クルマ好きなら毎日みてる webCG 新車情報・新型情報・カーグラフィック

第494回:新型「スバル・フォレスター」がデビュー!
ニューヨークショーで見た、率直な感想は?

2018.04.07 エディターから一言
2018年のニューヨークショーで世界初公開された新型「スバル・フォレスター」。
2018年のニューヨークショーで世界初公開された新型「スバル・フォレスター」。拡大

ニューヨーク国際自動車ショーで、いよいよ世界初公開された新型「スバル・フォレスター」。日米問わず根強いファンを持つスバルの最量販モデルは、果たしてどのような進化を遂げたのか? モーターショーの会場から、その第一印象をリポートする。

2018年3月28日(現地時間)に行われたプレスカンファレンスの様子。現地での注目度の高さをうかがわせる。
2018年3月28日(現地時間)に行われたプレスカンファレンスの様子。現地での注目度の高さをうかがわせる。拡大
ワゴンを思わせる背の低いボディーが特徴の快速SUVとして、1997年に登場した「フォレスター」。2007年にデビューした3代目で一般的なミドルクラスSUVにコンセプトを変更。今回発表された新型は、5代目のモデルにあたる。
ワゴンを思わせる背の低いボディーが特徴の快速SUVとして、1997年に登場した「フォレスター」。2007年にデビューした3代目で一般的なミドルクラスSUVにコンセプトを変更。今回発表された新型は、5代目のモデルにあたる。拡大
新型「フォレスター」に搭載される2.5リッター水平対向4気筒直噴エンジン。力強く軽快なドライブフィールと高い環境性能を両立するため、従来の2.5リッターエンジンから、実に90%の部品が刷新されたという。
新型「フォレスター」に搭載される2.5リッター水平対向4気筒直噴エンジン。力強く軽快なドライブフィールと高い環境性能を両立するため、従来の2.5リッターエンジンから、実に90%の部品が刷新されたという。拡大
新型「フォレスター」のインストゥルメントパネルまわり。
新型「フォレスター」のインストゥルメントパネルまわり。拡大
表皮素材にステッチを施すなど、ドアの内張りについても質感の向上が図られている。
表皮素材にステッチを施すなど、ドアの内張りについても質感の向上が図られている。拡大

このデザインは間違いなく確信犯

ニューヨーク国際自動車ショーの会場で見た新型「スバル・フォレスター」の第一印象は、「これはまた、潔いまでにキープコンセプトなクルマだな」というものだった。こんなことを言うとデザイナー氏は気を悪くするかもしれないが、本当に従来モデルとソックリなのだ。ついでに、3列シートSUVの「アセント」とも。

確かに、じっと目を凝らせば「DYNAMIC×SOLID」という最新のデザインコンセプトに沿う特徴も見受けられるのだが、“パッと見”で脳に刻まれるのは、やはり2007年デビューの3代目から受け継がれてきた部分(ライバルと比べて立ち気味のAピラー、広いグリーンハウス、ルーフの後端付近まで水平基調を保つルーフラインなど)が主なのである。それどころか、顔を見れば六角形のフロントグリルや“つり目”のヘッドランプといった従来モデルの特徴がそのまま受け継がれているではないか。これはもう、ゼッタイ、確信犯だろう。

もちろん、記者がこの外観イメージを「あえての確信犯だな」と考えた理由はそれだけではない。というのもこのクルマ、デザイン以外は従来モデルから一新されているのだ。

車両骨格はスバルの新世代アーキテクチャー「SGP(スバルグローバルプラットフォーム)」に置き換わっているし、エンジンも新開発の2.5リッター直噴ユニットに変更。フォレスターの伝統だったターボエンジンの設定は廃止された。ドライブトレインにも新たにアクティブトルクベクタリングを採用するなどの改良が見られるし、顔認証技術を応用し、ドライバーが乗車すると自動でドライビングポジションやエアコンの設定を調整する“おもてなし機能”を採用するなど、技術的に新しい試みも積極的に取り入れられている。

