第7回:各ブランドのフラッグシップが集結!
輸入車チョイ乗りリポート~1000万円から2000万円編~
2017.03.15
JAIA輸入車試乗会2017
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JAIA輸入車試乗会の会場より、webCG編集部員が気になったクルマをリポート。今回は1000万円台の高級輸入車の中から、「BMW 7シリーズ」のPHVモデル、「テスラ・モデルX」「ジャガーXJR」「アウディRS 7」の走りをお届けする。
速くてうまいエコカー
BMW 740e iPerformance Mスポーツ……1240万円
“e”の字が付く「740e」は、BMW 7シリーズのプラグインハイブリッド仕様車。家庭やオフィスのコンセントで充電でき、エンジンとモーターを併用して走れるエコロジーなセダンだ。
そういう特殊なモデルは高価になるのが普通だが、740eは7シリーズの中で最廉価。思い切った価格設定は、「PHVを本気で普及させたい」という企業姿勢によるものだという。それでも、1000万円以上するけれど。
パワーユニットのベースは、2リッターの直4ターボ。全長5.1mの大型車には不釣り合いじゃないか? と思いきや、高出力モーターとのタッグでスポーツカーもたじたじの加速を見せる。驚いてカタログをチェックしたら、システム全体の最高出力は326psで、最大トルクは51.0kgm! アクセルペダルを踏み込んだ際のサウンドも4気筒らしからぬ重低音で、とにかくエコカー然としていない。
それが「EVモード」を選ぶや、まるで別のクルマになるから面白い。あんまり静かで快適なので、運転席から後席へと移りたくなるほどだ。市街地はもちろん、高速道路の速度域まで使えるこのEVモード、1充電あたり42km走行可能で、電気代は100円程度で済むのだとか。
……ってことは? 毎日EVモードでカバーできれば、年間1万5000km走ってもランニングコストは3万6500円。ハイオクガソリンの純エンジン車「740i」より12万~13万円も安くなる。それで10年乗ったなら……。環境意識があってもなくても、うれしくなってくるでしょう?
(文=webCG 関/写真=田村 弥)
一番面白いテスラ
テスラ・モデルX P100D……1728万3000円
モデルXは意外性のかたまりだ、全長は5m余り、全幅も2mを超える。車重は2.5tに近い。しかしボディーのフォルムがクーペ風であるためか、実物を目の当たりにしても、そんなに大きく、重いクルマという感じがしない。
予想が裏切られるのは加速もしかり。駆動用モーターを前後車軸に1基ずつ搭載した4WDで、今回試乗したトップグレードの「P100D」だと、システム総合で539psと967Nm(98.6kgm)に達するという。念のため同乗者に「加速しますよ」と断って、スロットルペダルならぬアクセラレーターを深く踏み込む。すると超強力なスリングショット(パチンコ)にはじかれたかのごとく、ドーンと勢いよく前に出た。しかもトランスミッションがないので“1速”のまま、容赦なくグングンと伸びていく。この天井知らずでどこか無慈悲な感じすら伴う加速感は、山梨実験線で乗せてもらったリニアモーターカーによく似ている。0-100km/h加速は3.1秒とのこと。速いはずだ。
乗り心地も独特だ。背が高く、乗員の視線もそれなりに高いクロスオーバー車なのに、ピッチング方向にもロール方向にも傾かず、俗に言う“フラット”な姿勢を維持し続ける。だからといって、足まわりの設定が硬いわけでない。悪名高き西湘バイパスの目地段差を、それなりにマイルドにやり過ごす。サスペンションはよく動いているのだ。低い重心がもたらす、安定感に満ちた走りっぷりである。
テスラの電気自動車としてのパッケージは、“内燃機関車”ではとかく鈍重になりがちなクロスオーバー車でこそ生きてくるようだ。個人的にはセダンの「モデルS」より面白いテスラだと思う。
(文=webCG 竹下/写真=峰 昌宏)
ドライバーズシートが特等席
ジャガーXJR……1856万円
ただでさえ存在感がある「ジャガーXJ」だが、「R」ともなると周囲に放つ迫力はかなりのもの。ボディーが純白(ポラリスホワイト)で足元のホイールを黒でキメた試乗車は、スポーティーでありながらドスも利いている。このクルマが放つコワモテなオーラはかなりのもの。この雰囲気に対抗できるスポーツサルーンはそうはない。
全長5.1m×全幅1.9mという大柄なボディーの中では、デザイン性の強い豪奢(ごうしゃ)なインテリアが展開され、それを引っ張るエンジンパワーも550psと豪快だ。5リッターV8スーパーチャージャーユニットは6500rpmのトップエンドまで勢いよく吹け上がり、1960kgのボディーをとんでもない勢いで加速させる。その一方で、わずか1500rpmでずぶといトルクを生み出し、街乗りでもとても扱いやすい。柔軟性に富んでいる。
乗り心地は非常に快適。適度に引き締まっており、ジャガーと聞いてみんなが期待するに違いないしなやかさも備わっている。路面からのさまざまな入力をマイルドにやりすごし、それでいて基本的にはフラットな姿勢を崩さない。
加えて運転する楽しみももちろんある。ショーファードリブンとしても活躍するだろうが、特等席はやはり運転席。ドライバーズカーとしての実力は相当なものだ。
(文=webCG 竹下/写真=峰 昌宏)
アンビバレントな存在
アウディRS 7スポーツバック パフォーマンス……1857万円
「アーマーゲーとか下品よね」とか言いながら、トンネルの度に爆音響かせて楽しんでるようなクルマ。それが「アウディRS 7スポーツバック パフォーマンス」のイメージだった。
なにしろスペックがすごい。車名に「RS=レーシングスポーツ」やら「パフォーマンス」やら付くだけあって、4リッターV8ツインターボエンジンは、605psの怪力を生み出す。最大750Nmというぶっといトルクとも相まって、0-100km/h加速は3.7秒とバカッ速! つまり公道では、フル加速が4秒も楽しめない。最高速は305km/hでリミッターが利くらしいが、こちらを試す機会はほぼないだろう。
ドライブを開始すると、助手席に座るwebCGマーケティング担当のSAGは、「ジェントルマンなクルマですねぇ~」と感心しきりだった。「マン」は余計だろ? と気になったのはさておき、SAGいわく、「ガチガチのレーシングカーみたいな乗り心地を想像していたら、まったく違っていて、滑らかでラグジュアリーな乗り心地にビックリ。これなら家族でのドライブにもピッタリですね」ということらしい。
確かにRS 7は、ゆっくり流していても、速く走っても、乗り心地の良さが印象的である。足まわりのセッティングが巧みで、路面の細かい凹凸をほとんど感じさせないし、姿勢も見事にフラットに保たれる。一方で、有り余るパワーを解き放てば、恐ろしく速く、極めて安定してサラッと走ることもできる。
ベリーホットな中身を、クールな外観で装ったRS 7スポーツバックの試乗車は、オプション込みで1965万円だった。それを安いと思うか、高いと思うか? 「控えめを美徳としながらも、実は目立ちたい」。そんな人にとっては、価値のある一台だと思います。
(文=webCG こんどー/写真=田村 弥)

webCG 編集部
1962年創刊の自動車専門誌『CAR GRAPHIC』のインターネットサイトとして、1998年6月にオープンした『webCG』。ニューモデル情報はもちろん、プロフェッショナルによる試乗記やクルマにまつわる読み物など、クルマ好きに向けて日々情報を発信中です。
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