートに運転姿勢が構えられる。シートのボルスターは適度な硬さで、センターコンソールのニーサポートも含め、ドライブ中にホールド不足を感じることはなかった。ステアリングは非円形だが、ロック・トゥ・ロックは1.91とタイトに仕上げられていることもあって持ち替えの機会は少なく、形状に違和感を抱くこともない。総じて、操作にまつわるエルゴノミクスはよくできていた。

センターコンソールに配されるダイヤルは左右に回すことで、「インテグレーテッド・ダイナミクス・システム」の走行モードを4段階に切り替えることが可能だ。可変項目はパワートレイン、SH-AWD、VSA(車両挙動安定化制御システム)、ダンパーレート、ステアリングアシストの5つで、「クワイエット」および「スポーツ」のモードではアイドリングストップ機能も働き、ハイブリッドカーとしてモーター走行も積極的に行う制御となっている。そして本格的なスポーツ走行に適する「スポーツプラス」および「トラック」のモードではサスペンションやステアリングアシストの制御がスポーティー側に変更されるほか、パワートレインやSH-AWD、VSAはモード別に専用の制御が適用される。端的に言えばスポーツプラスは前軸のモーターベクタリングを最も積極的に用いた回頭性重視のセットアップ、そしてトラックはVSAの介入を極力控え、持てるすべてを積極的に推進力へと変えるサーキット向けのセットということになるだろう。VSAは完全カットも可能だが、試乗時のスイッチオフは“NG”とされた。

テスト車に装備されていた、レザーとアルカンターラのコンビシート。北米仕様ではこれが標準装備となる。
テスト車に装備されていた、レザーとアルカンターラのコンビシート。北米仕様ではこれが標準装備となる。 拡大
「NSX」のセンタークラスターおよびセンターコンソールまわり。トランスミッションはデュアルクラッチ式9段ATで、コンソール中央のスイッチ類で操作する。
 
「NSX」のセンタークラスターおよびセンターコンソールまわり。トランスミッションはデュアルクラッチ式9段ATで、コンソール中央のスイッチ類で操作する。
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「NSX」のステアリング機構は、ロック・トゥ・ロックが1.91。状況に応じてギア比が12.9:1から11.07:1に変化する、可変ギアレシオ機能が備わっている。
「NSX」のステアリング機構は、ロック・トゥ・ロックが1.91。状況に応じてギア比が12.9:1から11.07:1に変化する、可変ギアレシオ機能が備わっている。 拡大
 
アキュラNSX(4WD/9AT)【海外試乗記】の画像 拡大

ローンチモードで感じるハイブリッドの威力

フェラーリ458イタリアやV10エンジンの「アウディR8」、「ポルシェ911ターボ」などをダイナミクスのベンチマークに想定し、開発を続けてきたという新型NSXのパフォーマンスは、確かに目を見張るものがあった。

エンジンはピックアップも軽く7500rpmまでしっかりと回り切り、トップエンド付近でのパワーの落ち込みも抑えられている。バルブ式エキゾーストから放たれるそのサウンドは、やや低めながらV6としては十分にスポーティーさを感じさせるもので、室内側に取り回された吸気共鳴バイパスの効果もあって、高揚感も程よく演出されていた。

そこにモーターが加わるハイブリッドシステムの効果を、最も強力に感じられるのがローンチモードだ。トラックモードでフットブレーキを踏んだまま、アクセルをキックダウンスイッチの位置まで“底踏み”することで作動するそれは、エンジン回転数を2200rpm付近でホールド。そこからフットブレーキをリリースするだけで全力加速が可能となる仕組みとなっている。リリース時の低いエンジン回転数を3つのモーターが補うゼロ発進は、強烈な蹴り出しと共に、その推進力が直線的に維持される。これは電光石火でシフトアップを繰り返す9段DCTの効果もさることながら、ターボラグや出力曲線の谷をきれいにカバーするモーターアシストによる効果が大きいはずだ。コンベンショナルなスーパースポーツの加速感とは一線を画する、この加速感こそが新型NSXの象徴的なキャラクターといえるだろう。

「NSX」には、静止状態からの強力なフル加速を実現するローンチコントロール機能が搭載されている。
「NSX」には、静止状態からの強力なフル加速を実現するローンチコントロール機能が搭載されている。 拡大
マフラーはセンター4本出し。中央の2本と左右の2本とで形状が異なる。
マフラーはセンター4本出し。中央の2本と左右の2本とで形状が異なる。 拡大