乗ってみても(運転はしていませんが)進化の程は明らか。インテリアは意匠が変わっただけでなく、ダッシュボードやドアトリムにもステッチを施すなどして質感を向上。長くなったホイールベースのおかげで、後席のニールームは明らかに広くなった。ちなみに、ボディーサイズは全長×全幅×全高=4625×1815×1730mmと、従来モデルよりちょこっとだけ大きくなっている。

スバル フォレスター の中古車

ターボはなくとも走りに自信あり

運転はしていないので分からないが、ドライブフィールも期待を裏切らないものに仕上がっているという。会場では開発責任者の布目智之氏に話を聞く機会を得たのだが、「比較的リジッドで“ねじれ”などがないプラットフォームを使えたことにより、足をしっかり固めつつ、マウントなどをソフトにすることができた。操縦安定性は非常に上がっているが、同時に乗り心地も両立できている」「不快な振動を抑制する上で、SGPを非常に有効に使うことができた」とのことだった。

また、読者の皆さんが気にされているであろう動力性能・運動性能に関しては、「SGPの採用により、良好だった従来モデルからさらに高めることができた。制御面でも、スポーティーに走りたいと思えばそのように走らせられるよう工夫を施している」とコメント。ターボエンジンの消滅を嘆く意見に対しては、「今回のモデルの2.5リッターエンジンは、悪路でもどこでも強さを発揮する、下からトルクをしっかり出せる非常にいいエンジンとなっている。お客さまの期待に応えられるものに仕上がっているのではないか」と述べ、新しいNAエンジンの仕上がりに自信をうかがわせた。

同時にチーフデザイナーの大関 透氏にも話を聞いたのだが、「『ヴィジヴ フューチャーコンセプト』にもっと寄せたデザインになると思っていた」という記者に対し、「通常のモデルについては、上質さであったり、よりもっと快適に、安心して遠くまで行けるようなクルマとして造ったが、『スポーツ』については、時に未舗装路を走ったりしてアウトドアを楽しむような、アクティブな方にも楽しんでもらえるクルマとして造った。『このクルマでいろんな楽しさを提供したい』というコンセプトカーの思想は生きている」とのことだった。

新型「フォレスター」の開発責任者を務めた、スバルの布目智之氏。(写真=ケニー中嶋)
新型「フォレスター」の開発責任者を務めた、スバルの布目智之氏。(写真=ケニー中嶋)拡大
チーフデザイナーの大関 透氏。スポーティー仕様の車両に用いられた白のボディーカラーとオレンジのアクセントは、「ヴィジヴ フューチャーコンセプト」から受け継がれたものだという。(写真=ケニー中嶋)
チーフデザイナーの大関 透氏。スポーティー仕様の車両に用いられた白のボディーカラーとオレンジのアクセントは、「ヴィジヴ フューチャーコンセプト」から受け継がれたものだという。(写真=ケニー中嶋)拡大
2015年の東京モーターショーで世界初公開された「ヴィジヴ フューチャーコンセプト」。
2015年の東京モーターショーで世界初公開された「ヴィジヴ フューチャーコンセプト」。拡大

SUVとしての本領で勝負

今回の取材で感じたのは、新型フォレスターが特定のとがったイメージで勝負するクルマとしてではなく、よりSUVとしての本領で勝負する方向に進化したということである。伝統のシンメトリカルAWDに加え、布目氏も述べていた“力強さ”が身上の新エンジン、現行モデルと同等の220mmというロードクリアランス、ダイヤル式とすることで操作性を高めた「X-MODE」など、走破性(と、それに付随する操作性)に関する部分にコダワリが見て取れるのはいつものこと。同時に、より使いやすくなったラゲッジルームに、最新のインフォテインメントシステム、後席用のUSB充電ポート、Wi-Fiホットスポットをはじめとしたテレマティクス機能など、このクルマはSUVの“U”(Utility)の部分にも力が入っている。

