取り付けるスペースに合わせて選べる高性能ナビ
ケンウッドの2018年版フラッグシップモデルはMDV-Z905とMDV-Z905W。総称して「TYPE Z」シリーズと呼ばれ、前者が一般的な2DINサイズ、後者が横幅200mmスペースに対応したワイドモデルとなる。一般的なワイドモデルは右側にハードキーを設けただけの、基本的に2DI Nと同じデザインが大半だが、この2モデルは異なる。MDV-Z905が横幅180mmの2DINサイズをフルに画面が占め四隅も角張っているのに対し、MDV-Z905Wは大型化されたハードキーを含めて全面をスタイリッシュなフラットパネルとし、外周に丸みを持たせたまったく別のデザインをまとう。画面サイズが7V型であるのはどちらのモデルも変わらない。また、性能や内容もまったく同一である。
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ハイレゾ音源をワイヤレスで飛ばす
2018年のTYPE Zシリーズが最も売りとしているのがオーディオ部分である。TYPE Zシリーズはハイレゾ音源への対応にどこよりも早く取り組み製品化も一番早かったが、他機が追随してくると新TYPE Zはハイレゾの高音質コーデック「LDAC(エルダック)」にいち早く対応、ライバルにまた差をつけた。LDACとはソニーが開発したBluetoothの高音質伝送技術のこと。従来のBluetooth伝送技術「SBC」ではデータ伝送量が限られるため、ハイレゾ音源をワイヤレス伝送しようとするとデータを圧縮しなければならなかった。しかしそれでは音質は悪化する。これを嫌ってどのハイレゾ対応ナビも音源を収録したメディアとナビをUSBケーブルを使用して接続してきたわけだが、音源を持ち帰るたびにいちいちナビから脱着するのは煩わしいし、車内に接続ケーブルが這(は)うこと自体、美しくない。LDACコーデックのBluetoothならハイレゾ音源のデータを圧縮することなく、ほぼ原データのままカーナビにワイヤレス伝送できるので、音質の劣化もなく、音源はバッグやポケットに入れたままでいいし、ワイヤレスだからケーブルも必要ない。ただし、楽曲を収録したメディア側もBluetooth機能を有していなければならないのでLDACに対応可能な機種は限られるが、そのスマートな使い勝手は一度体験したら手放せないだろう。ハイレゾ再生はLDACだけでなく、他のフォーマットにも対応しており、USB接続でも使える。
専用ドラレコで安心の前後同時撮影
TYPE Zシリーズはナビ機能もハイレベルだ。測位性能は3軸ジャイロと3軸加速度センサーからなる6軸慣性センサーの採用で傾斜した道でも車両の正確な角度を検出、GPS信号の届かない複雑な階層の立体大型駐車場でも自車位置を見失うことがないとされている。交差点案内も進化した。的確なタイミングの音声案内はもちろん継続搭載されるが、Z905になって案内ポイントまでの距離をカウントダウン表示するようになり、ルート上の先々の交差点まで図示表示で確認できる「案内先読みガイド」も搭載した。ハイスピードで自由自在に動かせる地図スクロールなど、超速レスポンスの操作性は他の追随を許さないほどのスムーズさだ。使い勝手の点では、ケンウッド独自の「マルチINFOウィンドウ」が表示内容を一新した。渋滞表示、速度履歴、高速道路施設情報、交差点案内(ルート案内中のみ)、ルート情報(ルート案内中のみ)、ルート上の天気予報、それに再生中のAV情報を大きく表示、一瞥(いちべつ)しただけで読み取れるようになった。各種メニューを統合したHOME画面も1階層加えてわかりやすく、かつ操作しやすくなったのもうれしい変化だ。
ドライブレコーダーへの対応も進んだ。フロント用「DRV-N530」とリア用「DRV-R530」を組み合わせて前後同時録画が可能となった。上記のドライブレコーダーはTYPE Zシリーズと連携できることから、ナビの画面上で録画画像の確認はもちろん、走行中でも後方カメラの画像を映し出して、バーチャルに後方確認することも可能である。
そのほか、ルート案内時に目的地に近づくと音楽ボリュームを自動的に下げたり、高速道路走行中に逆走したとナビが検知したりした場合に画面と音声で危険運転の注意喚起を呼びかける「逆走警告」機能なども盛り込まれた。
あらゆる点で第一級の実力をもつ本モデルも発売からそろそろ1年、価格もこなれて有力な選択肢になるのではないだろうか。
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尾澤 英彦
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