ダッシュボードの中央に備わる、走行モード選択用のダイヤル式コントローラー。「クワイエット」「スポーツ」「スポーツプラス」「トラック」の4種類のモードが用意される。


	ダッシュボードの中央に備わる、走行モード選択用のダイヤル式コントローラー。「クワイエット」「スポーツ」「スポーツプラス」「トラック」の4種類のモードが用意される。
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モードによって変化するベクタリングの“利き具合”

その加速感を知るにつけ、コーナリング時のスロットルコントロール性においてはもう少しダイレクト感が欲しくなる。逆に言えばそのくらい、クローズドコースでの新型NSXのパフォーマンスは自然にしなやかにしつけられていた印象だ。

トラックモードではくだんの前輪ベクタリングも露骨な利きは感じられず、多めにアクセルを踏み込んだところでグイグイと旋回ゲインが高まる様子はない。はたからコーナリングの所作をみていれば、コンパクトなターンになにがしかのデバイス介入が感じられるが、乗っている身には重心の低さもあって、例えば“ランエボ”や“GT-R”のように身をよじらせながらアンダーを封じ込めて強引にイン側へとねじり寄る感覚に乏しい。言うまでもなく、これは究極のスピードでボディーコントロールを緻密に行えるプロのスキルにも対応したトラックモードゆえのセットアップであって、一般的なスキルで旋回アシストを積極的に用いるのであれば、スポーツプラスモードの側が向いているということだ。特に峠道のような“不規則な環境”ではベクタリング効果がしっかりと働き、シャープなコーナリングを楽しむことができた。

ブレーキに関しても試乗車はすべてオプションのブレンボ製カーボンセラミックシステムが装着されていたが、回生ブレーキとのミクスチャー領域からのコントロール性、絶対制動力や姿勢の安定感など、こちらも見事なしつけがなされている。

新型NSXの最大の課題は、路面との接地状況が実感しづらいことにあるだろう。ダブルボールジョイント形式のサスは確かにベクタリングのキックバックを和らげてくれるが、その分ステアリングインフォメーションも曖昧なものにしてしまう危惧がある。実際のロードホールディング性能に問題はなくとも、その過渡状態がリニアに伝わりづらいとあらば、クルマとの信頼関係も築けない。デルファイの「マグネティックライド」を用いたサスはレーシングスピードでの追従性とタウンスピードでの乗り心地、その両極においてもいい仕上がりをみせているだけに、そこから伝わる情報をもう少し明瞭化すれば、クルマの魅力は一層高まるはずだ。

「NSX」にはフロントの左右輪を個別のモーターで駆動することによってコーナリング時のアンダーステアを抑制する、ベクタリング機能が備わっている。
「NSX」にはフロントの左右輪を個別のモーターで駆動することによってコーナリング時のアンダーステアを抑制する、ベクタリング機能が備わっている。 拡大
タイヤサイズはフロントが245/35ZR19、リアが305/30ZR20で、鍛造のアルミホイールが組み合わせられる。
タイヤサイズはフロントが245/35ZR19、リアが305/30ZR20で、鍛造のアルミホイールが組み合わせられる。 拡大
サスペンション形式は、フロントがダブルウイッシュボーン、リアがマルチリンクで、磁性流体を用いた電子制御ダンパーが装備される。
サスペンション形式は、フロントがダブルウイッシュボーン、リアがマルチリンクで、磁性流体を用いた電子制御ダンパーが装備される。 拡大

3つのモーターがかなえるさらなる可能性

クワイエットモードを用いての発進時はモーターによるEV走行となるが、そのアシスト域はやや狭く、慎重にアクセルを踏み込んでもおおむね40km/hまでにはエンジンが始動する。その作動感についてはショックがしっかりと抑えられており、ハイブリッドカーとしての洗練度は及第点以上のところが確保されていた。また、100km/h前後の巡航時でも低負荷状態ではエンジンを積極的に落とすなど、燃費効率にも気が配られており、走行時の音振対策もこの手のクルマとしては相当行き届いているといえるだろう。ちなみに65マイル(約105km/h)前後の速度を中心にインスタントに計測した燃費は26mpg、つまり11km/リッター程度。街中領域での回生効果や、瞬間燃費計の推移などをみるに、同等の動力性能を持つスーパースポーツたちに対して、大幅とはいわずとも確実に上回る環境性能は身に着けているようだ。