なぜスバルがこうした方向性を選んだかといえば、SUVカテゴリーにおいて、もはやフォレスターがニッチではなくメジャーな存在だからだろう。主戦場たる北米での年間販売台数は、モデル末期の2017年ですら17万7563台。ランキングでは同門の「アウトバック」に継ぐ11位に位置している。また、そのアメリカ市場でユーザーが持つスバルのブランドイメージは「安全、耐久性や信頼性、冒険的」(スバル・オブ・アメリカのアラン・ベスキー上級副社長)とのこと。今回のフォレスターの進化は、ユーザーがブランドに寄せる期待に応えた当然の結果なのだろう。同時に先述のブランドイメージは、日本のユーザーがスバルに寄せるそれとも大きく乖離(かいり)はしていないと思う。

それでもやっぱり、日本のユーザーの中には、ボンネットに空気穴が開いたスバル車に郷愁を抱く私のような人間もいる。「メジャーなクルマだからこそランアップ拡充を!」という考え方もあるわけだし、スバルにはやっぱり、アセントの2.4リッターターボを積んだ豪快なフォレスターも造ってほしいと思ってしまった。

いずれにせよ、新型フォレスターについては、そう遠くない未来に日本仕様もお披露目されそうな気配である。販売店ではすでにさまざまな“前情報”が発信されており、そこには「ターボに替えて、実はマイルドハイブリッドの設定も!」などという耳寄りな話も含まれている。興味のある方は、ぜひ続報に耳をそばだてておいてほしい。

(文=webCG 堀田剛資/写真=スバル、ケニー中嶋、webCG)
 

新たに採用されたダイヤル式の「X-MODE」コントローラー。既存のモデルでは、VDCのOFFスイッチは別の場所に設置されていたが、新しいコントローラーではVDCを作動させない「D.SNOW MUD」モードも含め、すべての走行モードがこのダイヤルだけで選択できるようになった。
新たに採用されたダイヤル式の「X-MODE」コントローラー。既存のモデルでは、VDCのOFFスイッチは別の場所に設置されていたが、新しいコントローラーではVDCを作動させない「D.SNOW MUD」モードも含め、すべての走行モードがこのダイヤルだけで選択できるようになった。拡大
最大幅1300mmという広い開口部を特徴とする荷室スペース。荷室側への“出っぱり”や専用の支柱などを廃した、新開発の電動テールゲートを採用するなど、実用性の向上にも抜かりはない。
最大幅1300mmという広い開口部を特徴とする荷室スペース。荷室側への“出っぱり”や専用の支柱などを廃した、新開発の電動テールゲートを採用するなど、実用性の向上にも抜かりはない。拡大
米国市場における顧客の動向や、広告戦略などについて語るスバル・オブ・アメリカのアラン・ベスキー上級副社長。米国では“まずブランドを好きになってもらうこと”を目的とした、その名も「スバルLOVEキャンペーン」により、ここ数年でブランド認知度が急上昇。売り上げアップにも貢献しているという。
米国市場における顧客の動向や、広告戦略などについて語るスバル・オブ・アメリカのアラン・ベスキー上級副社長。米国では“まずブランドを好きになってもらうこと”を目的とした、その名も「スバルLOVEキャンペーン」により、ここ数年でブランド認知度が急上昇。売り上げアップにも貢献しているという。拡大
会場には5代目にあたる新型に加えて歴代の「フォレスター」も展示されていたため、世代ごとの違いを実際に見比べて確かめることができた。
会場には5代目にあたる新型に加えて歴代の「フォレスター」も展示されていたため、世代ごとの違いを実際に見比べて確かめることができた。拡大
車買取・中古車査定 - 価格.com

メルマガでしか読めないコラムや更新情報、次週の予告などを受け取る。

ご登録いただいた情報は、メールマガジン配信のほか、『webCG』のサービス向上やプロモーション活動などに使い、その他の利用は行いません。

ご登録ありがとうございました。

スバル フォレスター の中古車
関連キーワード
関連記事
関連サービス(価格.com)

webCGの最新記事の通知を受け取りませんか?

詳しくはこちら

表示されたお知らせの「許可」または「はい」ボタンを押してください。