猛烈にエキゾチックでもなければ強烈なエモーションもない。最高レベルのスポーティネスと最大限の効率を両立しながら、それを可能な限りコンパクトなパッケージにまとめ上げ、そこに普段遣いも苦にならない柔軟性を加えたという新型NSXの成り立ちをみるに、それは初代のコンセプトと大きく重なっているように思える。さりとて、あまたのスーパースポーツもひと昔前では考えられないほどの多様性を備えつつある今、それは突出した個性にはなり得ないだろう。

が、新型NSXが備える3モーターのソリューションは、プログラムによる変化の余幅も大きい。エンジニアとの対話の行間からは、スロットルや操舵(そうだ)のレスポンスを大きく際立たせる仕様にも、より燃費に振り込んだ仕様にも、お望みとあらば対応できる引き出しは用意されているようにうかがえた。ライバルはもとより、ソリューションが決め打ちゆえにモデル末期はニュルブルクリンクでのラップタイム一本足でブランドのテンションを維持せざるを得なかった初代とは、そこが大きく異なっている。年央が見込まれる日本デビューの前から気の早い話だが、このクルマがみせてくれるだろう、スポーツカーの新しい世界観にぜひ期待したい。

(文=渡辺敏史/写真=本田技研工業)

米国EPAの計測モードによる「NSX」の燃費は、シティーモードが20mpg(約8.5km/リッター)、ハイウェイモードが22mpg(約9.4km/リッター)、複合モードが21mpg(約8.9km/リッター)となっている。
米国EPAの計測モードによる「NSX」の燃費は、シティーモードが20mpg(約8.5km/リッター)、ハイウェイモードが22mpg(約9.4km/リッター)、複合モードが21mpg(約8.9km/リッター)となっている。 拡大
サーキットを走る、赤、白、青の「NSX」。北米仕様には全8色のボディーカラーが用意される。
サーキットを走る、赤、白、青の「NSX」。北米仕様には全8色のボディーカラーが用意される。 拡大
ヘッドランプはLED式で、オートハイビーム機能が標準装備される。
ヘッドランプはLED式で、オートハイビーム機能が標準装備される。 拡大
新型「NSX」は、2016年春の北米での発売を皮切りに、日本を含む各市場に順次導入される予定だ。
新型「NSX」は、2016年春の北米での発売を皮切りに、日本を含む各市場に順次導入される予定だ。 拡大

テスト車のデータ

アキュラNSX

ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4470×2217×1214mm(※全幅はサイドミラーを含む)
ホイールベース:2629mm
車重:1725kg
駆動方式:4WD
エンジン:3.5リッターV6 DOHC 24バルブ ツインターボ
モーター:交流同期電動機
トランスミッション:9段AT
エンジン最高出力:500hp(373kW)/6500-7500rpm
エンジン最大トルク:56.1kgm(551Nm)/2000-6000rpm
フロントモーター最高出力:36hp(27kW)/4000rpm(1基当たり)
フロントモーター最大トルク:7.5kgm(73Nm)/0-2000rpm(1基当たり)
リアモーター最高出力:47hp(35kW)/3000rpm
リアモーター最大トルク:15.1kgm(148Nm)/500-2000rpm
システム最高出力:573hp(427kW)
システム最大トルク:65.7kgm(644Nm)
タイヤ:(前)245/35ZR19 93Y/(後)305/30ZR20 103Y
燃費:21mpg(約8.9km/リッター、EPA複合モード)
価格:--円/テスト車=--円
オプション装備:--
※諸元は北米仕様のもの。

テスト車の年式:2016年型
テスト開始時の走行距離:--
テスト形態:ロードインプレッション/トラックインプレッション
走行状態:市街地(--)/高速道路(--)/山岳路(--)
テスト距離:--
使用燃料:--(ハイオクガソリン)
参考燃費:--
 

アキュラNSX
アキュラNSX 拡大
渡辺 敏史

渡辺 敏史

自動車評論家。中古車に新車、国産車に輸入車、チューニングカーから未来の乗り物まで、どんなボールも打ち返す縦横無尽の自動車ライター。二輪・四輪誌の編集に携わった後でフリーランスとして独立。海外の取材にも積極的で、今日も空港カレーに舌鼓を打ちつつ、世界中を飛び回る。

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